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潤みと翳り



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【この小説が収録されている参考書籍】
潤みと翳り (ハヤカワ・ミステリ文庫)

潤みと翳りの評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(9pt)

舞台設定と物語のテーマが見事に一致

デビュー作「渇きと偽り」が高い評価を得た「連邦警察官フォーク」シリーズの第2弾。オーストラリアの大自然を舞台に、密室劇とも言うべき心理サスペンスが繰り広げられる濃密なヒューマンミステリーである。
企業の研修合宿でオーストラリアの深い森に送り込まれた5人の女性たちが道に迷い、疲れ果てて集合地点に到着した時、人数は4人に減っていた。消えたアリスがいつはぐれて森に入ったのか、他の4人は誰も見ていないという。また、アリスは誰の恨みを買ってもおかしくないほど身勝手な人物だったという。アリスは実はフォークたちが捜査を進めていた企業の内部協力者で、しかもフォークの携帯電話にはアリスが行方不明になったタイミングで発信された「〜彼女を苦しめて〜」という謎のメッセージが残されていた。アリスは一人で勝手に行動して遭難したのか、それとも何か事件に巻き込まれたのか?
大干ばつに苦しむ前作とは180度違って、今回は雨が降り止まず、携帯電波も届かない深い森が舞台である。外界から隔絶された厳しい自然の中に取り残された5人の女性たちの壮絶な人間ドラマとワイダニット、フーダニットが見事に重なり合って息詰まるサスペンスが繰り広げられる。また、主人公・フォークの人間性を示唆するドラマも興味深い。
本格的な謎解きミステリーとして、人間観察をベースにしたサスペンスとして読み応えがあり、幅広いジャンルのミステリーファンにオススメしたい。

iisan
927253Y1

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