菅見は、同級生だった千夏からの親しげな留守電メッセージを交際中の実咲に聞かれた。

タクシー運転手の野上雄貴は、GCS幼児教育センターから入社要請を受け、不審を抱く。

恵沢大理学部教授嘉島が殺害された。

市役所の戸籍係をしている夫と美人ではないが清楚で控えめな妻。

ある朝目覚めると、大学生で「篠井有一」だった僕は、見知らぬ部屋で若い女になっていた。

「飯田さん―いらっしゃいませんか?警察のものなんですけど」相手が『飯田さん』と呼びかけたことに、志穂はぎくりとした。

大学の同窓会で七人の旧友が館に集まった。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

日常のなかで、ふと感じる誰かの“まなざし”。

結婚の承諾を得るため千鶴の実家へ赴いた幸春は、千鶴の父・久信が前向性健忘という記憶障害に陥っていることを知らされる。

交通事故で意識障害となった従兄弟と入れ代わる「分身」、乳児取り違え事件が発端となる「渡された殺意」、結婚詐欺師に騙された女に出会う「婚約者」など、“もう一人の私”をキーワードに自分のアイデンティティを揺るがす恐怖を巧みなトリックで描く9篇―。

類人猿の言語能力を研究し、チンパンジーと人間を同列に扱うことを主張する学者・井手元。

北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館―通称「斜め屋敷」。

遺産百億円―。跡取りのいないはずの老資産家が、かつてもうけた血のつながった子供の存在の可能性を明かし、捜しはじめた。

富豪の一人娘が、別荘で不審な事故死を遂げる。

フリーライター・倉橋渡の許に、父親からの電話が入った。妹の良美が車に撥ねられ、意識不明だという。

まだ見ぬ父親に会うため秋庭邸を訪れた一登は、そこで言語能力を持たない弟に出会う。

奥多摩の山村、媛首村。淡首様や首無の化物など、古くから怪異の伝承が色濃き地である。

末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。

アキヤ・ヨーク病。中年期に発病して死に至るという遺伝病。

村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。

「頼子が死んだ」。

とてつもなく大きな橋を支える巨大コンクリートの塊の中に、国家機密とされるシェルタがあった。

脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって発見された。

おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。

『その女アレックス』の刑事たちのデビュー作 連続殺人の捜査に駆り出されたヴェルーヴェン警部。

突然かかってきた一本の電話。亡くなった兄・直道が生前入信していた新興宗教について聞きたいという。

最愛の妹が偽装を施され殺害された。

湖畔に佇む別荘に8人の男女が集まった。 車で転落死した婚約者を偲ぶ会だったはずが、 そこに逃亡中の銀行強盗が侵入する。

門限六時。家が厳しい女子大生ハコちゃんはやっとアメリカ行きの許しを得た。

雨の夜の不動産業者殺し。強引な取調べで自白した青年は死刑判決を受け、自殺を遂げた。

「私を誘拐してください」小宮山佐緒理は潤んだ瞳で俺の手を握りしめた―。

車を買う金欲しさにアルバイト探しをしていた学生・結城がコンビニにあった求人情報誌で見つけたのは、時給11万2000円という破格の好条件の仕事。

恋愛相手の相性を数値で選び出すGP(グラフィック・フェロモン)理論。

死後に注目された萩生仙太郎の絵画が、30年ぶりにオークションへ出品されることになった。

階段から落ちた恋人・亜矢子は意識不明のまま昏睡状態に陥る。

瀬戸内の小島に、死体が次々と流れ着く。

乱歩の未発表作品が発見された!?『白骨記』というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶ―南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。

青山墓地で発生した幼女惨殺事件。その被告人は、独房で奇妙な独白を始めた。

紅一点会員のマリアが提供した“余りに推理研的な”夏休み―旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。

雪に閉ざされた山荘に、UFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女性作家、癖の強い面々が集められた。

時は明治末期。政府重鎮の妻君・但馬夕とその家の書生・御萩慎之介との情死事件は起きた。

ちょっとヘルシンキへ行くので留守を頼む―。そんな置き手紙を残し、御手洗潔は日本を去った。

神経内科の女医植田理歩は、大学院生富坂から研究協力を依頼された。富坂の恋人夏海を対象にした研究のテーマは、嗅覚障害。

「衝撃のたくらみ」加賀刑事執念の捜査。翻弄され尽くす快感と、くらくらするような結末。

自殺する理由がない男女が、次々と飛び降りる屋上がある。

東京の夜空に珍しく一羽の鶴が舞った夜、一人の落語家・伊呂八亭破鶴が殺された。

猟銃を持った殺人犯(黒のキング)が、妻・友貴子(白のクイーン)を人質に我が家に立てこもる。

横浜・馬車道に事務所を移した御手洗潔と石岡は、ある老婦人の訪問を受ける。

その冷やかな微笑としなやかな身のこなしで世界的ファッションモデルとして活躍中の美織レイ子が自宅マンションで死体となって発見された。

ミステリーに殉じた作家を敬愛する4人による驚嘆のアンソロジー。巧緻に練られた万華鏡のごとき謎、また謎。

進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。

記憶に障害を持つ男エゴン・マッカートが書いた物語。

我が家を地獄につきおとしたのは、母でした――娘の口から明らかになっていく、母の異常犯罪とは。

完全に封印され「密室」状況となった館で起こった一族六人殺しの真犯人は、いったい誰だったのか。