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償いは、今



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【この小説が収録されている参考書籍】
償いは、今 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

償いは、今の評価: 5.50/10点 レビュー 2件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

過去に引き戻されたようで、実は違う

MWA最優秀長編賞にノミネートされたという、女性弁護士が主役の作品。表4の紹介文ほどの衝撃作ではないが、思いがけない展開に引き込まれる法廷&犯人探しミステリーである。
43歳の女性弁護士オリヴィアは、3人を射殺したとして逮捕された容疑者の娘から「あなたがパパを助けないとダメ」という電話を受けた。戸惑うオリヴィアだったが、容疑者が学生時代からの恋人で結婚寸前でオリヴィアの側から破談にしたジャックだと知って驚愕する。一方的にジャックを傷付けたという負い目を感じていたオリヴィアが弁護を引受け、調査を進めたのだが、犯罪行為をする訳が無いと信じていたジャックには、様々な不利な証拠や背景がつきまとっていた。ジャックは罠にかけられたのか、計画的な復讐をとげたのか。オリヴィアがたどり着いた真実は・・・。
古くから知っていて、絶対に犯罪を犯すような人物ではないと信じていても、客観的な証拠が犯人ではないかと指し示したとき、どこまで信じれば良いのか。一般の人間ならまだしも、刑事弁護人となると「事実には目をつぶって弁護する」という苦しみもある。ヒロインの苦悩がメインテーマで、犯人探しのストーリーも説得力があり、どんでん返しではない揺れも面白い。
ただひとつ、物語とは関係のないことではあるが、43歳の女性弁護士が容疑者である同級生や検事、記者などを「きみ」という二人称で呼ぶのが、難点。言葉使いも、中途半端に中性的で違和感がある。会話文が続くと、だれの発言か確認するために読み返さなくてはいけなくて、読書のペースを乱されたのが不満だった。元の英文のせいなのかもしれないが、性別や年齢による言葉使いの差で発言者を判断する日本人読者に配慮して訳してもらいたかった。

iisan
927253Y1

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