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処刑の丘



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【この小説が収録されている参考書籍】
処刑の丘

処刑の丘の評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

なかなか読み応えがあります!

1920年代の物語。当時の歴史がわかります。
なかなか読み応えがあって、communityを知る良い機会になりました。
もっとオドロオドロしいものかという期待を良い意味で裏切って歴史を紐解く勉強になりました。

こういう生活の場面が詳しく書かれている小説って、大好きです!
食べ物や飲み物や煙草やら。
人間臭くて、私の好みです。
ただミステリーとしては、ちょっと物足りないかな。



ももか
3UKDKR1P
No.1:
(8pt)

刑事が馬車で現場に駆けつけた時代のお話

これは珍しい、フィンランドの1920年代を舞台にした警察小説である。本国では、ミステリー関係の賞を受賞するなど好評で、シリーズ化されているという。
ロシア革命とそれに続くドイツの干渉などによる内戦がようやく治まった、ヘルシンキ近郊の小さな都市ラハティの町外れで、青年の射殺体が発見された。地元警察は、密造酒を巡る内輪の争いとして処理しようとするが、まるで処刑のような現場の様子に疑問を抱いたケッキ巡査は納得できず、真相を究明しようとする。地道な捜査の結果、ラハティは内戦時の白衛隊関係者が敵対する赤衛隊支持者を処刑したとの疑いを深めるのだった。しかし、内戦で勝利した白衛隊側が絶対的な権力を持つラハティでは、白衛隊支持者を対象にした捜査はさまざまに妨害され、困難を極めた・・・。
フィンランドの、しかも1920年代が舞台とあって、当時の社会生活の描写が非常に興味深い。何しろ、密造酒業者は自動車で移動するのに警察には自動車が無く、車で逃走する犯人たちを見て悔しがるという有様。当然、事件現場での鑑識も、笑えるほどずさんである。それでも、正義感が強い警官がさまざまな妨害にも関わらず正義を貫こうとするという、警察小説の王道のストーリーがしっかりしているので、物語の完成度は高い。また、あまり知られていないフィンランド内戦の実態、フィンランド人の生活に溶け込んでいるサウナの話なども非常に興味深い。
警察小説というより、1920年代のフィンランドの庶民の生活を活写した社会派ミステリーとしてオススメしたい。

iisan
927253Y1

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