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闇という名の娘



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【この小説が収録されている参考書籍】
闇という名の娘: The HULDA TRILOGY #1:DIMMA (小学館文庫)

闇という名の娘の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

もどかしい捜査の末に衝撃のラスト

アイスランドの新米警官「アリ=ソウル」シリーズで人気のヨナソンによる新シリーズの第1作。退職間近の女性警部の公私にわたる苦悩を丁寧に描いた、静かで味のある警察ミステリーである。
64歳の女性警部・フルダは数ヶ月後の退職を前に上司から「二週間後までに席を後輩に譲れ」と告げられる。フルダは納得がいかないながら逆らうすべも無く、退職するまでの最後に未解決事件の再捜査をやらせて欲しいと要望する。そうしてフルダが手をつけたのが難民申請中に自殺したとして片付けられていたロシア人女性の不審死事件だった。当初に捜査を担当した同僚刑事の怠慢を疑ったフルダが調べ始めると、被害者は売春組織に利用されていたのではないかという疑問が浮かび上がってきた。捜査を担当できる期間として許されたのはたった三日間、フルダは進まない捜査に焦りを深めて行くのだった・・・。
退職間近の女性警部という主人公の設定が、『アリ=ソウル」シリーズと真逆なのが面白い。物語の本筋はロシア人女性の不審死の真相解明だが、サブストーリーとしてシングルマザーの苦悩、被害者とおぼしき女性の行動が展開され、やがてはひとつにまとまって行く。舞台が世界でも一、二を争う平和な国・アイスランドなので警察ミステリーとしても地味な話なのだが、サブで展開される人間ドラマがスリリングで読み応えがある。
北欧ミステリーのファンには文句なしのオススメ作品である。

iisan
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