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六人目の少女



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六人目の少女の評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(8pt)

人を遠隔操作できるものなのか?

冒頭、刑務所所長から検事総長あての書簡が見せられる。内容は深夜の田舎道を全裸でさまよっていた男について。
前科も未解決事件にかかわった様子も見られないが、名前もなにもかも否認するため四か月の懲役に処された男。
この男が房内で異常に潔癖な様子をみせるとの報告。自然に落ちる髪の毛や体毛をひとつ残らず拾い集め、食器や便器を使用のたびに
完璧に磨き上げる男。ただの潔癖症かと思われたが、その異常さに自身のDNA鑑定などの材料となるものを徹底的に排除しているのではないかとの
疑いを持ったとの報告だった。この謎の人物から一転、舞台は森の中で少女の腕が発見される現場に変わる。行方不明の少女は五人。
見つかった腕は六本。未知の行方不明者がいることになる。さて肝心なのは人を遠隔操作できるものなんだろうかということ。
そういえば、町で空き店舗を短期で借りて自然食品の店などと宣伝し、いろいろな日用品を100円で配ったりして年寄りを多く集め最終的には高額な商品を買わせる
業者がいる。あれも催眠商法と言われているから案外こちらが思うほど難しいことではないのかも知れない。
遺留品の分析や検死などについてもきちんと文献をあたり正確な表現で書かれているのでチャラいミステリのような雑さはない。
展開も上手く途中ダレルと言うことはない。ただ、個人的には失踪人捜索のエキスパートだという主人公のミーラ捜査官にはあまり思い入れが出来ない。
捜査チームも遊園地から子供が消えたらあらゆる仮説を立てるだろうに、簡単なことに気付かないなどちょっといただけないところがあり作者のご都合主義が
みえてしまうところが残念だ。しかし、まあ読みごたえはある。最後まで引っ張る筆力はたいしたものであると思う。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.1:
(7pt)

ナポリタン・サイコ?(笑)

イタリア版「羊たちの沈黙」としてヨーロッパで大人気を呼んだサイコ・ミステリー。さすがにマカロニ・ウェスタンを生み出した文化背景の産物というべきか、被害者の少女たちは全員左腕を切断されるわ、捜査官は自傷傾向があって、捜査に行き詰まると自らを傷つけるわで、全編血まみれ、味の濃いスパゲッティ・ナポリタンのような(笑)作品だった。
森で発見された6本の左腕が、連続少女誘拐事件として捜査中の事件の被害者のものだと判明する。ところが、被害者として分かっているのは5人だけ。では、6人目の少女は誰なのか? 左腕をなくした被害者の死体が発見されるたびに、捜査が大きく動き、犯人と思われる人物に迫っていく。だが、犯人と思われた人物が実は真犯人ではなかったことが分かってくる。どんでん返しに次ぐどんでん返しでサスペンスが高まり、最後のクライマックスが待ち遠しくなってくる・・・。天才的な連続殺人鬼対美人捜査官という構図も本家「羊たちの沈黙」にそっくりで、犯罪の発覚から犯人の解明までのプロセス、捜査陣の人間関係の緊張感もスリリングで、非常に読み応えのあるストーリーだった、全体の3/4ぐらいまでは・・・。
連続殺人の全容がほぼ明らかにされ、犯罪心理面から殺人鬼に迫っていくという一番重要なところで描かれる、どんでん返しのための仕掛けがかなりチープ(捜査の一環として、死の床にある富豪から霊能力者が重要な証言を引き出したり、きわめて重要なシーンで捜査官が簡単に騙されたり)で、ちょっと白ける部分があったのが残念。これがなければ、8点か9点でも良かったのだが。

iisan
927253Y1

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