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土の中の子供
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土の中の子供の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全86件 81~86 5/5ページ
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壮絶な虐待を受けて育った幼少時代。「早く大人になりなさい。そうすれば自分の力で生きていける」。施設でいわれたことを胸に、大人になった彼だが、やはり暴力は彼を苦しめる。ものを落下させるということに、自分の落ちていくさまを重ね合わせる描写、同居する女性へ向ける想い、とにかく、筆力のある作家であることは間違いないです。このあたりが芥川賞受賞のゆえんなのでしょう。ただ、いかんせん、重すぎます。読んでいて、苦しさが読み手にまでずっしりとのしかかり、いたたまれません。 | ||||
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「遮光」につづいて中村さんの本を読みました。独特の空気をもつちょっとくせのある作家さんのようですね。受ける人には受け、そうでない人にはただ暗いだけのお話だと思います。 この本は、中篇「土の中の子供」、短編「蜘蛛の声」の2作から構成されています。 まずは芥川賞を受賞した「土の中の子供」ですが、過去の出来事でとらわれ、何かを探しもともる男の姿が、彼独自の虚無感の空気の中描かれています。「遮光」と違いラストにほんのりと希望が見えているのが印象的でした。 しかし2作目の「蜘蛛の声」。よく言えば現代風純文学なんですが、狂気の表現としてみると、やや難解ないまひとつ読み手に何を伝えたいのか良くわからない作品みたいです。正直、私には理解できませんでしたが、彼の作風の空気は間違いなくありました。読後ちょっと疲れましたけどね(笑)。 まずは芥川賞受賞おめでとうございますという感じです。次回作、出来たら今度は長編を読んでみたい作家さんですね。 | ||||
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この人は、なんか芥川賞っぽい(選考委員に好かれそうな)作品を書いていたので、いつか受賞するだろうとは思ってたけど、今回ので受賞か・・・って印象。細かな描写等、文章はなかなか。けれど、主人公と同棲する女性にリアリティや必然性を感じないし、テーマもアダルトチルドレンの再生と凡庸か、と。暴力というテーマに溺れて主人公の内面を描ききれていない。 | ||||
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しんとした悲しみが底流をなす小説だった。悲しさを悲しいと表現できない。自分が生きていていいと思えない主人公が、暴力からいつまでも開放されない様が、淡々とつづられていく。 頭では、自分が悪かったのではないと分かっているのに、ままならない。そうだろうなあ。今更会いたいという、彼を捨てた父を、私も許せない。会うこと自体が、許しの一種なのだろうから。 子どもへの虐待は、ありきたりになるが、深刻だ。そしてまた今、虐待のやんだあとの心的外傷後ストレス障害について、ここに小説の形で問題提起されたのだ。 彼に世界を取り戻す日は来るのだろうか。小説を読み、同居の女性と心の交流が生まれかけている終盤は、少し希望が見える気がする。 | ||||
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幼い頃両親に棄てられ、養子に引き取られた親戚からは虐待を受けたあげく山中に生き埋めにされた。私は、そのトラウマのため自分の存在に確信を持てず、絶えず自虐的な精神状態に陥っていた。破滅に向かうことが自分の存在証明でもあった。すくなくともそう思っていた。しかし、私が生きてゆくためには、このおぞましい人生を最初からやりなおす事だった。その機会はタクシー強盗によって偶然もたらされた。その方法とは……。 | ||||
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非常に「巧い」作家であると感じた。暴力的な部分が取り立たされることが多いが、内容はむしろ、志賀直哉の『城崎にて』や、大江健三郎の『死者の奢り』に近いように感じた。作品はとても静かで、独特な匂いがする。これから先、どんな作品を書いていくのか、楽しみな作家だと思う。 | ||||
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