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(短編集)

ひらけ!勝鬨橋



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ひらけ!勝鬨橋の評価: 7.00/10点 レビュー 2件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(8pt)

意外な掘り出し物♪

島田荘司氏の御手洗シリーズでもなく吉敷シリーズでもないノン・シリーズ。今までこれらのノン・シリーズには作者の手遊(てすさ)びであり、正に作品自体もその域を脱していなかったのだが、これはなかなかに面白かった。

老人ホームに住む中でも人生の落伍者である「青い稲妻」チーム。彼らの趣味はゲートボールであったがこれが何度やっても上手くならず全戦全敗を記録していた。そんな矢先、この老人ホームのオーナーが失踪し、明らかにヤクザと思われる集団がこのホームに乗り込んでくる。彼らはオーナーからこのホームを買い上げたというのだ。しかもこのホームを潰し、レジャーランドを建設しようと企む。彼らは悪質な悪戯をしかけ、老人たちを追い払おうとするが、ひょんなことから滞在の延長をしたければゲートボールで勝負し、勝ったらその条件を飲むという展開になる。老人たちの運命をかけたこの試合に「青い稲妻」チームが借り出されることとなったのだが…、というのが大筋。

この小説は殺人事件が起こるものの、明らかに作者得意の本格推理ではない。殺人事件はあくまで物語の1つの因子であり、中心ではない。ここでは「青い稲妻」チームの個性的な面々の日常とホームの存続を賭けたゲートボールの白熱した試合、そしてクライマックスで繰り広げられるかつて一流の素人レーサーだった老人たちの華麗なるカーチェイスが主になっており、老人たちの再生と青春の復活がメインテーマなのだ。
しかし、島田氏は他の本格推理作家と一線を隔し、無類のストーリーテリング振りを発揮する。ゲートボールのルール自体知らない私に手に汗握るゲーム展開を叙述し、しかもそれらがするすると頭に入っていくのだ。
この筆力は只事ではない。またクライマックスのカーチェイスシーンは車好き、特にポルシェ心酔者である島田氏の独壇場である。

しかしこれらの場面を活き活きとしているのは「青い稲妻」チームの面々が個性ある人物としてきちんと描かれているのに他ならない。
正にこれは意外な掘り出し物である。普段、本を読まない人に薦めたい、そんな作品だ。

Tetchy
WHOKS60S
No.1:
(6pt)

ひらけ!勝鬨橋の感想

推理小説ではなく、貧乏な老人たちの人生最後ともいえよう勝負を描いた小説であった。
正直なことを言って内容はたいして面白くなかったが、作者のポルシェ好きがありありとわかったりゲートボールについてわかったりと部分部分では割と面白い

鼻毛のびのび
YLPLRW2J

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