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本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数329件
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「甘い罠」というタイトルからどっぷりミステリ小説を思い浮かべるが、これはいわば日本人の「食」のあり方を考えた食の文化論小説ともいえる。
女性を中心にブームとなっている糖質制限ダイエットをテーマに、大変勉強になる小説です。間違ったダイエット法に警鐘を鳴らすだけでなく、日本人の「食」の文化史を掘下げた奥の深さもうかがえる。どこか「美味しんぼ」に「料理の鉄人」の要素を加えたようなストーリーでもあります。 タイトルの「甘い罠」の意味が分かったとき、真の「食」のあり方が見えてくるかも知れません。 |
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全体的な感想としては、京都の観光ガイドブックのような部分も多い。これは否定的な意見ではなく、京都の名所の情景を表すことで”純愛”ミステリ的性格を浮きだたせるものとして受け取れる。私は京都人でありながら、知らなかったところも出てきて、勉強になりました(汗
雪乃の性格云々の意見もありますが、悪くないですよ。こういう女性に惹かれる男、いますよ。(私にはムリですが。。。) 塩田作品の特徴として、地の文と会話文のギャップ(会話部分はほとんど漫才調!)が却って面白い。関西弁だからかもしれないが。 著者の「書き終えたくなかった」というコメントは読了後、なるほどなと納得できる言葉でした。 京都人なら必読の書です。 |
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懐かしの昭和歌謡を題材にした短編集。ではあるが、舞台はほぼ現代。その辺に違和感を感じたが、言える事は昭和も平成も(おそらく次の時代も)男と女の愛憎は変わらないということ。どの章もやや同じような男女が出てくるような感じがしたが、それぞれの曲を思い浮かべながら読むとしっくりハマっていることに気がついた。
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なるほどなるほど。要は大ドンデン返しの結末ということで、これが普通の小説なら何ということもないが、Facebookによる往復書簡型式になっているのが雰囲気を出しているといえます。初めは和やかなのに、半分を過ぎたころから何やら不穏な空気になるのがかえって心地よささえ覚える。そして最後は…
でも巷でいわれているほどの衝撃度はなかったなあ… |
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前半の「都市伝説」の数々は興味深かった。ネットの世界でどんな状況になっているのか知りたくなって思わず検索してしまった。その結果…
名作ホラー映画の題材となった実際に起きた事件。実際の事件だけに胸糞悪くなるのは必至。読んでどうなっても知らないよと注意喚起しておく。 全体的に面白かったが、やはり自著のPRは不必要とは言わないまでも、ほどほどにしておいた方が… |
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昨今の猫ブームに乗っかって、気鋭の作家陣によるアンソロジーがお目見え。猫好きであるか否かにかかわらず、ジ〜ンとくるものや笑えるものまで、7編が取り揃えられている。
個人的には猫派ではないけど、胸にグッとくるものが好みなので、湊かなえ「マロンの話」、柚月裕子「泣く猫」、井上荒野「凶暴な気分」がベスト3。 巻末の澤田瞳子による猫小説紹介も必読。漱石先生のあの名作もいいけど、現代の猫モノも(ブームがどうのは置いといて)傑作が多いですね。 |
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クラシック音楽を題材にした作品は数多あれど、ここまで「音楽」に浸れる作品はないでしょう。全編に渡って高尚なクラシックを聴いている、あるいは聴こえてくる気持ちよさが本作にはあります。
またコンテスタントの4人(マサル、亜夜、塵、明石)はそれぞれに個性的な「アーティスト」であり、皆が各個の彩で読者を魅了させてくれる、これは著者のしっかりとした力量でしょう。 ピアノコンクールの「聴衆」の一人として、十分に楽しませてもらえました。 |
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確かに前2作と比較すると、普通のミステリに近いものになっているようです。”長江色”は残しながらも、リアリティーが希薄かなと。
ただ、表題作は爽快感さえ感じるというか、さすがは”禁止”シリーズ、一番際立つ内容でした。 ところで”禁止”シリーズ、次回作はあるのでしょうか? |
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有村志穂の特異な(?)キャラクターに◎!!
就活に失敗し続けるかたわら、シェアハウスの住人達に疎まれながら、救いの手をさしのべる優しさをあわせ持つ彼女のキャラを生みだした著者の手腕に感服。 相変わらず女性主人公の作品が多く、ある意味そっちの人?? と思ってしまいますが。 でも志穂みたいなのが身近にいたらヤだろうなァ…(; ꒪ㅿ꒪) |
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これまでの骨太な作品から一転、軽めの短編で楽しませてもらいました。涼子と部下・貴山のコンビによる謎の解明。ほとんどIQ140の貴山の手柄によるところが多いようですが、どこか必殺シリーズを連想させるところもあって、気楽に読める作品です。
ところで、気になったのはこのタイトル。 「~的にあり得ない」というのは、アダム・ファウアーのベストセラー「数学的にありえない」「心理学的にありえない」を意識したものなのでしょうか?? |
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読後感、最悪。
こき下ろされている理由、わかる気がする。 でもね。改めて構成というか、全体の流れを見てみると、 よく練られてるなという感想はあります。 いろいろ意見はあろうけど、そんな酷いレベルではないと。 これが現実だったら…と置きかえてみると背筋が凍りついて凍死寸前\(◎o◎)/! |
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大阪・堺の古道具店を舞台に、実にほんわかと温かみのある物語が展開されます。古道具の知識もさる事ながら、それを通じて「家族」の意義を考えさせてくれる。
これまでスポーツミステリが主だった著者の新境地です。 余談ながら、古道具店の佇まいが、業種こそ違えどこか私の生家を思い出させてくれたのもよかった。 |
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こういう形のミステリ小説も充分アリだと思います。
映像版は見たことないですが、小説版だけでもたっぷり楽しめます。 収録されている3編は、結末が明らかにされておらず、解明は読者に委ねられている、思ったとおりだとすれば相当怖い〜(/ω\*) |
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ついに完結ですか。
これまでのシリーズを読んできて、完結編ということもあり、最もまとまって内容になっていると思います。シェイクスピアの作品に関すること、後半の振り市でのシーンは読みごたえバツグンです。(『人肉質入裁判』には笑ってしまいました。) さて、”ビブリアロス”にならないよう(?)番外編やスピンオフが予定されているとのこと(あぁ、セレクトブックは出てますね)、楽しみです! それと、実写&アニメ化も。実写はあの失敗作ドラマの二の舞になる可能性もあるので、アニメの方に期待です。 |
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日本人刑事と韓国人女性刑事のコンビが繰り広げるアクション、というとカッコイイけど、前半はお互いを嫌い合うばかり、セリフもイヤな感じしか残らず、やや冗長も感じさせる。後半はそんな嫌い合うコンビがそれでも協力しあうように。なぜ??と思わせられることも。
全体的に軽くて(これが著者の特徴でもあるが)、表面的、薄っぺらさも感じさせられた。(ももクロや少女時代が出てきた時には正直ドン引きした) でも後半のスリリングさはよかったです。 この軽さは著者でないと味わえないんでしょうね。 |
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著者が作家として世に出るきっかけとなった表題作をはじめとする珠玉の短編集。
表題作「黒い鶴」は、暗号ミステリの要素が含まれて最後にあっといわせる作品。タイトルに重みを感じます。 その他、印象に残ったのは、「時限」にも登場する片岡真子が主人公「大切なひと」、猫ブームに乗っかった?「京都ねこカフェ推理日記」、心理的ホラー「誓い」、能をテーマにした異色作「花はこころ」など。 短編でも著者のハートフルな文体はしっかり出ています。 それにしても、著者の作品には女性主人公が多く登場する。「京都」をイメージしてのものか、そういえばもうひとつ作品の舞台として出てくる岩手もどことなく女性的なイメージがあります。女性心理の描き方がうまい…ってもしかしてオネェ?? |
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ラノベばりの表紙を見た時はどうしたものかと思ったが、そこはさすがの真保作品。しっかりとしたプロットで読ませてくれます。ここでも警察のウラ側が見え隠れし、実際にもありうるのではと憤りさえ感じさせるリアルさ。やはり社会派ミステリはこうでなくては。しかしまぁ、たった1日でこれだけめまぐるしく事件の真相に向けて動けるとは!
余談ながら、これが警察メインではなく、アイドル・キリモエの目線だったらどんな感じになったか?スピンオフも期待して読んでみたくなりました。 |
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七里先生独特の軽妙な文体の中に、出版界のウラ側がチラホラ。ミステリとしてのトリックそのものよりも、そんな隠された現状を暴露したようなところに興味を覚えた。実際に傲慢な勘違い作家もいるだろうし、偏執的な編集者やストーカーまがいの読者、そして平気で原作の内容をねじ曲げてしまうプロデューサーなども実在するでしょう。七里先生による業界暴露話として読んでも面白い短編集です。
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田舎町の家々の壁に絵を描き続ける男。
なぜ描き続けるのか?それを章を追うごとに時を遡る形で明らかにされていく、事件が起こる訳ではないのでノンミステリーと御本人もおっしゃっていますが、何とも不幸な一人の男の物語です。貫井さんの小説によくあるような、ある意味救いようのない転落人生を描いた読後感のスッキリしない不幸小説といえます。 |
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柚月さんの作品は、他の警察小説にはない人間的なドラマの要素でグッと読ませる魅力がある。この作品もお遍路の旅というテーマを巧みに織り交ぜた感動作です。
また私事ながら、主人公夫婦は私ら夫婦とどこか似た所があり(性格や境遇が)、なんだか自分たちが演じているような気分にもなりました。 退職刑事がここまで捜査に携われるか?現役がそんな元刑事の意見を簡単に受け入れるのかな?という疑問はありましたが、涙腺が緩む場面もいくつかあって、年初からいい作品を読ませていただきました。 また、お遍路に興味を持ったのも確かです。 |
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