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マリオネットK さんのレビュー一覧
マリオネットKさんのページへレビュー数347件
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館シリーズ以外はいまひとつパッとしない評価(失礼!)だった綾辻氏の新たな代表作となった作品ですね。
学園青春ホラーミステリと言うべきか「こんな作品も書けるんだ!」と綾辻氏の新たな可能性を教えて貰った作品です。 それと同時に従来の彼の作品の魅力である、現実と幻想の狭間をつくようなホラー、極めて読みやすい文章、終盤の大どんでん返し、が遺憾なく発揮され まさにこの作者の新境地にして真骨頂と言える作品になっていると思いました。 作中で「酒鬼薔薇聖斗事件」や「ノストラダムスの予言」が言及された時、主人公達と自分が同年代ということが判明して、親近感が沸きました。 その反面、自分も中高生ぐらいの年齢の時に読めていればさらに楽しめた作品だったような気もします。 実際、アニメ化したり、スニーカー文庫版も出たり、ティーン向きの読み物としても優秀な作品となっていますね。 この作品を機会に館シリーズなどを読む中高生が増えてくれたら嬉しいと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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中世のフランス、第一次大戦下のドイツ、1989年の日本……3つの時空で生まれ変わりを繰り返す男女たちの壮大なSFミステリー。
ともすれば作者の独りよがりのようなストーリーで、非常に人を選ぶ作品だと思うのですが、それぞれの舞台にそれぞれ謎やトリックを用意した上で、全体を通して大きなストーリーとどんでん返しが用意されており、実際のページ数以上の大作感はあります。 いろんな要素を詰め込みまくった挙句、ほとんど投げっぱなしで終わった前作の『クロック城殺人事件』に比べれば、綺麗にまとまっているのではないかと。 あと、個人的にはちょっとゲームの『クロノ・トリガー』を連想しました。 出来がいいとは言えないかもしれませんが、やろうとしたことは個人的に評価したい一作です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「森のくまさん」を名乗る、そのユーモラスさが逆に不気味な殺人鬼による連続殺人をテーマにした、典型的なB級ミステリ。
これの前年に発表された中山七里氏の『連続殺人鬼カエル男』にいろんな面で似てると思いましたが、謎解き、意外性、独創性、ドラマ、人物、描写……全ての面において大きく水準が下回ってると感じました。 (あの作品も結構辛口にレビューした私が言うのもなんですが) ・登場人物がみんな薄っぺらい。 ・ミステリファンどころか名探偵コナンが好きな子供でもわかりそうなレベルの見え見えすぎる犯人。 ・2ち○んモチーフの匿名掲示板の書き込みの描写がいちいち寒い(年数が経ってから読んだらますます見るに耐え無そう) 正直この程度の作品でこのミス大賞 隠し玉ですか……という感想です。 あの賞自体がそもそも自分の中では「このB級ミステリ面白い!」みたいな賞だと思ってますが、そのB級ミステリの中でももうちょっと光る作品はいくらでもあったのではないかと思います。 はっきり言って、出来のいい作品や独創性のある作品よりも、一般大衆の興味を惹きやすそうな作品に受賞させて、騙してでも買わせたらこっちのもんって考えなんですかね。 ボロクソに言いましたが、テンポは良くて非常に読みやすく、分量も少なめなので、あまり頭を使わず時間もかけず軽めなのを読みたい、という時にはおススメできるかもしれません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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戦中の日本が部隊のスパイ養成機関を題材とした連作短編。
普段あまり読まない、興味を惹かれないジャンルなのですが非常に出来が良いと感じ、面白かったです。 収録された五編の短編はどれも違った切り口で、ハズレ無しと感じました。 ページ数はそれほど無く、実際2時間少々で読めたのですが、その内容の密度の濃さに大満足でした。 現実のスパイ事情や定石などわからないし、結城中佐やD機関のメンバーの超人っぷりには、作中でまさに言われてるとおり「現実にこんなヤツがいるわけないだろ」なんですが、それでも作中随所の台詞や説明に納得させられてしまう説得力がある作品でした。 しかし考えてみると日本は戦時中から今日にいたるまで、国家で「スパイ」という存在はとことん排除している国なんですね。 それより以前には「忍者」という世界的知名度を誇るスパイがいたのになぁ、なんてふと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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核ミサイルが落ちたと思しき世界で核シェルターの中に命からがら逃げ込み、外の世界の情勢不明、何時出ることができるかも判らない状況で起こる連続殺人事件という、まさに究極のクローズドサークル物。
この中では他にすることは無いとばかりに、閉じ込められたメンバー内の2人の探偵役(?)により繰り広げられる密室トリックの検証をはじめとする、推理論議の濃密さが半端ないです。 実際のページ数の印象を遥かに超えた読み応えを感じました。 一度読んだだけでは理解しきれていない部分が多々あると思わされたので、いつか再読したいとはずっと考えているのですが あまりにこってりした料理のように、良くも悪くもいつまで経ってもお腹一杯気分にされてしまっている作品です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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比喩ではなく重機まで持ち出され、山荘が窓や天井まで完全に雪で埋められてしまうという、まさに究極「雪の山荘」もの。
さらに一見不可能犯罪とおぼしき連続殺人が起こるたびにまるでゲームだと言わんばかりに「どんなトリックが使われたのか正解した者には賞金!」 と謎の正体主である「トリック卿」から出題が発生し、雪の山荘に閉じ込められた招待客たちに怒りと恐怖を与えるという、クローズドサークルシチュエーション。 設定は非常に面白いと思いましたが。 肝心のトリックや真相が微妙のものばかりなせいで、設定を活かせず、正直駄作といった印象です。 推理小説というよりは、バラエティ番組のコントのシナリオみたいな作品だと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
(4件の連絡あり)[?]
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さまざまな特技や個性を持った大学サークルメンバーが力を合わせて事件を解決する青春ミステリ。
あかずの間研究会のメンバーが好きになれるかどうかで続編も読みたいと思うか、評価が変動しそうです。 他の人の感想を見ても肝心のヒロインが不評っぽいですね。 処女作でありながら膨大かつ緻密なロジックで真相を解明していく流れは感心しました。 ただ、作品そのもののノリがライトなだけに、もっと短い内容にまとめた方がよかったかなぁとも思うところです。 島田氏の『斜め屋敷の犯罪』をリスペクトしているだけに、建物を利用したメイントリックは現実的かはともかくスケールが大きく面白いです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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金田一耕介シリーズの記念すべき第一作目は、横溝正史が江戸川乱歩とならんで20世紀の日本を代表する推理小説家(金田一耕助が明智小五郎と並ぶ日本を代表する名探偵)となった理由がわかるような作品だと思いました。
現在の読者が読んでも、読みやすく面白いこの作品は、一部の推理小説マニアだけでなく、一般大衆の娯楽としての推理小説の地位を高めた横溝御代の偉大さをまさに象徴する作品だと思います。 そして同時に当然のことですが、金田一耕助シリーズ第一作目の70年近く前のこの作品の時点でディクスン・カーやアガサ・クリスティーは推理小説界の大御所中の大御所であることに、その偉大さを改めて感じることとなりました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「日本のジョン・ディクスン・カー」とも呼ばれ45作もの密室作品を発表してきた大推理作家が密室で殺害されるというストーリー。
そのタイトル、あらすじに恥じず、作中では終始密室談義が行われ、中でも作中に登場する1000以上の密室トリックを網羅したという実在する書物『Locked Room Murders』には興味を惹かれなかった推理小説ファンはいないでしょう。 ……しかし肝心のこの事件の密室トリックは特別面白くも珍しくも無いものなので期待すると肩透かしを食らうかと思います。 総合的に評価して、この作品自体は悪くもないけど良くも無い、ごく普通の推理小説ですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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まだこんなミステリの形があったか!とまずそのアイディアに驚きました。
基本は法廷ミステリでありながらクローズドサークルやデスゲーム的要素が混じり、まさに独自のジャンルとして仕上がっています。 そしてそのアイディアを決して多くはないページの中に惜しみなく、最大限に活かして使っており、非常に内容が濃く面白い作品でした。 設定こそやや荒唐無稽でしたが作者が元警察官というだけあり、被害者・加害者両面の心理や立場にリアリティがあり、社会派ミステリとしても高水準と感じました。 これほど面白い上に出来もいい作品でありながら、こう言ってはなんですが、メディアワークス文庫の作品ということで半分ラノベのような扱いで、ミステリ作品として正当な評価が得られていないような気がしますね。 本当にラノベに毛の生えたような作品がメフィスト賞やこのミス大賞とかに選ばれてる一方で、この高水準のミステリ作品が見逃されてると思うと正直もったいないです。 こう言うと誤解されそうですが、私はラノベはラノベで好きですし、確かにこの作品は「いい意味で」ラノベの特徴を持っている作品でもあります。 これだけ密度の濃い、その気になれば数本分の作品にでも出来てしまう内容を2~3時間で読める分量にまとめてしまっていることや、冤罪と犯罪被害者というともすれば非常に重くなりがちなテーマを、スイスイ読ませる読みやすさなどはまさにラノベ的長所です。 (高野和明氏の『13階段』などが完成度は高くてもテーマ的に読むのが辛かった私が、これにはそういう苦痛を感じませんでした) ミステリ初心者から上級者まで楽しめるおススメの一冊と感じました。 悪いと思った点で言うと、このテーマや内容で主催者側が必要以上に悪意を感じさせたり、悪趣味な趣向を凝らす必要性が感じられないということです。 デスゲーム的なノリを入れようとしてちょっとここはスベっちゃってる気がします。 真相と結末に関してはちょっと賛否両論ありそうですし、私自身の中でも、果たしてこれは評価すべきか、まるで「有罪」「無罪」を判定するかのように悩みます。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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