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本格推理11 奇跡を蒐める者たち



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【この小説が収録されている参考書籍】
本格推理 〈11〉奇跡を蒐める者たち (光文社文庫―文庫の雑誌)

本格推理11 奇跡を蒐める者たちの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

打率ならば大記録

打率は5割といったところ。野球の記録ならば大記録だろうが、アンソロジーでは上のような点数になる。

今回の作品の中では「キャンプでの出来事」と「暗い箱の中で」が良かった。前者はキャンプに同行した友人が遠く離れた人にメッセージを伝えるといった稚気溢れる好編で、真相はアンフェアぎりぎりだが、小説として愉しめたのが大きい。後者は現在現役ミステリ作家である石持浅海氏のアマチュアデビュー作で停止したエレヴェーターの中で起こった殺人を扱ったもの。昨年好評を持って迎えられた『月の扉』のように閉鎖された極小空間で限定された人物で織り成される設定でこの頃から現在の萌芽が垣間見れるのが興味深い。主人公が一介のサラリーマンに過ぎないのも、今の作者の姿勢がそのまま現れている。

その他笑い話のような「イエス/NO」、クリスティの『オリエント急行の殺人』を髣髴とさせる「黄金の指」、ショートショート並に短いながらも強い印象を残す「この世の鬼」などがよかった。

最後の3編はガチガチの本格過ぎてパズル以外何物でもないという印象が強い。とくに最後の「つなひき」はあまりにも高等すぎ、また作中作も冗長で途中でどうでも良くなってしまった。

前巻が良かっただけに今回の一種退行したような作品群に失望を禁じえない。

Tetchy
WHOKS60S

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