黒い塔

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種別
長編
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あらすじ

1994年05月31日 黒い塔 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ドーセットにある障害者用の療養所で教師をしていたバドリイ神父が急死した。長年の知人であるダルグリッシュ警視が、折り入って相談があるという手紙を受け取った直後のことだった。はたして神父の相談ごととは何だったのか。休暇を利用して調べをはじめたダルグリッシュは、療養所内で患者の事故死や自殺が相次いでいることを知るが…現代ミステリ界の頂点に立つ著者の英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

評判

黒い塔の評価:

6.00/10点 レビュー 1件。 C ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点6.00pt

黒い塔の総合評価:

8.50/10点 レビュー 8件。

感想一覧

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.7
(4pt)

バドリイ神父は朝まで袈裟をつけていたんですよ

作者は本名をフィリス・ジェイムズといい、内務省に公務員として勤めるかたわら、早朝と週末に趣味としてミステリを執筆するという1970年代に活躍したイギリスの作家でした。詩人としても名が知れているという設定をもつスコットランド・ヤード(警視庁)のアダム・ダルグリッシュ警視を探偵役とするシリーズを創始しました。P・D・ジェイムズはこのダルグリッシュに超人的な洞察力を備えさせず、素人の素直な努力の延長であるプロの警察官として鍛えられた推理力だけをもたせています。

本書はダルグリッシュ・シリーズとしては5作目の"The Black Tower"(1975年)の翻訳です。英国推理作家協会賞(CWA)を受賞。難病から全快したばかりのダルグリッシュは、旧知のバドリイ神父から葉書で助力を求められていたのを思い出し、ドーセット地方へ静養をかねて出かけることにしました。ところが神父が勤め先として住んでいたトイントン・グレンジという身体障害者専用の収容施設へ行ってみると、神父は急死をしていたと知らされます。ダルグリッシュはいくつかの奇妙な事実から神父が殺されたのではないかと疑いを抱くのですが…。緊張をはらんだストーリーが美しい田舎の風景をバックにして始まります。

収容施設の限られた環境での連続する死、奇蹟により救われた経験をもち事件を公にすることを頑なに拒む施設の経営者、ヴィクトリア時代にある奇人が餓死したという伝説がある不吉な黒い塔、意外な展開と結末。映画のシナリオになりそうです。
黒い塔 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 黒い塔 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
415076607X
No.6
(4pt)

バドリイ神父は朝まで袈裟をつけていたんですよ

作者は本名をフィリス・ジェイムズといい、内務省に公務員として勤めるかたわら、早朝と週末に趣味としてミステリを執筆するという1970年代に活躍したイギリスの作家でした。詩人としても名が知れているという設定をもつスコットランド・ヤード(警視庁)のアダム・ダルグリッシュ警視を探偵役とするシリーズを創始しました。P・D・ジェイムズはこのダルグリッシュに超人的な洞察力を備えさせず、素人の素直な努力の延長であるプロの警察官として鍛えられた推理力だけをもたせています。

本書はダルグリッシュ・シリーズとしては5作目の"The Black Tower"(1975年)の翻訳です。英国推理作家協会賞(CWA)を受賞。難病から全快したばかりのダルグリッシュは、旧知のバドリイ神父から葉書で助力を求められていたのを思い出し、ドーセット地方へ静養をかねて出かけることにしました。ところが神父が勤め先として住んでいたトイントン・グレンジという身体障害者専用の収容施設へ行ってみると、神父は急死をしていたと知らされます。ダルグリッシュはいくつかの奇妙な事実から神父が殺されたのではないかと疑いを抱くのですが…。緊張をはらんだストーリーが美しい田舎の風景をバックにして始まります。

収容施設の限られた環境での連続する死、奇蹟により救われた経験をもち事件を公にすることを頑なに拒む施設の経営者、ヴィクトリア時代にある奇人が餓死したという伝説がある不吉な黒い塔、意外な展開と結末。映画のシナリオになりそうです。
黒い塔 (ハヤカワ・ミステリ 1268) Amazon書評・レビュー: 黒い塔 (ハヤカワ・ミステリ 1268)より
4150012687
No.5
(4pt)

「黒い塔」の影が全編を覆う本格ミステリの秀作

懇意にしていた神父の依頼である身体障碍者の療養施設に赴いたダルグリッシュに件の神父が亡くなったと言われ・・・というお話。
今回は海辺での療養施設に赴いて、不審死が相次いでいるその施設の内情を探る内に意外な事実が浮上し・・・という展開でこの著者お得意の執拗な伏線が至る所に張られそれが最終的に一点に収斂していくお得意の内容になっております。それといつもながらの人物造形の彫りの深さに重厚な小説を読んだカタルシスがあり堪能できます。
あと、作品にでてくる、題名にもなっている「黒い塔」が作品全体のメタファーになっているようにも思いました。モノリスみたいにそそり立つネガティブな塔が作品全体に黒い影を落としていて、作品の雰囲気作りに大きく貢献しているように感じました。
蛇足ですが、この著者が影響をうけた(らしい)トロロープの小説がもうちょっと読みやすくなると嬉しいですが・・・。
最高傑作の一つ「ナイチンゲールの屍衣」には若干劣りますが、読んで損のない秀作としてお勧めできます。機会があったら是非。
黒い塔 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 黒い塔 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
415076607X
No.4
(4pt)

「黒い塔」の影が全編を覆う本格ミステリの秀作

懇意にしていた神父の依頼である身体障碍者の療養施設に赴いたダルグリッシュに件の神父が亡くなったと言われ・・・というお話。
今回は海辺での療養施設に赴いて、不審死が相次いでいるその施設の内情を探る内に意外な事実が浮上し・・・という展開でこの著者お得意の執拗な伏線が至る所に張られそれが最終的に一点に収斂していくお得意の内容になっております。それといつもながらの人物造形の彫りの深さに重厚な小説を読んだカタルシスがあり堪能できます。
あと、作品にでてくる、題名にもなっている「黒い塔」が作品全体のメタファーになっているようにも思いました。モノリスみたいにそそり立つネガティブな塔が作品全体に黒い影を落としていて、作品の雰囲気作りに大きく貢献しているように感じました。
蛇足ですが、この著者が影響をうけた(らしい)トロロープの小説がもうちょっと読みやすくなると嬉しいですが・・・。
最高傑作の一つ「ナイチンゲールの屍衣」には若干劣りますが、読んで損のない秀作としてお勧めできます。機会があったら是非。
黒い塔 (ハヤカワ・ミステリ 1268) Amazon書評・レビュー: 黒い塔 (ハヤカワ・ミステリ 1268)より
4150012687
No.3
(5pt)

荘厳に生と死を描き切った感動的作品

死病の疑いを宣告されたダルグリッシュが療養先で遭遇する奇怪な殺人の顛末を通して描かれる生と死を巡る誠実な思索が感動的で激しく心を揺さぶられる。その小説としての重厚な完成度が、伏線の張り方が巧妙極まりない秀逸なフーダニットの面白さと全く無理なく共存している事が何よりも素晴らしい。作者の美質である精緻な風景描写やゴシック的な恐怖醸成も見事だ。
黒い塔 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 黒い塔 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
415076607X

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