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りーり さんのレビュー一覧
りーりさんのページへレビュー数121件
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片目と片足と引き換えに妖たちの「知恵の神」となった岩永琴子、妖の肉を食らい異能力を身に着けた桜川九朗、人ならざる者通し共に行動する彼らと巷を騒がす死んだアイドルの都市伝説「鋼人七瀬」。 都市伝説を駆逐するために曖昧な伝説に合理的な虚構をぶつけろ! 本作の主眼はおおよそ都市伝説として人の心に根付いてしまったアイドルの亡霊を滅ぼすために人々に合理的で納得のいく虚構を与えるというものだ。 人は信じたいものを信じる、魅力的な嘘を吐くには真実を追い求めるに等しいぐらい事件に対して齟齬なく挑まなくてはならない。 真実を暴くのと秀逸な偽物語を創るのではベクトルは正反対でも、事件を精査し隠されたストーリーを見つけ出すという点では一致していて、そこに既存のミステリとは違った論理性、整合性が生まれる。 このユニークな特殊設定ミステリを漫画経験が生きた可愛く魅力的なキャラクターで描いている、変な作品好きなので割と普通にミステリとして読んでましたね。 アニメの出来も上々、★は7つ。 |
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第22回ホラー小説大賞を受賞し、「来る」というタイトルで映画化もされた本作。 澤村氏のデビュー作であり比嘉姉妹シリーズの一作目だ。 「ぼぎわん」と呼ばれる怪異から逃れようとする家族と霊媒師を描く、このぼぎわんという化け物は作者の創作であるのだが非常に設定や伝承が練られている本作の肝となっている。 そしてなにより恐ろしく強い、物語はぼぎわんからの逃行というホラーの側面と同時に何故この尋常じゃない化け物が呼ばれたのかという謎に直面する。
割合で言うとホラー色の強い作品で少なくとも本格推理小説ではない。 しかし各章で語り手が替わり、伏せられた真実が明るみなっていく様や意外な登場人物が伏線を担っていたりと随所でミステリの一面を覗かせる。 三津田信三や京極夏彦に続く新たなホラー×ミステリの旗手の誕生として今後も気になるシリーズだ。 |
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季節は秋。 裏世界探険にも快適さを求めるようになった二人は移動用に農耕機械を買ったり、お弁当を持ち込んでみたり。 しかし、裏世界からの脅威は確実に二人に接近していて・・・。 空魚と鳥子、対決の秋。 裏世界からの確実な攻撃を受ける第三作、二人の関係性が大きく動いていく。。 |
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赤ずきんをモチーフに未知の怪物から六人の少女を守り抜こうとする知略的パニックストーリーと少女の中の裏切り者を推理させるファンタジーミステリーを融合させた本作。 少女たちに割り振られた能力を駆使しての戦いとそれを用いた謎のロジック、その他細かく張られた伏線と疑心暗鬼を誘う展開はライトノベルとれ侮る勿れ。 なにより素晴らしいのが赤ずきん以外にもグリム童話のエッセンスをトリックや物語の演出に入れ込んでいる点で非常に作者の心意気を感じる一品になっている。 |
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ややダウナーで人嫌いの紙越空魚と天真爛漫仁科鳥子の出会いは「検索してはいけないもの」が巣食う<裏側>の世界。 まだぎこちない関係性の二人が挑む怪異探険ファイル。 怪異探険の命がけのサバイバル奇譚。 というよりかは鳥子ちゃんに振り回される空魚ちゃんの成長を百合百合しく楽しむ物語だと思う。 非現実の怪談の描写はもう少し頑張ってほしいと思う。 |
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廃線目前「もりやま鉄道」の未来を託されたのは経営のけの字も知らない女アテンダント!? 県庁と銀行に冷ややかな視線を向けられつつも地元第一、お客様目線に立った戦略で窮地を乗り切ってゆく。 しかし立て続けに起こるアクシデントに何者かの悪意を嗅ぎ取って ・・? 赤字沿線大逆転計画!! 経営経験なしの女販売員と県庁から出向してきた左遷野郎がお先真っ暗お荷物沿線の復活に奔走する。 まぁ展開としては良くある企業経営の一点攻勢劇なのだがそこは流石人気作家、ミステリらしく要所要所に不安げな波を立てて読者を惹き込んでくる。 電車の旅はいいものですよ本当に。 |
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現世でショッピングを楽しんでいた沙羅の前に現れたのは二人の放浪兄妹。 酒に溺れて働かない父親と病床に臥せる母親、窮地に陥った兄妹には何故か殺意の眼が迫っていて・・・。 今までの安楽椅子裁判官とは打って変わって現世に遊びに来て帰れなくなってしまった沙羅ちゃん。 閻魔堂のデータも使えず自力で情報を集めて推理する。 ABC、事件の鍵が全て集まったとき今回は沙羅ちゃんお友達の為に自ら裁判しますよ!! |
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女性の心理に焦点を当てた短篇5集、小学生から老人まで様々な年代の女性心理をロジックとして組み込み、男性では決して成立し得ないストーリーに為っている。
粗筋だけ見るとイヤミスを想起させるが単純な齟齬からの真相が顕れ、軽く明るい終わりを迎える。 とりわけ第五編の老婦の今の若者では中々想像しにくい思考を取り入れた作品は良かった。 一貫したテーマでここまでの短篇を作り上げた作者に拍手! |
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閻魔堂沙羅シリーズ初の長編。 殺人者の子供という業を必死に隠しながら41歳のシングルマザーとして生きる新山律子。 娘との関係にぎくしゃくした毎日を過ごす中、自身の過去を詮索するものと出所した母が現れる。 日常を守るために犯した殺人、そして自らも何者かに殺されて・・・。 テーマは親子関係、それも殺人者の娘という特殊な関係。 奇しくも自分の娘に自信と同じレッテルを与えてしまった律子が閻魔堂で何を感じ、現世でどんな清算を取るのか。 長編に相応しい重厚なテーマと沙羅ちゃんの痛快な語り口、非常に読後晴れやかな作品。 |
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「一週間後にお前は死ぬ」 とある会社のガラケーに送られる死のメッセージ。 お客様を殺されたらいちは探偵として捜査を開始する。 浮かんでくるのはライバル通信会社の陰謀? 一方、先頃の事件で傷心中の藍川警部は休暇を貰い謎のペンションへ・・・。 仮面を付けた宿泊者たちはどうやら上木らいちを知っているようで・・・? 推理合戦の末に行きつく驚愕の真相、二人の再会はいつ? ほぼ過去シリーズ必読。 シリーズ好きなら読んでおいていい。 中々ユニークなトリックがあって感心しちゃった。 ★は7つ。 |
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周りに比べてちょっと頭のいい小学四年生の理桜。 ある日先生に頼まれて訪れた不登校少女は既に大学の課程を終えた天才少女だった!? 学校に行く必要を感じない彼女に苛立って放った言葉「あなた友達いないでしょ!!」、斯くして友達とはなにかを証明するための天才少女との日常が始まった。 予想だにしない展開の連続、友達の大切さをとくピュアな小説かと思いきやシリーズ最終章に続くミステリアスな長編。 |
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‘この世で一番面白い小説’ を書くために小説の書き方を教えてください。 5万冊の書物を読めど1冊の本はおろか文章さえ書いたことのない少女と駆け出しの小説家。 2人の奇妙な作家教室は今までに例のない作品に向かって突き進んでゆく、思いもよらない着地点へ。 |
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冥界の推理ゲーム第二弾。 今回の挑戦者はなんか癖のある方々、誰が何の為に俺を殺したのか。 サブタイトル作を含む三編。 沙羅ちゃんが可愛く人生を説いてくれます。 |
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自分を殺したのは誰だ? 死の直前の記憶から犯人を推理せよ、蘇りか地獄行きか閻魔大王の娘沙羅から課される推理ゲーム! いいですね。 形式としては犯人当ての短編集ですがいい感じに伏線も張られてるし、死後の世界の経験によって主人公たちが明るい転機を迎えてくのもグッド。 設定は特殊だけどそれよりかはストーリの筆致が評価されたメフィスト賞としては珍しい作品ですね。 |
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トリックを仕掛ける前に犯罪を暴け! 莫大な遺産を継承することになった女子高生を狙う一族の罠。 窮地を救うのは事件を起こさせない究極の探偵!? 事故死に偽装させないといけないという犯人側に大きな制約はあるものの(気にし過ぎな気もするが)、降りかかる災厄を次々と解決する様は爽快感抜群。 ラストへのストーリー展開も見事。 |
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3つの時代に跨る奇怪な身投げ事件は過去に命を落とした幽女の仕業か・・・? 遊郭を舞台におおよそ人間の仕業とは思えぬ不可思議な出来事に刀城言耶が下す解釈とは・・・。 いままでの刀城言耶シリーズとは打って変わって、派手な多重解決や意外な真相は無いが遊郭に纏わる怪談話に合理的な解釈を与えつつ、整合性のとれた結末を迎える様は流石三津田信三の一言。 ホラーの中にミステリアスを秘めた秀作中の秀作。 |
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私の兄は果たして本物なのだろうか――。 視力を失っていた私は中国より永住帰国した兄の顔を確認していない。 孫の腎臓移植のために頼れる血縁はもう兄しかいない、残された時間はあと僅か・・・全盲の私は兄の正体を掴むため行動を開始する。
盲目ものミステリー。 事件を追う中で主人公が遭遇する危機或いは救済が誰によって何の為に行われているのか、まさに「闇」。 スリリングな展開と孫を救おうと奮闘する老人の姿に心惹かれる。 流石受賞作と言える傑作。 |
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