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ベルリンは晴れているか



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ベルリンは晴れているかの評価: 6.50/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

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No.1:
(7pt)

敗戦国民の罪と罰は、どこにあるのか?

2019年度の各種ミステリーランキング、本屋大賞などで高く評価された長編小説。一人の少女を通して敗戦国民の悔恨、絶望、再生への希望を救い上げた社会派ミステリーの力作である。
1945年7月、敗戦直後のベルリンで米軍の食堂で働いていた17歳の少女・アウグステは、ある日、MPにソ連の占領地域に連行され、そこでソ連の公安警察から、戦争時代のアウグステの恩人であるクリストフの死体に対面させられた。しかも、クリストフは殺害され、犯人はアウグステではないかと問いつめられた。動機が無いと強く主張し釈放されたアウグステは、クリストフの妻で同じく恩義があるフレデリカの焦燥ぶりに同情し、クリストフの訃報を知らせるためにフレデリカの甥で行方不明のエーリヒを探すことになった。その道連れになったのが、元俳優で泥棒の陽気な男・カフカで、ソ連占領下からアメリカ占領下を経由し、ポツダム近郊の旧撮影所をめざして旅立った。敗戦の混乱から立ち直っていないベルリンは危険だらけで、しかも米英ソの三巨頭会談を目前にして街は緊張に包まれており、二人は思いがけない危機に直面し、命がけの旅になった・・・。
ミステリーとしてはクリストフ殺害の動機、犯人探しで、それなりの筋が通ったまずまずの完成度である。それよりも、ドイツが背負うことになったナチスとユダヤ人迫害という罪と罰を17歳のアーリア人少女の体験として摘出した社会派小説として高く評価したい。
「戦場のコックたち」にも通じるヒューマン・ドラマとして読むことをオススメする。

iisan
927253Y1

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