■スポンサードリンク


甦ったスパイ



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
甦ったスパイ (ハヤカワ文庫NV)

甦ったスパイの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

文官スパイ小説の正統派

2012年のスティール・ダガー賞受賞作。さすがにイギリスのスパイ小説の伝統を受け継ぐ、今最も注目の本格スパイ小説の旗手と言われるチャールズ・カミングだけあって、謎解きと駆け引きの面白さを堪能させてくれる。
ある事情からSIS(MI6)を追放され自堕落な日々を送っていたトム・ケルに、SISの高官から仕事の依頼が入ってきた。それは、近々、女性初のSIS長官に就任する予定のアメリア・リーヴェンが行方不明になっており、行方不明が公表されれば一大スキャンダルになるため、内密に探して欲しいという、驚くべき依頼だった。組織のバックアップが限定的にしか受けられない中、トム・ケルはアメリアが姿を消した南フランスに飛び、アメリアの跡を追跡し始める。そこで出会ったのは、アメリアの隠された過去と現在の国際情勢が絡み合って生まれたスパイ戦争だった。
主人公のケルは、これまでスパイ活動中に拳銃を使ったことが無いという、根っからの文官で、鋭い観察力、分析力で国際的な陰謀を暴いて行く。まさにジョン・ル・カレを思わせる、人間臭いスパイ小説で、派手なアクションはなくとも、しっかりしたストーリー構成と味のあるキャラクター設定で読み応え十分。イギリスのスパイ小説は健在だと感心させる傑作だ。

iisan
927253Y1

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!