SNS炎上、対人トラブル――あらゆる争いは言葉の行き違いから起きています。

この現実は、すべて虚構だ。価値観を揺るがす連作奇譚集! 元デザイナーで小説家の「僕」は、知人友人からよく相談を受ける。

昭和29年春から夏にかけて続く怪事件。 「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。

人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。

下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。

庭に咲く艶々とした椿の花とは対照に、暗い座敷に座る小山内君は痩せ細り、土気色の顔をしている。

殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。消えた三つの他殺体を追う刑事。

明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。

明治三十年代初頭。古今東西の書物が集う書舗に導かれる、一人の若き女性。

怖いものとは何だろう。本当に怖いものを知るため、とある屋敷を訪れた男は、通された座敷で思案する。

怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。

人の心は分かりませんが、 それは虫ですね――。

江戸川、大磯で発見された毒殺死体。二つの事件に繋がりはないのか。

「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。

舞台は明治30年代後半。

無類の不思議話好きの山岡百介は、殺しても殺しても生き返るという極悪人の噂を聞く。

この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。

「神隠し――と云うより天狗攫いね。高尾山だし」 聞き終えた敦子は先ずそう云った。

全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。

直木賞受賞作がついに文庫で登場 京極夏彦の直木賞受賞作。ラストに訪れる仕掛けが読者の胸を打つ感動作。

「知りたいですか」。郷土史家を名乗る男は囁く。

中禅寺洲齋、幽霊騒動に挑む。歌舞伎舞台のために書き下ろされた長編小説! 時は江戸。

「おお!そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼一郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ―。

「死にたいん―です」「なら死ねよ」。娘を亡くし、妻だった人に去られ、十五年勤めた会社を解雇された。

「妖怪」はいずこより来るのか…。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな―二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。

「推理はしないんです。彼は」。

益子徳一、七十二歳、独身。定年後の人生を慎ましく過ごす独居老人の大真面目で可笑しくて少しだけせつない日常。

理由あって上方から江戸へ流れてきた双六売りの又市は、根岸の損料屋「ゑんま屋」の手伝いをすることに。

調査も捜査も推理もしない、天下無敵の薔薇十字探偵、榎木津礼二郎。

「あなた―妖怪お好きですか」。その男は真顔で尋ねる。

押入で死んだように生きる木幡小平次は、天下随一の幽霊役者。

デビュー30周年を記念した京極夏彦のファンブック。

死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。

研究所で働く母と夏休みを過ごすため、村を訪れた妖怪好きの少年・淳史。

幽晦との境界が、破れている。内部の薄明が昏黒に洩れている。

花も盛りの明治40年――高遠彬の紹介で、ひとりの男が書舗「弔堂」を訪れていた。 甲野昇。

学問としても芸術としても敬遠され、表舞台からパージされてきた、荒唐無稽な語りのエンターテインメント！民話と妖怪を愛好する面々が縦横無尽に語る、あなたの知らない民話の世界。

「浮かびゆく男」 冒頭を飾るのは、リチャード・マシスンの名作「縮みゆく男」、そしてバックマン名義の自作「痩せゆく男」を想起させる好作品。

自分の目となり耳となって遠野保の民草の動向を見極め、逐一報告せよ――盛岡藩筆頭家老の密命を受け、御譚調掛として巷間の噂話を蒐集する宇夫方祥五郎。

終戦間もない日本。戦災孤児の草野瑞樹は、ひょんなことから、探偵・九条響太郎の助手を務めることになる。

近未来。牧野葉月は閉じた世界に生きていた。

雨の日には、読まないでください。

「遠野物語」から二十数年を経て刊行された怪異譚「遠野物語拾遺」を、 京極夏彦がその感性を生かして語りなおす。

数えるから、足りなくなる。それは、はかなくも美しい、もうしとつの「皿屋敷」。

上方には上方の仕掛けあり。「これで終いの金比羅さんやで」巷説シリーズ、新機軸の第五弾。

虚実は綯い交ぜになって物語になる。視界が歪み、記憶が混濁し、暗闇が臭いたち、眩暈をよぶ。

オランダ・ユトレヒトの小さな教会からバチカンに奇跡の申告が。

別格の恐怖。封印された三角屋敷の恐怖を再び――。

少女たちを襲った悍ましい事件から三箇月。来生律子の許を訪れた作倉雛子は、小壜に入った“毒”を托し姿を消した。

親子の救済、老人の覚醒、過去の自分との出会い、仲良しロボットとの別れ……淡く美しい希望が灯る。

ホラー&ミステリの宇佐美まことのデビュー作。受賞作を含む7篇を収録。