処刑の丘



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処刑の丘
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初公開日(参考)2017年02月
分類

長編小説

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処刑の丘

2017年02月20日 処刑の丘

深夜、かつて虐殺の舞台になったことで〈黒が丘〉と呼ばれる場所で、男たちが“処刑"と称し青年を銃殺した。死体発見の報を受けた警察は、禁止されている酒の取り引きに絡む殺人として処理したが、巡査のケッキだけは納得していなかった。事件の陰に見え隠れする内戦の傷、敗北した人々の鬱屈。果たしてこの町に正義はあるのか? 推理の糸口賞受賞。フィンランドの語られざる暗部を描いた注目のミステリ。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

処刑の丘の総合評価:7.67/10点レビュー 3件。Cランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

なかなか読み応えがあります!

1920年代の物語。当時の歴史がわかります。
なかなか読み応えがあって、communityを知る良い機会になりました。
もっとオドロオドロしいものかという期待を良い意味で裏切って歴史を紐解く勉強になりました。

こういう生活の場面が詳しく書かれている小説って、大好きです!
食べ物や飲み物や煙草やら。
人間臭くて、私の好みです。
ただミステリーとしては、ちょっと物足りないかな。



ももか
3UKDKR1P
No.1:
(8pt)

刑事が馬車で現場に駆けつけた時代のお話

これは珍しい、フィンランドの1920年代を舞台にした警察小説である。本国では、ミステリー関係の賞を受賞するなど好評で、シリーズ化されているという。
ロシア革命とそれに続くドイツの干渉などによる内戦がようやく治まった、ヘルシンキ近郊の小さな都市ラハティの町外れで、青年の射殺体が発見された。地元警察は、密造酒を巡る内輪の争いとして処理しようとするが、まるで処刑のような現場の様子に疑問を抱いたケッキ巡査は納得できず、真相を究明しようとする。地道な捜査の結果、ラハティは内戦時の白衛隊関係者が敵対する赤衛隊支持者を処刑したとの疑いを深めるのだった。しかし、内戦で勝利した白衛隊側が絶対的な権力を持つラハティでは、白衛隊支持者を対象にした捜査はさまざまに妨害され、困難を極めた・・・。
フィンランドの、しかも1920年代が舞台とあって、当時の社会生活の描写が非常に興味深い。何しろ、密造酒業者は自動車で移動するのに警察には自動車が無く、車で逃走する犯人たちを見て悔しがるという有様。当然、事件現場での鑑識も、笑えるほどずさんである。それでも、正義感が強い警官がさまざまな妨害にも関わらず正義を貫こうとするという、警察小説の王道のストーリーがしっかりしているので、物語の完成度は高い。また、あまり知られていないフィンランド内戦の実態、フィンランド人の生活に溶け込んでいるサウナの話なども非常に興味深い。
警察小説というより、1920年代のフィンランドの庶民の生活を活写した社会派ミステリーとしてオススメしたい。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.1:
(4pt)

フィンランドの暗い歴史

殺人事件が起き警察が捜査する、というミステリ小説の形を取っているが、民間防衛隊が大手を振り警察は信用されず、警察官は警察内部の圧力により一向に解決の糸口を見いだせない。
ミステリというよりは、1920年頃のフィンランド、ラハティを舞台とする歴史フィクションと思える。
主人公格のオッツォ・ケッキ巡査は傍観者であり、実際の主人公はラハティに生きる一般市民だ。白軍の収容所から帰ってきてから廃人同様の父親アウグスト、その妻でサウナのマッサージ係をするヒルダ、工場労働者で次第に共産主義思想に傾いていく息子のイスモ、ロシアから逃げ娼婦のような生活をするヴェーラ、父親が殺され言葉を失ったヴィエノ、禁酒法を逆手に粗悪な蒸留酒ピルトゥ(日本で言えばカストリ)を密売する者、ピルトゥにすがる男達、噂をする住民達。彼らの体験、記憶、思い、将来像はそれぞれに異なり、平穏な社会生活を見いだせないでいる。
世界史の教科書などを開けば、フィンランドは1917年にロシアの支配下から独立をし、平和な社会を取り戻したかのように思えるが、実際はその直後、ソビエト政権に賛同する赤軍と、後にドイツ、スウェーデンが支援する白軍が対立する激しい内戦が起こっている。1919年にフィンランド共和国が成立し、内戦は終わるのだが、小説が描く1920年頃はまだ人々の悲しみも怒りも完全に治まってはいない。
こうした状況の中で起こった殺人事件は、悲壮な社会生活の一端にしか過ぎないように見えてしまう。
小説とは関係ないが、フィンランドはその後の第二次世界大戦でもソビエトとドイツに翻弄されることになるのだが、50年代にはオリンピックが開催されたり、マリメッコが世界的に人気になるなど、復興を遂げたのは驚くべきことである。
処刑の丘Amazon書評・レビュー:処刑の丘より
4488010660



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