地獄の奇術師



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初公開日(参考)1994年08月
分類

長編小説

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地獄の奇術師 (講談社文庫)

1995年07月06日 地獄の奇術師 (講談社文庫)

十字架屋敷と呼ばれる実業家の邸宅に、ミイラのような男が出没した。顔中に包帯を巻いた、異様な恰好である。自らを「地獄の奇術師」と名乗り、復讐のためにこの実業家一族を皆殺しにすると予告をしたのだ。「地獄の奇術師」の目的は何なのか。女子高生で名探偵、二階堂蘭子の推理が冴え渡る、本格探偵小説。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt

地獄の奇術師の総合評価:5.50/10点レビュー 16件。Dランク


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全4件 1~4 1/1ページ
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

本格愛の迸り

二階堂作品初体験。古き良き探偵小説の香り漂う本格推理小説だ。
そして本作は本格探偵小説信望者である二階堂氏本人が読みたくて渇望していた小説なのだろう。誰も書かないならば俺が書くという気迫が行間から湧き出てくるようだ。

この本の献辞は鮎川哲也氏に捧げられているが、乱歩作品へのオマージュである事は想像するに難くはない。
「地獄の奇術師」という人智を超えた殺人鬼の設定とネーミング、逆さ吊りにした女性の顔の皮を剥ぎ取っていく残虐な処刑シーン、警察監視下の中で起こる麗しき女性への傷害事件、毒殺事件に、三重密室殺人、密室内での銃殺事件、屋根裏を徘徊する殺人鬼、などなど、『魔術師』、『緑衣の鬼』、『屋根裏の散歩者』といった乱歩の名作のモチーフのオンパレードである。

そしてそれらの云わば時代錯誤な作品世界に現実味をもたらせるために二階堂氏は時代設定を昭和42年という、まだ日本の街に暗闇が残る時代を選んだ。
また探偵役の女子高生二階堂蘭子と語り役の高校生二階堂黎人が刑事事件に関わることが出来る設定として父親を警視庁警視正であるところ、蘭子が過去の事件を新聞と雑誌を読んだだけで犯人を指摘したことから警察も一目置くことになったところも、現代ならば現実味がないが、この時代ならば許容範囲かと思わせるギリギリの設定かなと苦笑した。こういうご都合主義も古き良き探偵小説ならでは、ということで案外許せてしまう。

上に述べたように、本作は不可能状況、不可能犯罪の連続なのだが、案外と作者の意図と犯人は透けて見えたように思う。尤もトリックは想定していたものとは違い、それについては作者に軍配が上がったのだが。
しかし、終章に蘭子の口から語られる神学的推理、形而上学的推理ははっきり云って蛇足だと感じた。あまりに抽象的過ぎるし、観念的過ぎるからだ。
二階堂氏は敬愛するカーのオカルティズムをも本作に持ち込もうと腐心したのだろうが、これは逆に本格探偵推理小説の狂信者といった印象を私に与えさせ、なかば呆れてしまった。熱意は買うが、自分の趣味に走り過ぎると読者はついていけなくなるからだ。

しかし、デビュー作にしてこれだけ書けるとは素直に感心した。随所に挟まれる過去のミステリを中心にした薀蓄も―多少目障りな感じがしなくもないが―造詣の深さを感じさせてくれた。
ただ昭和42年(1967年)に刊行されていない作品もあるのではないかと重箱の隅を突きたくなるきらいもあるが、そこは触れないのが華だろう。


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Tetchy
WHOKS60S
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

地獄の奇術師の感想

著者初読み。江戸川乱歩は全く読んだ事が無いので、雰囲気の類似性については良く分からないが、怪奇趣味に溢れた作品。事件の内容、名探偵、警察、犯人、トリック等、全てが作り物めいた世界観は、自分には新鮮で面白かった。高校生が殺人現場にガンガン入って行くので、警察はどうなってんの?、とか思うのは、「リアリティ」を少しでも求めてしまうせいで、本作の場合はきちんと割り切らないと楽しめないね。作者の、乱歩と海外古典ミステリーへの愛情も凄く伝わって来て、乱歩やカーも読みたくなった。でも、二階堂蘭子シリーズはもう良いかも。

なおひろ
R1UV05YV
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(2pt)

地獄の奇術師の感想

探偵二階堂蘭子の初登場作品という事で期待していたのですが、物語冒頭から普通に登場している。
捜査陣から特別扱いされている理由こそ記述されているもののそれだけ。
これだけでは彼女の人となりが全くわかりません。もう少し「おぉぉ!」ってのが欲しかった。まずここでがっかり。


▼以下、ネタバレ感想

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梁山泊
MTNH2G0O
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(2pt)

名前はカッコイイんだけどね

地獄の奇術師って名前はカッコイイんだけど、中身が苦手。
本格のシリーズ物だったので読んだけど期待はずれだったよ。

えんじ
VGV1LYIG
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No.12:
(4pt)

デビュー作としては力作だが、犯人はバレバレ

二階堂黎人氏のデビュー作だが、講談社からの出版で90年代前半なのに何故か当時の綾辻や歌野や我孫子の新本格系作家と並べて語られることが少ないので不思議。
昭和40年代を舞台に横溝的戦争の傷を引きずった呪われた家族に起こる連続猟奇殺人を描いている。ミイラ男とかやや子供っぽい要素もあるが江戸川乱歩的なチープで胡散臭い雰囲気を醸し出すことに成功している。この地獄の奇術師と言われる男の正体とホテルでの密室殺人と書斎での密室殺人の3つがメインとなるが、この当時の新本格系の作品としては大がかりなトリックではなくかなりセコい(?)古典的トリックが使われている。ホテルの密室トリックは明らかに森村誠一の高層の死角からの引用であり、トリックを明かされてもまあ納得は出来るがよくあるパターンのものである。あまりトリックに期待せず、全体を覆うクラシカルな恐怖小説的側面を楽しみたい。後、他のレビューでも書いてある通り、真犯人は最初の数十ページ読んだくらいで推理小説をよく読んでいる人なら見当が付いてしまいます。まあ、それだけ読者に対してフェアに書かれているとも言えるが。
トリックや真犯人解明の過程は昔からある推理小説にありがちなオーソドックスなものだが、デビュー作としてはけっこう力作であると思う。
地獄の奇術師 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:地獄の奇術師 (講談社ノベルス)より
4061817906
No.11:
(1pt)

面白く読めない

まず、序盤から犯人がバレバレなのが推理小説として大きな痛手だ。
死人が多いのも雰囲気づくりとしか思えない。
注釈で有名な作品の勝手な批評をしている割に、使用されるトリックは安手だ。
推理小説ファンとしてはどうしても面白く読めない作品である。
地獄の奇術師 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:地獄の奇術師 (講談社ノベルス)より
4061817906
No.10:
(1pt)

これはひどい

そもそも主人公が女子高生である必然性が無い上に、言動が全く女子高生らしくない。
密室トリックはしょぼすぎて唖然とする。思わせぶりな伏線をはりつつ、未回収でほったらかし。
しかも、推理小説を読みなれている人なら、割と早めに犯人がわかってしまう。
読んですぐ、ごみ箱直行でした。
地獄の奇術師 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:地獄の奇術師 (講談社ノベルス)より
4061817906
No.9:
(2pt)

山盛りのトリックと注釈でうんざり

著者の本格推理に対する熱意だと思うが、本格推理とはこうあるものだ!と言わんばかりにトリックがたくさん
出てきます。確かにすごいどんでん返しの量です。
地獄の奇術師も非常に不気味で、ホラー小説に近い残酷さで鳥肌が立ちます。
あまりに色々絡み合いすぎて、本当に?と逆にしらけてしまいますし、しつこい位出てくる色々な名作推理小説
の注釈も目障りで、全く物語に感情移入できません。犯人も途中で読めますが、どうでもいい気がしてきます。
1冊で世界中の名作推理小説やトリック、有名探偵のセリフを知りたい方はぜひご一読を。
地獄の奇術師 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:地獄の奇術師 (講談社ノベルス)より
4061817906
No.8:
(3pt)

バレバレ

 1992年に出た単行本を1994年に講談社ノベルス化し、さらに1995年に文庫化したもの。
 二階堂蘭子のデビュー作。
 江戸川乱歩に影響を受けた、猟奇趣味たっぷりの物語。乱歩ほどグロテスクではないが、奇怪で残酷な事件を求めている人にはまたとない一冊だろう。
 ミステリとしても、そこそこの洗練度にある。いくつものトリックが詰め込まれ、楽しく読むことが出来た。
 ただ、ほとんど最初から犯人がバレバレなのが痛い。あまりにも隠し方が下手なので、ほとんどすべての読者が100頁も読まないうちに真相に気付いてしまうだろう。550頁近くもある本なので、興味を失わずに読み続けるのは難しいかも知れない。
地獄の奇術師 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:地獄の奇術師 (講談社ノベルス)より
4061817906



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