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本格推理13 幻影の設計者たち



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初公開日(参考)1998年11月
分類

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本格推理〈13〉幻影の設計者たち (光文社文庫―文庫の雑誌)

1998年11月01日 本格推理〈13〉幻影の設計者たち (光文社文庫―文庫の雑誌)

『本格推理』の巻数が、ミステリー界の幸運の数、13に到達!さらにうれしいことに、今回採用の12人の才能たちが、記念号に恥じぬ傑作を披露してくれる。―え?13巻に12人では、1人足りないじゃないかって?ご安心あれ。13番目に控えしは鮎川哲也。このたび発掘された単行本未収録短編を特別掲載。(「BOOK」データベースより)




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本格推理13 幻影の設計者たちの総合評価:7.00/10点レビュー 1件。Cランク


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ミステリのアンソロジーとしては記念すべき13巻目ということで末尾には鮎川氏の未収録ショートショートミステリが5編収められている。殺し屋の依頼料が20万円だの、制服を着ていた大学生だのといった時代錯誤の表現があるのは否めないし、ショートコントのような結末もあえて収録しない方がよかったのではと思われたが、まあ、おまけ(マニアにとって見ればお宝だろうけど)ということで。

今回は特にラストの村瀬氏による「暖かな密室」が何といっても群を抜いていた。末期の癌で余命いくばくも無い妻のために昔彼女に学資の支援をした足長おじさん「Aさん」を夫が探し回るという設定で、日常の謎系でしかも導入部から結構泣かせる。結末は宮部みゆきの「サボテンの花」を髣髴させる人間味溢れるもので私が常々求めるトリックやロジックのみならずドラマ性のあるミステリの条件を完璧に満たしていた。

あと小説として読ませてくれたのは「黄昏の落とし物」と「紫陽花物語」ぐらいか。
前者は冒頭の社長が真夜中に川に何かが飛び込む音を聞いた話からてっきり出演者はこの社長だろうと思っていたのに、雑居ビルの管理人を中心に話が展開する辺りの演出も心憎い。冒頭のエピソードが最後の最後に結実するのも上手いし、主人公である刑事の無邪気に語る恐ろしい真相も良い。
後者はまず冒頭の和服の女性が乳母車に一輪の紫陽花を添えるという情景が非常に絵的でここでまず引き込まれた。アジサイ団地と呼ばれるその周辺で起きた神隠しの話だが、これを上手くスパイスにして怪奇譚を拵えている。ロジックの愉しみに浸れる好編だ。

純粋にミステリとして感心したのは「プロ達の夜会」。楽屋に人を入れてはいけない女優の謎を改行の多い文章でテンポよく読ませる。最初はこれがティーンズノベルのような軽薄さを感じさせられたが、結末を知るに至り、最後の仕掛けで納得。この鮮やかさゆえにシナリオのように読ませる効果を狙ったと穿った考えを持つに至った。

真相が解ったものの「遺体崩壊」はテンポのいい文章で途中不適切な表現があるが、小気味よかった。

その他は水準以下のように感じる。
それぞれ気づいた瑕疵を述べていくと、「死霊の手招き」は真相は見事だが、犯人だという証拠が無いのに勝手に犯人は自供するのが×。
「猫の手就職事件」は文字・内容ともに詰め込みすぎ。作者自身は正に科学的・心理的・物理的の多方面からロジックを畳み掛ける手並みに酔いしれているのだろうが作者の独り舞台に付き合わされたような徒労感だけが残った。
「水の記憶」は島田荘司氏の影響をもろに受けている。やたらに独り言の多い一人称は鼻につくだけ。結末は読ませるが総合的に私に向かなかった。
「クリスマスの密室」は「水の記憶」もそうだったが素人作家のシリーズ探偵に付き合わされているのが嫌。プロになってからやってほしい。押し付け気味のハート・ウォーム・ストーリーも気になる。
「ある山荘の殺人」も二人称叙述は臨場感出すために採用しているだろうが技量が伴っていなかった。

玉石混交という言葉があるが、今回も総括するとその一言に落ち着いてしまうようだ。選者の選択眼の眼力に衰えを感じてしまった。残念。


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