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りーり さんのレビュー一覧
りーりさんのページへレビュー数14件
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超ハイレベルな演劇団「パンドラ」に入り俳優を夢見る青年数多一人。 その圧倒的な技術の前に脱落者が出る中、一人は何とか入団の道を開く。 しかし、後日現れたある少女の一声で劇団は一変する。
「愛してる」 一生掛けても習得できないような完璧な5文字の演技の前に劇団パンドラは崩壊した。 「映画に出ませんか?」 一人は天才とも形容し難いその少女に告げられる。 なぜ私が、なぜ映画なのか、そもそも映画とは、そもそも創作とは、、、 クラッパーボードの音が鳴る。 天才。教えられることは過去作が必読なくらい。 流れるような軽い言い回しと過去作人物をも交えた壮大な返し。 複雑多岐な物語は創作の極地に終結する。 文句なしの超傑作だ。 |
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幼い姉弟2人を殺害した罪で、死刑囚となったホームレスの男・望月。 動機の見えぬ殺人と潔い自首の謎、多くを語らなかった彼が唯一残したのは獄中で詠んだ短歌。 数多の記事から真実を読み解くことはできるだろうか・・・。 出版禁止シリーズの第二弾。 ノンフィクション作家の取材紀行やルポ記事の羅列で構成されたモキュメンタリー作品。 そこにホームレスという社会的弱者による無差別な凶行や獄中歌人という現実的要素を取り合わせることでフィクション作品であると理解しながらも現実の事件を解き進めるような気分にさせられます。 終わり方も既存の禁止シリーズとは毛色の違う感じで・・・、★は9つ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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死者たちの世界―― 誰も寄り付かない辺境の屋敷にそれはあった。 生前の記憶をリセットして生ける屍として再生させる装置、それによって甦った屍は更なる仲間を求め生者を殺していく・・・。 一方死者の世界の隣町では不可解な連続殺人が起きていた、死後の世界と生前の世界が交わる時事件は驚愕の結末を迎える・・・。 西澤氏のSFミステリ。 「生ける屍の死」の影響を強く受けています。 荒々しいそれでいて雑ではない驚天動地のトリック、ラスト数行で叩きつけられる真相、SFという自由な設定に厳粛なルール付けをして展開される西澤ミステリの最高傑作だと思いますね。(でも舞台がアメリカなので珍苗字は一切出てこないのだ) ★は9つ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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首相殺害の犯人の仕立て上げられた主人公。 巨悪からの逃避の中で出会う人々、壮大な計画と驚愕の結末。 絶望的な状況での軽快なユーモラス、バイオレンスな展開ながら疾走感溢れる筆致、裏社会の人さえも愉快に、伊坂氏の才気が迸ってる作品ですよね。 豊かな伏線と鮮やかな終結といい申し分ないです。 2039年、ケネディとオズワルドと一緒にこの作品も思い返せたら幸い。 忘れちゃうかな~、今よりも電波が飛び交う世の中なんだろうなぁ。 ★は9つ!! |
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館シリーズの7作目にて超長編となった本作、一つの屋敷で起こる殺人事件を描くには些か分量が巨大な気もしますがそれに見合う巨大な謎と驚きをもたらせてくれました。 この奇怪な雰囲気、現実と幻想が交ざり合ったような混沌とした世界観、綾辻行人氏の書でもそれが一番濃い作品だと思います。 「十角館の殺人」でデビューし叙述トリックを用いた「新本格」なる代名詞的存在になった彼ですが「霧越邸殺人事件」や「囁きシリーズ」「Another」を読んでみるとむしろ特異な点はそのホラー感漂う独特な雰囲気ではないかと。 さて、館シリーズの集大成そして最終章のような展開を見せた今作。 ここまで長いと人それぞれに思い至る点、至らない点、何を現実とし、何を幻想とするか、万別されるでしょう。 私も色々と驚愕し想像し、この作品が館シリーズの何に、否何処に位置するのか思案しておりました。 いつか来る最期の作品を心待ちにして・・・、★は9つ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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アパート火災の遺体より不可解な蛆の塊が発見された。 屍体に密接する昆虫からアプローチを試みる「法医昆虫学」が導入され、変わり者女学者が蟲を手掛かりに捜査を始める。 147ヘルツの羽音を持つ虫が教えてくれるのは・・・? 「法医昆虫学」 これは当然絵空事ではなく、犯罪捜査の新たな境地であります。 死体に虫が湧くのは周知の通りでそれを調べれば遺体が辿った場所、死から経過した時間が判明しそうなのはなんとなく分かるでしょう。 専門的なテーマなようでも容易に想像できてしまうのは虫という存在が私達の生活に深く蔓延っているから、生態系のサイクルにおいて決して切り離せない関係にあるからでしょうか、そしてそれは屍となっても例外でないのです。 さて、この新境地のテーマがそもそも面白いのですが、それ以上に物語の展開とキャラクターが素晴らしいです。 捜査や犯罪についてはまったくの素人ながら虫については熱心すぎる「研究者」と 学術的な事には関心はないが一定の正義感と冷静な観察眼を持った「警察官」、それぞれの立場、考え、視点、行動が上手く書き分けられてると思います。 サスペンスな部分も申し分ないです。 超々当たりシリーズ、★は9つです!! |
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青空文庫より 160頁中編 4人が泊まる屋敷にて夫妻が他殺された。 決定的な証拠「自白」を以て裁判にかけられる容疑者の男。 怪しすぎるぐらい素直な自白に弁護士の「私」は何もできない。 本当に彼が殺したのか? 正直すぎる自白の理由は? 残された手記から衝撃的な真相が・・・ 凄く良かったです。 少ない人物、異物の入り込む余地のない狭いステージ、それでいてここまで予想外の展開を作り出せるとは・・。 作者が弁護士でかつ麻雀も深く嗜んでいたらしく、法廷と麻雀の描写はかなり細かいですね。 麻雀の方は精通してないとチンプンカンプンだこれ。 手記から真相が明かされますが感嘆するばかり、★は9つ!! ▼以下、ネタバレ感想 |
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屋上から飛び降りたバスケ部員の消失―― バスケ部を舞台にした青春ミステリ、正直何を満たすと青春ミステリなのかよく分かっていませんが本作は部活内のいざこざ、キャラクターの成長を以て青春らしさを演出します。 私にとってミステリー小説は読書の一環に過ぎず、趣味の域を出ることはなきに、畢竟どれだけ私を驚かせるか、楽しませるか、そのいずれでもない神秘な感情をもたらさすかに帰着している。 そこには十戒も二十則も介入せず、理知的なロジックや現実的なトリックも必然ではなく、青春や社会派といったジャンルも関係ないのです。 ここ最近の私の狭い読書歴には良作は多きものの突き抜けるような作品は無かった。 本作はそんな飢えを満たすには十分すぎる衝撃を与えてくれた傑作でありました。 言ってしまえば読んだ時期による評価の算定が大きいのですが、数多あるミステリー作品を読んでいって新鮮味が欠けてくるのは必定。 新鮮な吃驚を届けてくれればそれでいいのです、私にとってのミステリーは。★は9つ!! ▼以下、ネタバレ感想 |
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