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りーり さんのレビュー一覧
りーりさんのページへレビュー数36件
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知らない部屋で目覚めた。 正確には僕が昨日眠りについた部屋だったが装飾が変わっていた。鏡に映る自分の姿は明らかに女で僕は昨日までは男だったはずだ。玄関の新聞の日付は昨日から5年後を示している。「篠井有一」は5年後の部屋の住人に意識が移っていた。 すごい設定だろう?朝起きたら性別が変わっていて、タイムスリップもしていたんだ。それでいて場所は変わってない。意識だけが未来の同じ部屋の住人へ飛んでしまったとしか思えない状態だ。この非現実的なSFをどうミステリーとして論理的に帰着させるのかがこの作品の見所であろう。 終盤の種明かしは複雑を超えて「僕を殺した女」に関する論文のようだ。今作品の出来事は一言で語るにはあまりにも多くの魂胆が入り組みすぎている。とどのつまりたった一行で全てが解決する本が好みならそっちを読んでいたほうが幸せだろう。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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津和野でのバスツアーで起きた火災、被害者の一人が暴行を受けて病院にて墜落死した。被害者のベッドと体内からは二種類の血液型が見つかる。犯人のパターンはたったの数種類か?真実に近づこうとしたときまた一人容疑者が殺された!! 下北に続く殺人者シリーズの第二弾です。津和野のバスツアーを発端に陸中海岸や広島にまで飛ぶちょっとしたトラベルミステリーのような趣があります。この時代の作品、無駄に地名を推してきますよね。あんまり津和野は関係なかったかな。 容疑者の一人である男の姉が主人公として探偵役なのですが、超素人一般人です。というか十津川警部がいたら一瞬で解決したと思う。それぐらい底の浅い事件であった。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ハヤカワ文庫から出てる小林泰三の短編ですね。レーベル通りSF寄りの作品が多めです。 後に失われた過去と未来の犯罪 や 記憶破断者になるような記憶の扱いが見られファンには嬉しい作品かもしれない。ミステリーとしては、重力が無いのが普遍的な未来の世界で実は重力のある地球が舞台でしたという叙述トリックを成立させたい文学少女の話が面白い。彼女らにとっては血が吹き出たら球体になるし、ジャンプをしたら落ちてくることは無いのだ。 |
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ミステリ作家の西野冴子は旧友の亜美からタケルという恋人を紹介されるがどうも好きになれない。彼の過去の周りに見え隠れする殺人の影、そして冴子は自身に向けられた何者かの計画を自覚し始める。Mの女の意味とは一体・・・。 タケルという軽薄な男、その背後にチラつく白石唯という女、ノンフィクション作家・泉堂莉奈、そしてミステリー作家・西野冴子、誰が何のために仕掛けた計画なのか?Mの女の「M」とは何を意味するのか?破綻ギリギリの物語はこれでは完結せず。 |
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動画であげられた間取りの謎に後日談として新たな謎を取り込んだ解決編。会話形式でテンポよく進み、図解付きで分かりやすい間取りは謎解き小説としては小気味よいがホラーとしての側面は文章化に伴って失われてしまったな。怪しさという点は動画に大きく劣る。映画化に期待。 |
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旅人は巡る。 崩壊した世界で目の当たりにする小さなコミュニティ、そこでは新たな文明・規律がまた始まろうとしている。 6つの町を巡り最期の町で彼女が告げる人類の犯したタブーと繁栄への希望。 旅人の正体とは一体・・・。
気軽に読もうと思って手に取ったら凄く哲学的な作品だった。人類が一度崩壊した世界で既存の文明は一度リセットされている。各地を巡る旅人はそれぞれの町で独自のコミュニティに触れていく。旅人は表紙の女の子で物凄く淡白で口数も少ない。頽廃した世界も相俟って作品の印象は白だとか灰とか感じられる。派手だったり艶だったり彩りのようなものが作品の世界観からも文体からも除かれている。 しかし最期の町で彼女が見た光景、伝えたかった事、それだけが未来に繋がる光のような色を持っているように思える。 |
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貫井徳郎氏の短編集八編。特にコンセプトは無さそうですが、貫井さんらしい男女問わない巧みな心理描写とそこから導かれる裏の真相が楽しい。一編一編は短く非常に読みやすいライトな構成、どんでん返しの謳い文句はやや過剰か。 |
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炭鉱での殺人事件から幾年、物理波矢多は灯台守になっていた。海上の安全を守る要として、気の抜けない僻地での仕事に就くことで国への貢献を果たそうとする。新たな赴任先へ向かう途中の海岸で白いもやのようなものを見るが、案内の水先人は口をつぐむ。20年前の言い伝えに込められた灯台守の真相は・・・?
物理波矢多シリーズの2作目。前作で炭鉱夫の道を諦めた物理、勉学の末に新たに就いた職は灯台守でした。海沿いという僻地かつ拘束時間の長い仕事として奥方に嫌がられるような一方で海運の安全を守る誇り高い仕事でもありました。前回が炭鉱の蘊蓄で飾られたのと同様に今作は灯台の歴史に触れていく。そして海にちらつく白い影の謎、その正体は20年前のある灯台守の伝承にまで遡っていく。ミステリーというよりかはオカルト要素の強い物語でしたね。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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設計段階で終わってしまった幻の蒸気機関車。それを現代に再現し、実際に中央本線で走らせる。 玩具会社コハダトーイが仕掛ける一大計画。「虎鉄」と名付けられた列車は世間の注目を浴び出発地である東甲府駅を発進した!!しかしその裏では或る者の遠大の計画も同時に始まろうとしていた・・・。 ユーモアを超えてギャグ、そしてギャグを超えてバカになってしまったミステリー。霞さんのバカミスは最後まで行くとバカなのに道中は割と凄惨に殺人事件や社会情勢を描く。そして今回はその真面目に書き上げた描写というのが裏で進められていた大仕掛けに大きく作用してくる。たまにこういう変なのが欲しくなるのよ。 |
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とある会社の温泉親睦会の最中、ある女性社員が転落死する。どうやら会社内のある噂話に起因しての死らしいが・・・。会社内の自称探偵・深水が調査に立ち上がった!! 徳間文庫から改題、復刊された「秘書室の殺意」を読んでの感想です。今まで天啓とか模倣とか抽象的な言葉で改題されてきたのに今回はなぜか秘書室をそのまま採用してます。思いつかなかったのかな。 内容はすごく地味、舞台、動機、トリック、どれをとっても会社内の一部署のお話に収まっている。 |
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宝石強盗を終え山道を走る一台の車。土砂崩れに会い車は大破、メンバー六人のうちの一人が命を落としてしまう。近くの民家で急場を凌ごうとするがそこに住む住人は殺人を厭わない頭のおかしい連中たち。宝石の在り処と脱出方法を模索していくうちに宝石強盗たちは奇妙な違和感を覚える。 「俺たちは五人だった。今は、六人いる」 宝石強盗のうちに紛れた六人怪異の正体を探るという非常にそそられる内容。とは裏腹に読者側から怪異が誰かを論理的に推理することは出来ないと思われる。全体的に見るとホラーにかなり振られた作品で粗筋を読んで推理小説を期待するとかなり損。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「突然のメッセージで驚かれたことと思います。」 Facebookで綴られる完全往復書簡体小説。 まぁ地の文が無い本自体は珍しくないですし、どうせならもっとネット上のやり取りを感じさせるような書き方にすればよかったのにと思う。 なんか手紙でのやり取りと遜色ない。 まぁ二時間弱で読めるような内容ですし、気になるならとりあえず読んでみてよということで。 |
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見出し通り吸血鬼VSサーカス団の攻防を描いた作品。 舞台は同作者のネフィリムと同じである。 とにかく捻りなく超人的な能力を持った吸血鬼とそれぞれアクロバティックな特技を持ったサーカス団員とのガチンコ対決が繰り広げられる。 想像以上に闘っているのでアクション8割、ホラー2割といった感じ。 そこに小林氏らしい裏切りと邪悪な結末が乗るのですがまぁファンでもない限り今作は厳しいかも。 |
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不可思議な現象の起こる街、ピアノコンサートが行われる動物園。 犯人はどんなトリックで犯行を行ったのか? 超絶技巧の殺し方! 芸術探偵シリーズの第五弾。 ハウダニットに傾倒した技巧派ミステリになっている。 世界で一つだけとタイトルにあるようにそのトリックは中々奇天烈、衒学と蘊蓄に耐えられるなら読む価値あり。 |
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「アリバイ崩し承ります」 新人刑事が偶然訪れた美谷時計店の張り紙。 美人店主から語られる7つのアリバイの真相。 刑事が持ち込んだアリバイ特化事件を時計店店主が解いていく安楽椅子系の短編集。 アリバイ崩しだけでなく、アリバイ探しやアリバイを作るようなお話もあって飽きさせない構成にはなっているが二人だけの登場人物はほぼほぼ掘り下げも無くその点の魅力は非常に薄い。 短編小説にはその話だけで登場人物含め全てが完結する作品と本作の様に一部のキャラが引き継がれていくものの二つに分けられるが、せっかく設定あるキャラを出すのなら話によって違った一面を観れるような作りにして欲しかった。 |
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綾辻氏の短編集。 かなり捻ってあって賛否両論必至。 一話ずつ合間合間に読んでくならいいんじゃない? |
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