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ターミナル・エクスペリメント



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【この小説が収録されている参考書籍】
ターミナル・エクスペリメント (ハヤカワSF)

ターミナル・エクスペリメントの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

複製された3つの自分の精神体。犯人はどの自分なのか?

ソウヤー4作目の読書。だんだんと著者のエンターテインメントの傾向が感じられてきました。
本書もSF+ミステリ+男女模様。

男女模様は熟年夫婦の不倫問題という人間臭い話。男性側の辛い気持ちがとても伝わってくる。作品全体を包括していて巧いつくり。

SF要素は、人間の死をスキャンして魂の存在が確立した世界。人の脳味噌をスキャンしてニューラルネットワークを構築する事も複製も可能です。
人間の死とは何なのか。医学的な死、自然死、精神だけがコンピューターに存在する世界が面白く読めました。この手の話は好みですね。

ミステリ要素は、自身の脳をスキャンして生み出された3つの人工知能による事件。1つ目は自身の複製であるオリジナルの精神。2つめはオリジナルから死の概念を消去した不死の精神。3つ目は肉体の概念を消した死後の精神。
この人工知能のどれかが、殺人事件を行うわけで、どの自分が犯人か?という特殊設定が面白い。

これらが巧く混ざり合って、読ませるエンターテインメント作品になっているのは毎度凄い。特殊状況なのでオリジナリティ強い刺激が心地よいです。
ただ、ちょっと点数が低いのは、古い作品特有の既視感の為です。90年代以降、様々なSF作品の発展により人工知能の事件はちょっと見慣れてしまったかなという心境。

人工知能の犯人ものならデビュー作の『ゴールデン・フリース』の方が今読んでも発想が飛んでいて面白いです。
本書は、生(性)や死という人間の存在に趣がある作品として楽しめました。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
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