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ザ・ドロップ



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【この小説が収録されている参考書籍】
ザ・ドロップ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

ザ・ドロップの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

ボストンの小悪党たちの欲望と哀しみ

ぐっと読み応えがある長編が多いルヘインには珍しく、ポケミスで188ページの軽めの作品である。「訳者あとがき」によると、当初は短編集の一作として発表されたものが映画化されることになり、ルヘイン自身が脚本を担当、さらに長編小説として書き直されたという。映画のノベライズであると同時にオリジナル作品でもあるという、珍しいケースと言える。
舞台は、ルヘインお得意のボストンの下町。労働者が集まる小さなバー「カズン・マーブ」はマーブとマーブの従兄弟でバーテンダーのボブが切り盛りしているのだが、実際はチェチェン・マフィアに乗っ取られた店で、マフィアの裏金の中継所としても使われていた。ある日ボブは、仕事帰りにゴミ箱に捨てられていた子犬を拾った。そこに居合わせたナディアが動物愛護団体で働いていた経験があったことから、口をきくようになり、ボブが子犬を飼うことになった。内気で劣等感に苛まれていたボブは、ナディアと子犬の登場で新しい日々が始まる予感を感じたのだったが。
猥雑な街を肩をすぼめて歩くボブの周りは、一筋縄ではいかない小悪党ばかり。あまり知恵があるとは思えない強盗計画が実行に移され、そこから生じたさまざまな波紋と軋轢がボブにも降り掛かって来た。そこで見せたボブの意外な行動とその結末は・・・。
短めの作品とはいえ、ノワールの巨匠・ルヘインの魅力が十二分に発揮された傑作。オススメです。

iisan
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