美しい容姿からは想像もつかないほどガサツな叔母の意外な秘密についての表題作、雨の日だけ他人の心の声が聞こえる少女を描く「雨つぶ通信」、西日暮里の奇妙な中華料理屋を巡る奇譚「カンカン軒怪異譚」など、『花まんま』『かたみ歌』の著者が、昭和の東京下町を舞台に紡ぐ

仲良し4人組で作った秘密基地。誰も知らないその場所に、少年たちは毎日のように入り浸っていた。

昭和48年、小学校3年生の裕樹は県境に建つ虹ヶ本団地に越してきた。

大正三年、東京。画家を志して家を飛び出した槇島功次郎は、雪の無縁坂で、容姿端麗な青年画家・穂村江雪華と出会う。

人や物の「記憶」を読み取れる不思議な力をもった姉・鈴音と、お転婆で姉想いの妹・ワッコ。

母親と東京に住む小学生のハヤトは、同じ団地のトンダじいさんから「一生に一度のお願い」を頼まれる。

不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。

姉さまが亡くなって、もう30年以上が過ぎました。

兄妹と母さんが暮らす家に料理上手のモヒカン男がやってきた。

母と二人で大切にしてきた幼い妹が、ある日突然、大人びた言動を取り始める。

いっぺんしか願いを叶えない神様を探す少年とその友人の奇跡を描く感動の表題作「いっぺんさん」、田舎に帰った作家が海岸で出会った女の因縁話「磯幽霊」とその後日譚「磯幽霊・それから」、山奥の村で、ほのかに思いを寄せた女の子に起きた出来事「八十八姫」など、じんわり

人間界に紛れ込んだフクロウの化身に出会ったら、同じ鳴き真似を返さないといけない―“都市伝説”に憑かれた男の狂気を描いたオール讀物推理小説新人賞受賞作「フクロウ男」をはじめ、親友を事故で失った少年が時間を巻き戻そうとする「昨日公園」など、人間の心の怖さ、哀し

時代も場所もバラバラな世界を「箱庭」に見立てて、短編の妙手である直木賞作家が紡いだ、笑いあり、涙ありの少し不思議な連作小説集。

世界には物語があふれている―直木賞作家が贈る、ちょっと不思議で懐かしい連作短篇集

誰もが抱える水銀虫。彼らは人の心に寄生し、自殺へと導くのだ。

昭和40年代、太陽の歩みが今よりも遅くて、1日が十分に長かったあの頃。

ジュンは霊能力者シシィのもとで除霊のアシスタントをしている。仕事は霊魂を体内に受け入れること。

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。

癌で入院している会社の後輩。

39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。

もし絵馬の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください―。きっかけは絵馬に書いた願い事だった。

オゾンホールの拡大を食い止めるために、女性科学者テレサが開発した化学物質ウェアジゾン。

売れないアラサータレント「おかえり」こと丘えりか。唯一のレギュラー番組が、まさかの打ち切り…。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。

20××年、相馬凛子は42歳の若さで第111代総理大臣に選出された。

市原玲人が光恵から託された写真に写っていたのは、顔が犬のような「狼人間」だった。忽然と姿を消した光恵。

まじむの事業計画は南東東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。

人の世はなんとおぞましく、美しいのだろう―。

中途半端にリアルなウサギのぬいぐるみラビラビは、 大事な香苗ちゃんを地球に残して宇宙へと旅立っていた。

歴史的大惨事となった脱線衝突事故から10年。このところ不可解な事件が相次いでいた。

物語はいつまでも終わらない―直木賞作家が綴る、切なくて心温まる連作短篇集。

故郷に住む高校時代の同級生・聡美から「あなたの幽霊を見た」と告げられた“ニーチェ女史”こと雑誌編集者・日枝真樹子。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

彼岸と此岸をとりむすぶ直木賞作家の傑作小説。裕福な家を出て画家を志す青年、槇島風波。

夜行の鉄仮面、瞬間移動する引ったくり、謎のチンドン屋…相棒は犯罪マニアの押しかけ美女。

日本推理作家協会賞(短編部門)受賞後第一作! 2001年、長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。

人の心は、 鬼よりも不可思議で恐ろしい 恐怖、哀切、妖艶、感嘆―― 鬼にまつわる説話を大胆に脚色した、奇想と怪異の短編集。

38歳、秋。ある日、僕と同い歳の父親に出逢った。

東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。

志郎が新居に決めたアパートの前には、猫が集まる不思議な空き地があった。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

派遣社員の瑠璃は男と別れたばかり。

平安鎌倉の世を襲う、疫病、地震、そして戦争。 壊れゆく都で、若き日の鴨長明が見た、虚無と無常。