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沈黙の果て



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沈黙の果ての評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

もし事情が違っていたら

ドイツでは知らない者はいないという超人気作家の長編ミステリー。日本では5年ぶり、2作目の紹介である。
イギリス・ヨークシャーの寒村に建つ広大な屋敷では、休暇のたびに、夫同士が同級生という三組のドイツ人家族が一緒に過ごしていた。三人の夫を中心に信頼と友情に結ばれている九人のグループだったが、ある日、三人の大人と二人の子供が惨殺されるという悲劇に見舞われた。グループの残された四人は全員、アリバイが無かった。また、突然現れて、この屋敷の相続権を主張してきたみすぼらしい男の姿が、屋敷の周囲でたびたび目撃されていた。犯人はだれか、その動機は何なのか?
三組の家族はそれぞれ家族内の問題を抱えており、さらにグループ内の人間関係に隠されていた古くて陰鬱な問題が影を落としていた。また、屋敷の相続権を主張する男は恋人との間でトラブルが頻発していた。作者は、このいわば四組の人間関係ドラマを丁寧に、濃密に描き出し、人間心理の複雑さと不可解さ、強さと脆さを読者に突きつけてくる。謎解きの部分はさほど卓越したものではないが、人間ドラマの面白さは圧巻。「ドイツミステリの女王」の呼称はダテではない。
非アクション系ミステリーや心理ドラマの愛好者には、絶対のオススメだ。

iisan
927253Y1

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