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メタボラ
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メタボラの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全78件 21~40 2/4ページ
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最初、読みにくく感じたのは独特の方言?でしたがロードムーヴィー小説としても、沖縄を知っている人知らない人もイメージ出来る小説で、読み出したら止まりません。 深刻な内容も登場しますが、このような説明抜きの恋する気持ちが通じる人には良い恋愛小説でしょう | ||||
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ちゃらんぽらんな生き方をするジェイクが言うセリフに、しばしば、どきっとするような真実が見えて私にはそれが魅力の一つでした。 なんとか塾、イズム、ゲストハウス。ナイチャーの吹き溜まりのような面もある沖縄のサブカルチャー。 嘘っぽさがなく、いちいちbelievableで面白かったです。 | ||||
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厳しい家庭環境の中、前向きに生きることの難しさを痛感させられた。 雄太には心底同情してしまう。 | ||||
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本が思う以上に早く着いたうえに綺麗な状態できて大変満足でした | ||||
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「すっげー!」 の一言。10年以上沖縄に住んだ経験のあるナイチャーだが、ガープ川を引き合いに出すあたり、筆者の力量がハンパない。ジェイクの吐くセリフ、ひとつひとつがリアリティに富む。お見事。 確かに、作り物っぽい雰囲気があって選挙の話なんて沖縄の実情を反映しているのは言い難い面もある。 でも、すっげー!ここまで小説がなりきりを可能にするものなのか? OUT、柔らかな頬、ナニカアル、東京島…筆者の主立ったものは既読だが、これが一番すっげー! | ||||
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確かに現代社会の抱える問題を盛り込み過ぎの感覚はありましたが、面白く最後まで読み通せました。今でも心に残っています。 | ||||
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カバーも中身も綺麗で、しかも腰巻き付きで、新品かと思いました。満足です。 | ||||
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〈僕〉がジャングルで出会った、ワイルドでクールな宮古青年、17歳ぽっちのジェイクが、バカでバタでバカすぎて、最後に少し泣けた。 | ||||
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沖縄を舞台に、若者の孤独・孤立と共同体との両側面を描き出している。若者の共同体として描かれているのはルームシェア、シェアハウスやサークルであるが、その組織も一時的なものであり、若者たちのつながりが、いかに刹那的であるかを描き出している。そして、そうした描写は昨今みられる若者バッシングのような、偏見によって塗り固められているのではなく、格差や貧困と隣り合わせであるという点に、リアリティを見せているところに作者の感覚の鋭さを感じた。 また、沖縄経済は基地産業に依存していて、基地がなくなってしまえば自分自身の食い扶持を失うことにもつながる、と登場人物が語らせた場面が印象的であった。これは決して基地への賛同を示しているわけではなく、いかんともしがたい住民の葛藤と苦悩なのである。基地によって生活は抑圧を受ける、しかし基地が無くなってしまえば地域産業そのものが廃れてしまう。311以降の原発の問題にもつながる視座であり、小説を通じて重要な問題提起をしている。 | ||||
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記憶を失った男、施設から脱走してきた男、 二人の男が 女の世話になりながら、裏切り、旅に出る、、、 はじめ 沖縄の方言のせりふが、なまりがきつくて意味不明だった。 沖縄の現状がたとえ小説とはいえ、詳細に取材しているのがわかる。 ただ 記憶を失った男は、本当はもっと恐怖に怯えるのではないか? | ||||
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ゲストハウスに住み込む男、ホストになった男 それぞれの過去があきらかになる。 家庭崩壊、格差社会、失われた雇用、沖縄の基地問題、 今の日本の背景が絡み合い やがて二人をまた結びつける。 派遣労働、外国人労働、実態はもっとあくどいが取材は抜群 | ||||
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村上春樹もよくしてる二人語りで構成されてます。 記憶喪失の謎を知りたいのも有りましたが、ネクラは私はネクラなギンジの語りが楽しみでした。悲惨だけど・・。 女の子の事ばかり考えててアキンツみたいな人はどうも共感できない良く分からないってのが正直な気持ちでした。 でもラストでアキンツはギンジの友情を甚く感じたと思います。感涙ものです。 | ||||
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重量級小説。 毎回桐野節描写には激震を覚えます。 タフネスなテクスト。 イズム・・・読んでいて、多角世界が繰り広げられ、、、 outでもそうだったけど、ミクロ世界な、誤解を恐れずに言うなら、繊細な情景描写。 結末のリアリズム。 厳しい・・・この世は・・・ | ||||
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ミロシリーズにはじまって桐野夏生をたくさん読んだけど これが今までで読んだなかで最高傑作。 あこがれの元クラスメートに金を払い続けるアキンツ/ジェイクは 世の男の悲しみを代弁してくれるようなキャラクターだ。 小集団に君臨してるつもりでも 底の浅さがモロバレのコミューンの責任者たち。 そこに集まってくる運に見放された若者たち それでもみんなどこか嫌いにはなれない。そういうふうに書かれてる。 どうしようもなくて情けなくてそうなってることが伝わってくる。 主人公自身にもっとつっこんできてほしくなる・・・傍観者的でいるのではなく。 逃避するものなりの突破というか反逆がみたくなる。 しかしそれをしないからこの話なのでしょう。傑作です。 | ||||
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桐野夏生の作品は 本作と「グロテスク」「東京島」しか読んでいないので 確かなことは言えないのですが、 この人のテーマは、一貫して 「したたかに生きること」なのかと思う。サバイバル。 したたかに生きていくうえでの滑稽さ、醜さを描いて そのことがいつのまにか 人間(現代人)への畏怖と信頼にまで高められていく。 「デストロイ」「イエローランプ」の2章が 「グロテスク」における「和恵の手記」に相当するのだが みなさんが絶賛するように、鬼気迫るほど圧巻です。 桐野節炸裂です。 私は沖縄人なので、登場する沖縄の地名、地域は 日常的によく知っているのですが、 沖縄の土地勘と描写が驚くほど正確で驚きました。 著者はかなり長く滞在して取材したと思われました。 (事実はどうか知りませんが) cf.それにしても、桐野夏生にとって中国人とは何なのだろう? 私にとって1つの謎である。本人に聞いてみたい。 | ||||
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桐野夏生、 力強い物語を書かれています。 本書「メタボラ」は、 沖縄を舞台に、 記憶喪失の青年ギンジを主人公に、 最愛の友人ジェイク、「安楽ハウス」の人々等、 癖の強いそして我々の身の回りにいそうな登場人物が、 日常に絡めとられていく姿を描いていく。 ギンジの記憶が戻る辺りから、 一気に物語が動き出し、 ページをめくる手がとまりません。 ギンジの過去に対峙する恐れや苦悩がリアルに迫ります。 それは微かに再生の色を帯びており、 ポジティブに読めます。 ジェイクのどこかユーモラスな生き様は、 単純に気のいい悪党ということではなく、 若さの儚さも感じさせます。 爽やかです。 最後のギンジの選択が心に余韻を残す、 唐突と言っていい終わり方は、 心に悲しく迫ってきます。 現代社会の若者の疎外を描いた等、 解釈、深読みは色々可能です。 とは言え、 本書は青春小説として読むのが一番正しいはず。 ホントに面白い小説です。 | ||||
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桐野夏生の何がいいって、 この歳になっても若者の立場に立ってものを書いてくれるところです。 ふつう50を過ぎて、しかも社会的成功者ともなれば、大人・権力者側に立った発言が多くなるもの。 なのに若者の苦しい胸の内を、ここまで的確に代弁してくれるなんて…。 いや、訂正。 若者側に立ってというより、弱者側に立って、ということかも。 桐野さんが成功者になってもこれを続けていられるのは、桐野さんが女性だから、というのがあると思う。 主婦作家とか、女のくせに、みたいなことを昔さんざん言われてきて、辛酸をなめてきて。 女性は人口の半分もいるのに、この国ではマイノリティ、被差別者です(それは労働待遇を見れば明らかなこと)。 でもだからこそ、こういうものが書けるんだと思う。 | ||||
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冒頭いきなり記憶喪失になった主人公が現れる。彼は出会った男に名前をつけられる。彼の過去には何があったのか。解説の評論家の方が書かれてあることがたぶん正論でしょうけど、もう少し一点だけ。 この『メタボラ』という小説は、確かに男性性社会が崩壊していく過程で、アイデンティティーにもがく男性的なポジションと、そのような社会的自我の確立を放棄したところで生きている女性的な人間との邂逅がドラマになったものといえると思います。ただ解体の側面だけじゃなく、桐野さんはこの作品でもうひとつの軸をはっきり描いていると思います。 この小説には主人公がふたり出てきます。記憶喪失になった最初の彼に、新しい「ギンジ」という名前をつけてくれるのは、もう片方の昭光という、一見チャランポランな男です。昭光は異性を喜ばせるという女性的な仕事―ホストクラブ―に従事するのですが、記憶を失い尊厳を失った「つまり父性を喪失した」この小説の中におけるギンジは、美しい沖縄の自然の土地で、まるで母親に名前をつけられた赤ん坊のように、行き着くというより、その女性的なるものに還って行くように見えます。 彼は新しい仲間たちとも出会います。この小説で大きく意味があるのは、男性性の女性化=大きな主体性の崩壊、と同時に、ローカルな意味合いで新たな主体性のリアリティーがまさしく描かれてあることだと僕には思えます。 失墜していく男性性を優しく受容する場所が沖縄であり、そこは行き場をなくした孤児たちが溢れていますが、それを一種のモラトリアムととるか、再生の場所ととるかは、読み方それぞれです。この作品がユニークなのは、女性性の現実側から社会を描くだけじゃなく、沖縄を帰還としての女性的リアリティー=歴史として捕らえたことでしょう。単に取材しただけで、こういう作品を描くことはできないはずで、読み終えたあとは震えがとにかく止まりませんでした。 この小説はかなり構造的に書かれてあるので、中盤辺りだれるかもしれませんが、最後まで読むと感動が得られるようになっています。小説は行き着くところまで崩壊の過程を描いていきます。そこは唯一本土決戦をした、基地がある楽園、沖縄です。 | ||||
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桐野夏生さんの「メタボラ」を読んだ。 初めから、異様な情景が展開され、何故自分がジャングルの中を逃げ回っているのかも分からない主人公が現れる。 自分が誰なのかも分からない主人公はこの先どうなってしまうのだろうかという不安に苛まれるが、やがて懐中電灯を持った男と出遭う。 その男もある所から逃げて来ていた。 やがて、二人は助け合いながら逃げて行くことになる。 二人の奇妙な逃走劇も面白い。 そして、二人は別々の道に分かれて逃走することになる。 主人公は記憶を思い出したいとも思うのだが、その記憶がとんでもないものだったらと思うと思い出したくない気もする。 やがて、記憶が少しずつ蘇り、自分が自殺未遂をしていたことを思い出す。 何故、25歳という若さで自殺しようと思うようになったのか、その事実が語られる時、それなら自殺しようと思うのも当たり前だと納得する。 そんな酷いことがあったら、誰でも平常心ではいられない。 両親が壊れ、家族が壊れ、自分が壊れていた。 桐野夏生さん得意の人格崩壊が語られていく。 あまりの酷さに、自分も気が滅入ってしまう展開だ。 しかし、主人公は記憶喪失によって得られた新しい人格のお蔭で、元の人格にも打ち勝つ全能感を持ち生きて行く。 結末は、また急展開して、気を揉まされた。 今回の小説も、期待通り大きな人格崩壊が起こったが、あまりの切なさに意気消沈してしまった。 やはり、人格崩壊した結果、新しい世界が開かれて、力強く生きて行くというプラスの展開が僕は好きだ。 この話は、あまりに悲しかった。 しかし、夢中になって一気に読了した。 やはり、桐野夏生さんは凄い。 | ||||
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二人のニートの若者の物語です。 二人の視点で交互に描かれており、その楽観と絶望が交差するロード小説です。 この本で作者が書きたかったことの多くは、ギンジが記憶を取り戻した追想の部分でしょう。 そこのは、凄惨な家族崩壊と格差社会の厳しい現実が描かれており、読む者に激しい痛さを与えます。 その後の選挙の部分は、ややダレた感じがあるものの、それが逆に、ほっとするものを与えてくれます。 本の帯に「未来を奪われたすべての若者たちに捧げる」と言う言葉が書かれていますが、確かに、そうしたしすてむを作り上げてしまった社会の大きな批判なっています。 エンターテイメントとして、一気に読むことも可能ですが、それ以上にメッセージ性の強い力作です。 | ||||
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