死者の名を読み上げよ

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死者の名を読み上げよの評価:

7.00/10点 レビュー 1件。 C ランク

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No.1
(7pt)

老いてますます頑固に

ご存知、リーバス警部シリーズの第16作。2005年、G8サミットが開催されたエジンバラでの出来事を濃密に描いた、大型警察小説である。
G8に反対する大規模なデモで騒然とするエジンバラで、連続殺人と思われる事件が発生した。ひたすらG8の成功を願う警察上層部は、事件が大きな話題になるのを避けようとするが、老刑事・リーバスには、それが我慢できなかった。同僚・シボーンの協力を得て、上司に盾突きながら捜査を押し進めていくリーバスの前には、宿敵のギャング・カファティ、ロンドンの公安の責任者、防衛産業の大物などが立ちふさがる。
本作の読みどころは、定年まであと一年になったリーバスの磨きがかかった頑固さだろうか。政治的、社会的な権力からの圧力に屈することなく、ありとあらゆる知恵を使って捜査妨害をはねのけていく。それは、「犯人を逃がさない」という刑事としての使命感であり、そのために家族や自分の生活を犠牲にしてきた歴史を無価値にしないためでもある。
事件の真相を明らかにしてからのリーバスの孤独と執念深さに、一匹狼の美学とペーソスがよく表れていた。また、シボーンの両親が登場し、彼女の家族関係や家族観が明らかになるのも、新しい面白さだった。
シリーズ愛読者にはもちろん、警察小説ファンにもオススメ。

iisan
927253Y1