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慈雨



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【この小説が収録されている参考書籍】
慈雨
慈雨 (集英社文庫)

慈雨の評価: 6.91/10点 レビュー 11件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.91pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全5件 1~5 1/1ページ
No.5:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

執念と感動と!

おもたい話なのに、先がどうなるか知りたくて、ついつい読んでしまう話でした。幼児殺害事件で逮捕した犯人が、実は冤罪であることを知りながら、定年退職をした刑事。四国巡礼の旅に出ている最中、奇しくもまた幼児殺害事件が。終盤は、警察上層部の意向で、過去に見過ごしにした真犯人を、自らが非難されることになるにもかかわらず、捕まえようとする姿に熱くなります。終盤は刑事と共に早く犯人逮捕の瞬間が見たくて一気に読み進められます。この辺りの筆力はさすが柚月さん。最後は夫婦の絆、家族の絆に感動させられ、犯人などどうでもよくなる展開。本当に感動しました。

タッキー
KURC2DIQ
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

引退した刑事の葛藤を描いたヒューマンドラマ

2016年の本の雑誌が選ぶベスト10の1位になった作品。犯人探しの警察小説であると同時に引退した老刑事の生き方を描いたヒューマン・ドラマでもある。
群馬県警の元刑事・神場は引退を機に四国八十八ヶ所巡礼の旅に出た。自分が関わった事件の被害者を供養する目的だったのだが、どうしても付いていくという妻と一緒の旅は、否応無くこれまでの人生を振り返る旅になった。巡礼を始めてすぐ、群馬県で起きた幼女殺害事件の詳細を知り、かつて自分が担当した事件との共通点の多さに衝撃を受けた。あの事件の犯人は服役中で、今回の犯人ではあり得ない。それならば、自分は捜査を間違ったのか、冤罪を引き起こしてしまったのか。当時、警察の組織論に従って自分が口をつぐんでしまったことが激しく後悔され、神場は後輩刑事を介して捜査に加わろうとする。そして、八十八ヶ所を巡り終え結願を迎えた時、神場は新たなスタート地点に立つことを決意するのだった。
元刑事でありながら現在の事件に加わって犯人探しをするという面では警察ミステリーだが、物語の中心は自分は冤罪を引き起こしたのではないかと苦悩する老刑事のドラマに置かれている。その意味で、犯人探し過程のサスペンスや意外性が少なく、ミステリーとしては物足りない。
ヒューマン・ミステリー、社会派エンターテイメント好きの方にオススメする。

iisan
927253Y1
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

慈雨の感想

四国遍路をする元刑事夫婦の描写がメインで、ミステリーと言うよりはヒューマンドラマ。主人公の人生の悔恨を、遍路を通して新たな物へ再生する為の物語だと感じた。事件は小児に対する暴行殺人で有り、陰惨過ぎてそれを楽しむ事は出来ない。冤罪を自ら告発する事は現実的では無いし、ミステリーとしてはトリックも弱い。それに、出て来るのが皆良い人ばかりなのは最早ファンタジーですが、とても素直に、感動的に読了する事が出来ました。主人公夫婦に自らをダブらせて、後半に入ったこれからの人生を考える。私にとってはそんな作品、良作でした。

なおひろ
R1UV05YV
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

慈雨の感想

佐方シリーズと比べると刺激はない。オーソドックスな展開ながらも、登場人物の好ましいキャラクターの中でストーリーが構成されてて、結末もまぁ納得できる落とし所に落としたな、という感じでした。最初から最後まで安定して楽しめる作品だと思います。

kmak
0RVCT7SX
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

淡々と物語は進む

悪くは無いが、物語は淡々と進んでいく。不自然な感覚は全くない。著者の作風は、当方の好みに適しているが、もう少し捻りや展開があっても良かったかなと感じる。でも、敢えて巡礼というテーマに合わせて、このような静かな作風にしたのかもしれないとも思える。

マッチマッチ
L6YVSIUN

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