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ランナウェイ



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【この小説が収録されている参考書籍】
ランナウェイ: RUN AWAY (小学館文庫)

ランナウェイの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

AIに翻弄される、人間の本性

ハーラン・コーベンの2019年の作品。アメリカミステリー界の人気者ながら日本ではイマイチ盛り上がってないハーラン・コーベンだが、物語構成の面白さと謎解きプロセスの明快さで人気上昇のきっかけになるかもしれない、完成度の高いサスペンス・ミステリーである。
成功した金融アナリストであるサイモンだが、大学に通う長女・ペイジが恋人によってジャンキーにされ失踪したため、安否を懸念し、悩まされていた。そんなある日、刑事が訪ねてきて娘を堕落させた男が殺されたことを知らされ、アリバイを確認された。容疑はすぐに晴れたのだが、事件に衝撃を受けたサイモンは、ペイジの所在を確かめたくて妻・イングリッドとともに、事件現場である危険な場所に乗り込み、そこで麻薬密売人グループから銃撃されイングリッドが瀕死の重傷を負ってしまった。ペイジが姿を消した真相を知りたいサイモンは、一人で調査を進め、彼女がある出来事をきっかけに人が変わってしまったということを知る。同じころ、失踪人探しの依頼を受けたシカゴの私立探偵・エレナは、失踪人の周りで次々と人が死んだり殺されているのに気が付く。彼らはなぜ死んだのか? 被害者たちの共通点は、どこにあるのか?
二つの出来事をつなぐように、謎の殺し屋カップルが出没し、徐々に真相が明らかになるプロセスはスリリングかつ現代的だが、事件の背景となる社会の闇は、古来から変わらぬ人間の本性につながる闇の深さで、その対比がいかにもアメリカの現代社会を表している。AIの進化が必ずしも人間性の進化や幸福に結びつくものではないという苦さが印象的である。
社会性の強いミステリー、サスペンスのファンにおススメする。

iisan
927253Y1

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