放蕩記
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
評判
放蕩記の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
放蕩記の総合評価:
9.00/10点 レビュー 2件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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ミステリーとして絶賛されたそうだが、これはミステリではなく、紛れもなく優柔不断でやさしくって冷たくって少しシニカルな佐藤正午のいつもの話なのだ、と思った。
主人公に対して、ああ俺ってこんな優柔不断できたねえ野郎だなと、フムフムとうなづくことはできても共感はできない。だから書評とか読むと、怒ってる女の人たちもいたりするのだろう。でもそれが佐藤正午のいいところなのだ。
その頃、1991年に書かれた『放蕩記』を、自宅の本棚の奥から引っ張り出してきて読むことにした。自伝風に作った、これまた佐藤正午という他人との微妙なディスタンスをともってしか生きてゆけない男の物語で、この人の作風というものは変わっていないな、と、再認識した。
で、そう考えると、僕も佐藤正午とつかず離れず共に生きてきた人間なのかもしれない。
君が好きだといいながら平気で二股をかけるような男。お酒に酔ったときだけ笑う男。いつもは怒っているくせにここぞとばかりに下ネタをいう男。誰も信じられず自分のことも信用してないくせに、人に嫌われたり悪口を言われることを人一倍気にかけている男。
決していい読者とはいえないけれど。
『永遠の1/2』『リボルバー』『スペインの雨』『ビコーズ』・・うーん、僕は彼のどこが好きなんだろうか?
彼の書く男たちはつきまとって離れない影のように僕の中にいるのだろう。僕自身と相似形でないにせよ。
『タマネギ刻むと涙が出るじゃない。泣きたいときはタマネギ刻みなさい、泣けない訳があるときはね、それが人生の知恵、悲しい知恵。』
『三百六十日、日日(にちにち)酔うて泥の如し』(放蕩記より)
それから何年たっただろう。
1991年に読んで2002年に読んだ「放蕩記」を、2012年の年末にまた読んだ。
かつてぼくも、きっと、混沌の中にいて、最後には生きようと思ったんだと思う。
さて、現在は52歳の自分、今ではラッキーなのか残念なのか「死のう」とは思っていないけど、なぜか「よりよく生きたい」という意思だけは若い頃より強靭になってきた。
それはきっといいことか、偏屈さが増しただけのことか、あとがないからなのかわからないけど。
この作品の主人公「海藤正男」氏が還ってきたように、ぼくもあと何度か沈みかけたら、その時はまたこの本を手にするのかもしれない。
まあいい、とりあえず今宵もバーボンを飲んで眠りに落ちるとしよう。