凄惨な連続殺人が発生した。独り暮らしの女性達が監禁され、全身を刺されているがレイプの痕はない。

再会は地獄への扉だった。十七年前、霧の霊峰で少年たちが起こした聖なる事件が、今鮮やかに蘇る―。

ささやかでありふれた日々の中で、たとえどんなに愛し合っていても、人は知らずにすれ違い、お互いを追いつめ、傷つけてしまうものなのか…。

200余篇の生と死と愛の物語。

高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。

聖者なのか、偽善者か?「悼む人」は誰ですか。

中2の太刀川照音は、いじめられる苦しみを「絶望ノート」と名づけた日記帳に書き連ねた。

だからこそ潜るのだ。誰も潜らないから、誰かが潜らなければいけないのだと信じる。

診察したいんです、あなたのセックスを―― 若き美貌の麻酔科医・野宮万浬のペインクリニックに現われた貴井森悟は、彼女にとって舌なめずりしたいような実験材料だった。

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

誰もが容疑者。誰もが当事者。

墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

十年ぶりに再会した美月は、男の姿をしていた。

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。

出版社勤務の沙羅は40歳を過ぎ、かつて妊娠中絶した相手の川島と再会。それ以来、子供が欲しくてたまらなくなってしまった。

雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。

湯治旅の帰途、若夫婦が雨で足止めになった老女との相部屋を引き受けた。

神社に詩集を置かせてくれと頼んできた女子高生の佑紀奈には、玲斗だけが知る重大な秘密があった。

「お遍路さん」を迎える場所として道後温泉にある架空の宿「さぎのや」。

平凡な家庭で育った小学生の圭輔は、ある不幸な事故をきっかけに、遠縁で同学年の達也と暮らすことに。

僕はこの世界に左足から登場した―。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。

事故で母親を亡くし、児童福祉施設に引き取られた志場崎安那は、赤毛のアンに憧れ、明るく生きていた。

「私たち、お父さんのこと何も知らない」。胸を刺された男性が日本橋の上で息絶えた。

「これは貸しだからな」。謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

真夜中の屋根のぼりは、陽子・リン姉弟のとっておきの秘密の遊びだった。不登校の陽子と誰にでも優しいリン。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。

カスミは、故郷・北海道を捨てた。が、皮肉にも、北海道で幼い娘が謎の失踪を遂げる。

名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。

嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。

高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた平野勇気19歳。林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。

「山の民」に置き去られた赤ん坊。

昭和51年南アルプスで播かれた犯罪の種は16年後、東京で連続殺人として開花した―精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークスが跳ぶ。

埼玉県天木山山中で発見された白骨死体。

最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。

「流されるままに生きればいい」。小さな診療所を始めた医者・桐子は患者に余命を受け入れる道もあると言い切る。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。

ビール会社の営業課長、明良。部下からも友人からも信頼される彼の家に、謎めいた贈り物が?都議会議員の夫と息子を愛する篤子。

今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。

天才的頭脳と、絶望的な孤独。授けられたのは、それだけだった。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です。

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。

15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。

東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。

犯人は、13歳の少年だった。 娘の目の前で、桧山貴志の妻は殺された。

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。

都内で働く広太は、合コンで知り合った桃美とスノボ旅行へ。

親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。