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本好き! さんのレビュー一覧

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レビュー数342

全342件 261~280 14/18ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.82:
(9pt)

アンダーカバー 秘密調査の感想

IT企業の若手社長が海外でいわれのない麻薬所持容疑で逮捕!
のっけから興味深い展開で先行きが楽しみになる内容。
そしてその後は、真保さんならではのスケールの大きさで、思わぬストーリーが繰り広げられます。
世界中を舞台にしたグローバルな内容が、ともすれば大きくなりすぎて実感が伴わず、登場人物に感情移入しきれない欠点もあるのですが、そこは著者の力量、最後まで息をつかせない内容で、多少の硬さはあるものの、エンターテインメント性は十分です。
あとは、罠にかけられ社長の座を追われた戸鹿野の仕返し(倍返しだ!とは言わないまでも…)が見たかった気もします。

アンダーカバー 秘密調査
真保裕一アンダーカバー 秘密調査 についてのレビュー
No.81:
(9pt)

イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたりの感想

実在の人物を探偵に見立てた小説は特に珍しくはないけど、最近何かと話題の宮沢賢治を彼のキャラクターを崩すことなく、見事に探偵役をこなさせた作品です。彼のパートナーである”カトジ”もいいキャラクターです。
また、賢治が実際に書いた詩を元にした小説でもあり、巧みに詩とストーリーをリンクさせているところはポイントが高い。
収録されている短編4作品は、実現可能かどうかは別として、トリックとそれを解明するまでが丁寧に描かれている。
惜しむらくは、時代考証がどうか、と東北弁のセリフの読みにくさ。
シリーズ化されるようですので、今後が楽しみです。
イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり: 賢治の推理手帳I (光文社文庫)
No.80:
(9pt)

半沢直樹健在!

期待を裏切らない半沢シリーズ第3弾です。
左遷?で出向させられた半沢と東京中央銀行との戦い。
前2作に比べてやや堅いイメージはあったものの、胸のすく1冊です。
特に後半、繰り広げられる半沢VS東京中央銀行の場面。爽快です。
さぁ、第4弾「銀翼のイカロス」も早く読みたい~!

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)
池井戸潤ロスジェネの逆襲 についてのレビュー
No.79:
(8pt)

あぽわずらい あぽやん3の感想

2巻で終わりかと思った”あぽやん”シリーズ、第3弾も出てきました。
今回は遠藤慶太が仕事に追われて”うつ”状態に。第1章で早々に出社拒否に陥ってしまいます。
仕事に責任感のある遠藤のことですから、いろいろと心労が重なってのことでしょう。
この辺は仕事を持っている我々にとっては身につまされるエピソードです。
その後は主人公・遠藤不在のままストーリーは進み、登場人物のそれぞれの”仕事”に関わるお話が連作短編の形で進んでいきます。
前2作同様、面白おかしく描かれていますが、やはり遠藤の病気が底辺にあり、楽しいことばかりではない”仕事”に対する彼らの取り組み方がしっかりメッセージとして伝わってくるので、やや重めの内容ではあります。
最近ドラマ化されたこともあって3巻目がでたんでしょうが、登場するキャラがそれぞれの役者のキャラにいい意味でも悪い意味でもかぶってきます。さて、4巻目はあるのかな?
迷える空港 あぽやん3 (文春文庫)
No.78:
(9pt)

「デッド・オア・アライブ 江戸川乱歩賞作家アンソロジー」収録作品

乱歩賞作家7人によるアンソロジー「デッド・オア・アライブ」のトリを務める短編です。
ナノバブル発生装置を開発した女社長と、離婚寸前の夫、専務の男、秘書...
サスペンス色豊かに、あっといわせる結末もなかなかのものです。
本作ほか、6編の傑作短編が収録されていますが、さすがトリを務めるだけあります。
他の作品では横関大、薬丸岳の作品が特に印象的でした。


鏑木蓮終章~タイムオーバー~ についてのレビュー
No.77:
(8pt)

メルトダウンの感想

原子力研究所員の経歴をもつ著者だけあり、反核・反原発のメッセージが十分読み取れる。
核問題と報道の自由をテーマに、掘り下げ方がしっかりしていて説得力もあります。
日系人を登場させたところも、核や原発について語るためにと考えると深いなぁとの思いも。
日本人とアメリカ人の心の裡がよく描かれています。
各場面にそのような描写が見受けられますが、特にジミーが両親がヒロシマで被爆したことを語る場面は印象的です。
メルトダウン (講談社文庫)
高嶋哲夫メルトダウン についてのレビュー
No.76:
(9pt)

私に似た人の感想

著者いわく「乱反射」路線ということで、”小口テロ”を10人の登場人物の視点から描かれており、結末は著者ならではの驚き付きです。
テロなるものが日本でも普通に起こるようになった昨今、著者のメッセージも込められているような気がします。
登場人物の中では「ヘイトさん」のキャラが際立っていて、個人的には気に入っています。でも彼の行く末は...
「乱反射」路線とのことですが、ストーリー展開はどっこい、結末はこちらの方がいいですね。(まぁ、好き好きはあると思いますが。)
私に似た人
貫井徳郎私に似た人 についてのレビュー
No.75:
(8pt)

「ほっこりミステリー」収録作品

このミス受賞作家アンソロジー「ほっこりミステリー」(単行本発行時「しあわせなミステリー」)収録作品。
緑豊かな田舎の土地に持ち上がった産廃処理場建設問題をテーマにした一遍です。
宮沢賢治の某作品をモチーフにしており、ラストはなかなかにファンタジー色が濃くなっています。
またある大きな物体の消失トリックなども盛り込まれています。
このアンソロジーには他に伊坂幸太郎・柚月裕子・吉川恵梨による”人の死なない”ミステリー計4編が収録されていますが、
個人的には中山氏の本作が最も読後感のよい作品だと思います。
中山七里二百十日の風 についてのレビュー
No.74:
(8pt)

銀行総務特命の感想

池井戸作品の場合、銀行や企業が舞台になっており、えてして同じようなストーリーの作品ばかりになりがちだが、そこは著者の力量、工夫を凝らしてバラエティ豊富な内容を心がけているな、と感心させられるのが本短編集。
銀行内部の闇の部分をつついたものや、行員のAV出演疑惑など硬軟取り混ぜてあきさせない。
それでも銀行という組織のイヤ~な部分をしっかり描いていて、毎度のことながら銀行に就職したいと思っている人が読んだら絶対断念してしまうのでは?と心配することしきりです。
”銀行破綻後、再就職したくても銀行員はつぶしが利かない”との一文が出てきますが、それがまさに銀行業界をよく表しているとつくづく感じました。
新装版 銀行総務特命 (講談社文庫)
池井戸潤銀行総務特命 についてのレビュー
No.73: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

追憶の夜想曲の感想

前作に引き続き、御子柴礼司のリーガルサスペンス。
冒頭は例によりなにやら不穏なシーンから始まり、今後の展開の行方を期待させる。
最後のどんでん返しも期待通りか。
事件そのものが陳腐な分、御子柴の弁護人としての手腕が光る内容になっている。
でもなぁ、御子柴はじめ、登場人物に感情移入できないのが難点なんですよねぇ...
唯一、清涼剤を与えてくれる女の子にホッとさせられるが。


追憶の夜想曲 (講談社文庫)
中山七里追憶の夜想曲 についてのレビュー
No.72: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

北天の馬たちの感想

”男の友情”をテーマに、貫井さん流に描いた作品。二人のどこか怪しげな探偵たちと彼らに憧れを抱くコーヒーショップの若いマスター。
以前某TV番組に貫井さんが出演した時に、昔放映されたあるドラマをもとにかっこいい男の友情を描いたと言われていたのですが、その内容もなかなかに格好いいものだと思います。
ストーリーはまずまずですが、全体的になんとなく物足りなさも覚えた。「友情」というキーワードをもう少し色濃く出しても良かったのでは。
思わせぶりな結末はまだ許せるところではありますが。

北天の馬たち (単行本)
貫井徳郎北天の馬たち についてのレビュー

No.71:

白砂

白砂

鏑木蓮

No.71: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

白砂の感想

「お骨」というキーワードがこの物語の底辺に漂っています。
その辺は著者の”らしさ”がよく出ています。よく言えば静かでハートフル。悪く言えば地味。
ストーリーも大きな盛り上がりはなく、展開もともすれば地味な2時間サスペンス的な印象。
キーワードがキーワードですからそれでもいいのかと。
それはやはり著者の個性なのです。

白砂
鏑木蓮白砂 についてのレビュー
No.70:
(7pt)

自作の中で映画化しちゃった

このミス大賞にて「さよならドビュッシー」と同時に最終選考まで残った「災厄の季節」(「連続殺人鬼カエル男」と改題して刊行)の映画化に向けて、その制作現場を描いた青春ミステリ。「ドビュッシー」は映画化が叶ったが、「災厄~」はその描写のエグさ故、不可能となってしまったことをこういった形で「実現」することを思いついた着眼点はさすが七里さんならでは。
ストーリー的には七里さんらしさは出ているが、登場人物が多く、セリフも多くて全体的にゴチャゴチャしたイメージが残念。
でも実際、どちらも映画化されて両者と比較、これが同一人物による作品か?と世間を驚かせてみたかったのは本音。
スタート! (光文社文庫)
中山七里スタート! についてのレビュー
No.69: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

佐方貞人シリーズ以外も期待

大藪賞の受賞作ということで、内容も濃いし女性作家とは思えないほど骨太な作品。
連作短編集とはいっても、必ずしも佐方検事が主人公ではない短編もあって、なかなか考えてるなと思いました。
「本懐を知る」など、スピンオフ的な作り方をしているのはポイント高。

後は、デビュー作もそうでしたが、佐方貞人シリーズ以外のテーマ・題材の全く違ったミステリーも書いていただいて
どれだけ書ける作家なのか見てみたいと思います。
検事の本懐 (角川文庫)
柚月裕子検事の本懐 についてのレビュー
No.68:
(8pt)

ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんと繋がりの時の感想

大輔くんと栞子さんの恋の行方も気になりますが、今巻では「ブラックジャック」や寺山修司なんかを扱っているところがニクイ。
4巻までも太宰治や江戸川乱歩、初めて聞いた作者も私的にそそられる作品をテーマにしてきていますが、このチョイスが大変気に入ってます。
さすが、古書マニアの著者だけあってなかなかいい素材を見つけてきますよね。
次回作も当然期待です。
ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)
No.67:
(9pt)

大江戸恐龍伝の感想

構想~完結実に20年、著者渾身の超大作。平賀源内が活躍する歴史ロマン小説。
龍の骨といわれるものを発見し、その謎を追って困難を越えながら真相に迫っていく壮大なストーリー。
第一巻はその序章ともいえます。
謎の龍骨にまつわる伝承や、漂流の末謎の生物に襲われる猟師たちの話など、この後どう展開していくのかが気になって仕方がなくなる第一巻です。源内のほか、鬼平こと長谷川平蔵や上田秋成、円山応挙なども登場。
全五巻、歴史ロマンあふれる展開が期待できます。

第二巻に入り、話が徐々に核心にせまってきます。龍掌の謎を探ろうとする源内の周りには火鼠の一味なる不穏な陰が。
また、それにまつわる「判じ物」を解読するシーンも楽しいところです。

ニルヤカナヤに向けて出航する第三巻では、立ち寄った琉球での神女(ノロ)たちとの対面など、謎の解明に向けて徐々にストーリー展開されてきます。この辺は「龍の掌」はちょっと置いておいて…との印象ですが。

第四巻ではいよいよニルヤカナヤに上陸、そこでこの物語のクライマックスといえる局面を迎えます。特に戦闘シーンは圧巻。そして龍が本格的に登場してきますが、まさに和製ジュラシックパークの様相!?源内さんは最大のピンチに!?

クライマックスを迎える第五巻は江戸の町を龍が暴れまわるさしずめ「江戸時代版ゴジラ」。
当初龍を見世物にしようとした源内の思惑は思わぬ方向へ向かうことに。
著者本人が映画化を希望しているように、ビジュアル面でも見ごたえある迫力満点の超大作です。
原作に忠実に映画化するなら、映像化に消極的な私でも満足のいく映画になるのではないでしょうか。
大江戸恐龍伝 第一巻
夢枕獏大江戸恐龍伝 についてのレビュー
No.66:
(8pt)
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ドミノ倒しの感想

なんだこの軽さは。「悪党は千里を走る」を遥かにしのぐ軽さではないか。
北関東の田舎町をモデルにしたと思われる月影という架空の町を舞台に繰り広げられる連続殺人(?)
ひとつの依頼をもとに探偵くんが調査に乗り出すも、次から次と難題が降り積もり、まさにドミノが次々倒れるがごとく。。。
著者の特徴はその作風の重さにあると思うのだが、本作は異様に軽い。
結末もなんだか消化不良ぎみだが、たまにはこういうのもあっていいかと。こういう作品を書けるのも
著者の力量の確かさと思います。
あまり量産してほしくはないけど。
ドミノ倒し (創元推理文庫)
貫井徳郎ドミノ倒し についてのレビュー
No.65:
(9pt)

ようこそ、わが家への感想

久々にミステリ色の濃い作品。
電車の順番抜かしを注意したばっかりに嫌がらせを受けるようになる主人公。会社での架空取引の真相を暴く池井戸さんお得意のストーリー。この二つが融合してワクワク感満載となっています。
ミステリ色が濃い(殺人未遂も発生!?)こともあり、半沢シリーズとは少々趣の異なる一冊になっています。
池井戸さんの作品はどれも読みやすく、銀行や会社の経理事務の流れがわかりやすく描かれているところがイイですね。

ようこそ、わが家へ (小学館文庫)
池井戸潤ようこそ、わが家へ についてのレビュー
No.64:
(9pt)

ねじれた過去 京都思い出探偵ファイルの感想

京都を舞台に人の「思い出」を探す思い出探偵シリーズ第2弾。
ポイントは、依頼人の要望に応えるストーリーだけでなく、探偵側そのものの人間的な部分が描かれているところ。
探偵も人間だから、悩む。これがこのハートフルミステリの奥深いところ。
連作短編の作品のうち、役者志望だった探偵のうちの一人が、探偵事務所をやめ、念願かなって役者の道に進んでいくのですが、
行方不明になった役者仲間を探す章は本作本来の主題から少し外れているような印象が残ったのが残念です。
最後の「思い出をなくした男」の章は泣ける作品だと思います。



ねじれた過去 京都思い出探偵ファイル (PHP文芸文庫)
No.63: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

最後の証人の感想

冒頭から期待を持たせてくれる作品です。
法廷ミステリはどうしても法廷での検察側と弁護側のやりとりが大半を占めてしまうものですが、
本作は飽きさせず間延びさせず、面白く読み続けさせてくれます。
終盤のドンデン返しもある程度予測はつくとしても、キャラ設定は際立っているし。
一番考えさせられたのは、警察組織のウラの部分。
身内かわいさで身内をかばう体質は現実にもあるのは疑いないところで、警察がキライな理由の大きな部分です。
似たようなケースが現実に起こっているのはまちがいないのでは?という感想も持ちました。

最後の証人 (角川文庫)
柚月裕子最後の証人 についてのレビュー