この主人公の流され方に、自分は違うと言い切れますか。人間・人生の不可思議をとことん突きつめる、著者の新たな代表作の誕生。

その夜、「僕」は、奇妙な名前の強烈なカクテルを飲んだ。

15年前―。駐車場に横たわる撲殺死体。

ある晩かかってきた一本の奇妙な電話。

その夜わたしは人を殺しに車を走らせていた。突然、停電のため暗闇が街を襲う。

27歳、田村宏。“失業したとたんツキがまわってきた”とはいうものの競輪の儲けで暮らす失業者……。

15年前、ある地方都市のマンションで男が撲殺される事件が起こった。凶器は金属バット。

かつての売れっ子作家・津田伸一は、いまは地方都市で暮らしている。

新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

「僕」こと鮎川英雄には唯一の才能があった。それは「女を蕩けさせ夢中にさせる」こと。

甘く苦い青春の終わりを噛みしめる9編の恋愛小説集。

連続通り魔殺人事件の容疑者“コートの男"を追う所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。

1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。

「賭け事をする男とだけは一緒になるな。

桜の花が咲くころ、新聞記者を休職中のぼくは一つ年上の女とある酒場で再会し、一夜をともにする。

彼女はぼくと同じ18歳だった。初めての女性だった。

宮沢賢治は祖父の代から続く富裕な質屋に生まれた。

著者七年ぶりの新作長編!直木賞受賞第一作　 その年の七月、丸田君はスマホに奇妙なメッセージを受け取った。

ニューヨークの地下で拉致された女性は毒の針で刺青を刻まれ、死亡していた。

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。

―あいつこんど会ったら殺してやる。まだまだぼくは怒りを憶えつづけなれけばならない。

私はなぜ小説を書くのか。お金のためである。

犯罪のサポートと情報の売買。それがカーラの仕事だった。

「世界には三種類の人間しかいない―ギャンブルする男としない男、そしてギャンブルする男をたしなめる女。

太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようか―。

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。

「もしわたしたちが、いつかおとなになることだけのためにうまれてきたのなら」海岸道路を走る車の中で映子は19歳のぼくにささやいた。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

バブルに沸く昭和後期。一見、平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻宮子が姑セツと熾烈な争いを繰り広げていた。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

〈さよなら。もう電話しないわ〉夏の終りに女が言った。

日々の暮らしの中で揺れ動く一瞬。その心象風景を花々に託して、あざやかに描き出す。

平凡な家庭で育った小学生の圭輔は、ある不幸な事故をきっかけに、遠縁で同学年の達也と暮らすことに。

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。

平穏だった家族が少年事件によって崩れていくさまを描く心理サスペンス。

第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作! 戦慄のノワールサスペンス 26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。

白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。

あなたと生きる、その痛みごと。

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

この世の物とは思えない奇妙な恋の物語 22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。

猫は戻り、涸れた井戸に水が溢れ、綿谷昇との対決が迫る。壮烈な終焉を迎える完結編。

致命的な記憶の死角とは?失踪したクミコの真の声を聴くため、僕は井戸を降りていく。

今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう―たぶん。

コペンハーゲン警察の特捜部Qは未解決事件を専門とする部署だ。ある日ここに一本の電話が入った。

中央アジアのアラルスタン。ソビエト時代の末期に建てられた沙漠の小国だ。

時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

国内篇2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、編集者から海外旅行特集の協力を頼まれ、事前調査のためネパールに向かう。

その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。

神奈川県警が劇場型捜査を展開した「バッドマン事件」から半年。 巻島史彦警視は、誘拐事件の捜査を任された。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。