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土の中の子供
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土の中の子供の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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この小説はよくも悪くも正統派の純文学です。 著者は新潮新人賞出身だから読んでいてそういう傾向が反映されていると思います。 文藝賞出身の小説家はこういう小説を書く印象がないです。 ただ読んでいて芥川賞に受賞する小説だとは思ったんですがちょっと暗すぎだなーって思いました。 日本の純文学って暗すぎる小説が多すぎないかって思う。 この小説は著者のデビュー作みたいに端正な暗さを基調とした小説ではなかったので。 | ||||
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陰鬱な感じである、雨の日に読みたくない 好みが別れそうだ 主人公の迷いと苦しみにはあまり救いが無く余裕もない、ユーモアは救いがあれば・・・最後まで救われない 暗さの緻密さというか文体は確かな物であるが、ともするとドキュメンタリタッチにも見えてしまう | ||||
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面白いかと言われると暗いし複雑で私には難しかったかな | ||||
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中村文則さんの本です。 「蜘蛛の声」「土の中の子供」という二編の短編がおさめられています。 「土の中の子供」は、虐待されて育った主人公と、同じような境遇で育った女の話でしたね。 ドロドロした感じです。 「蜘蛛の声」は、蜘蛛と対面していくうちに、だんだんと心理的に崩壊していくというか、そういう話です。 二つとも、どこか壊れた心の人間を描いているのですが、 なんといいますか、狂気っつーか、社会に対する憎悪がよく描かれているように感じました。 | ||||
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嘘だろうが本当だろうがドン引きしてしまうと云う話 オレの話に注目!と云われて振り返る程自分は暇人ではない サラリーマンはキャリアのスタート地点を選べないが自由業である作家ならばスキルを十分磨いてから世に出て頂きたいものだ こういう話には寓意が必要だ 表題作にはカフカ的な処理が必要だし 付帯作は箱男という作品を前に既に存在意味を失っている 評価できるのは筆力だけ 成功と共に此の作家は田山花袋的恥さらしを喰らっている | ||||
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『土の中の子供』は、 土の中から始まる話として読みたかった。 そして土に返る話として読み終えたかった。 荒唐無稽気味に畳み掛けられる各シーン、破綻寸前のコミュニケーション。 描写力に優れた上質なコント集(オムニバスな笑寸劇)として(無理がありましたが)、 楽しんでしまいました。作家はもっと笑わせてくれてもいいのかも知れません。 しかし、昨今の新人(男性)作家の作品における破綻性はどうなのかと、、。一読にしては、 そう思わせもするのですが、正直云ってこの頃に優等生ぶりを極めてゆく女性作家のそれよりも、 現在状況の正鵠を射抜く可能性は、ずっと高いのかも知れないとも思う次第です。 遅れてゆく時計よりも止まった時計の方がその正刻をより指し示すように、どちらかを 取れと云うのなら、男性作家のそれを取りたい気分にさせられました。 もしこれが私小説的なものであれば(凄過ぎるけれども)、こんな雰囲気で可笑しい(太宰)し、 いいとは思うのですが、より好い創作性とはやはり、より好く読み手を楽しませる為のものだろうと 思うのです。無論のことそれは深刻な程に、、なのですが。 | ||||
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虐待の描写や手を差し伸べてくれた施設の人間のキャラクターが ちょっと紋切り型。メタファも何もない、虐待は直接的でデリケートな設定なので、 もう少し丁寧に扱って欲しかったところ。現代的な鋭い感覚があった銃や遮光に 比べるとちょっと垢抜けない様子。 まぁとはいえ、幼少の頃の虐待に正面から向き合うなんて、 こんな古典的な純文学を突き詰めるくらいだ 相当な思い入れがあるのだろうし、純文学に殉じる覚悟があるのだろう。 上から下へ、物を落下させる表現や土に埋もれる描写は重く濃密 であったし、深層心理を突くような光る文章も見られた。 経験を積めば、きっともっと羽ばたける作家だと思う。 次代の純文学の担い手として頑張ってもらいたい。 スポットライトに照らされずとも、純文学を書き続けて欲しい。 エンタメじゃ描けない、深い心の闇を描いていって欲しい | ||||
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純文学にありがちな大江健三郎風の古風な観念小説、それ以上でも以下でもないという印象を受けた。さすがに芥川賞を受賞しただけあって、こんな読者に媚びない書き方をしているのに最後まで読ませる力量には感服するが、今さらこれを読むということに価値を余り見出だせなかった。それはやはり作者の気取りが鼻につくからだろう。この道の大家である阿部和重に遠く及ばないのはそこにある。この作者、余り女を知らないのだろう(子供を死産して不感症になったという女のエピソードにそれが窺える)。阿部がそんな男の歪んだ欲望を晒すことで、文学としての迫力を得ているのと好対象だ。大江の「セブンティーン」などをよく読んで、もっと自己の深いなにかをさらけださなければ、いつまで経っても童貞文学青年くらいしか付いてこないよ、そう作者に声を大にして言いたい。 | ||||
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本書には05年芥川賞受賞作の「土の中の子供」とともに、もう一編「蜘蛛の糸」という短編も収録されている。 前者は暴力、後者は回避という異なった焦点で描かれるが、どちらも主人公の抑鬱、葛藤を通して、最終的にある種の克服に至る過程が描かれる。 外面(状況)も繊細に描写しつつ、内面(心の動き、精神の流れ)へのアプローチに成功しており、中盤から読了までは目が離せなかった。 ただ、扱うテーマ故に受け入れられるかは個々人の思想、嗜好によるところが少なくないように思う。 | ||||
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表題となっている「土の中の子供」と短編「蜘蛛の声」の2話が収録されている。 どちらの作品も不遇な幼少期を過ごした男性が主人公であり、成長の過程で、 あるいは大人になった現在も、当時の記憶が色濃くその後の人生を多い尽くしている様が 悲しく、暗い。 「蜘蛛の声」は、多い尽くされ混沌としている男の姿が描かれ、「土の中の子供」は 同じであるものの、虐待後に引き取られた施設長との出会いのおかげで、かろうじて均衡を 保ち、人生の光を失っていない点に、大きな違いがあると思う。 人との出会い、頼れる者の存在、そして、自分が頼られる存在になることの大切さを見た、 というのは安易な感想だろうか。 | ||||
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今更ですがやっと読みました。というか、一昨年に本を買い、最初の方は読んだのですがあんまり暗いので途中で読むのをやめてしまっていました。ですが、最近落ち込み気味でなんとなくまた手にとってみたら、一気読みできました。なんというか救われるといいますか。落ち込んだときは暗い音楽を聞くというのと同じように、ちょっとだけ暗い気持ちのときに読めばいいと思います。ただ普通の時は駄目です。私は。 | ||||
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PTSD、トラウマ。。。扱うのが難しい問題だけど、あえて挑戦している。 でも人ってそんなに単純かな???って、疑問を持つ場面が多かった。例えば、白湯子の不感症の原因とか。。。 トラウマとかってそんな人の行動に直結するのかなぁ。。。もっと歪んだ感じででてくるもののような気がします個人的な意見ですが。 あとそういう人の持つコミュニケーションの複雑さとか書かなくてよいのかな?と感じました。 あとコレ、負のオーラがめちゃめちゃ強い。 作品自体のエネルギーが強いことは良いことだけど、とりあえず良くも悪くもマイナスパワー。 エネルギー強のに読見終えた後、なんか爽快感みたいなものがない作品です。 これは読み終わったあと、どぅ〜〜んってなります。 弱ってるときに読むと、その一日は何も出来ません。 それだけエネルギーはある作品なんだと思います。 | ||||
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幼児の虐待体験が所所と点描されるが、もっと掘り下げて書いた方がいいのではないだろうか?と、思いました。 周囲の「暴力」恐怖を言いながら、社会性《他者》との関係性が見えてこなかった。幼児体験を口実に生きている卑屈な人間に、主人公が見えてしまうのではないだろうか? | ||||
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全体の印象は、「悪くはない」。 幼児虐待のトラウマというテーマは、最近ありきたりで少々食傷気味ですが、その中ではましな部類に入れられると思います。 トラウマが専門なので、厳しいことを言わせていただければもうちょっと勉強してほしいな、と思います。 読んでいるうちに「こんなもんじゃないでしょう」と思った部分がいくつもありました。 あと、物語に引き込まれるとはいかなかったかな。 とりあえず話題作だし、専門分野とかぶるから読んでおこう…で最後まで読んだので。 もう少し心理描写が細かいと同じ流れでも面白かったかもしれないのですが。 まだ27歳ということでこれからに期待します。 | ||||
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就職活動中に何か読みますかなって感じで読んだ。内容は、主人公が私刑されるところから始まり、主人公が子供の頃、虐待をされていたなどの回想に話が流れていくいく。この話のタイトルである話の原点〝土の中”での主人公の思想の場面よりも、話の前半の方の主人公の死への思いや行動の方が印象に残った。同棲している女性、白湯子とのやり取りも少し不可解である。ラストもしっくりこなかったしまぁ、主人公の持つ世界観が澄み切った澱み風味だったので(よく解らんが3つ星で。 | ||||
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養父達によって土の中に埋められ死ぬ思いまでの虐待を受けた主人公なのですが、虐待のトラウマが~と書いている割に、のらりくらりと生と死両極端を選ぶことなく意外と普通の生活をしているところが不思議です。しかも、主人公と同棲中の彼女もまた、過去、生きて産まれてくるはずだった赤ん坊が死産であったことから自暴自棄な生活を送っていますが、ただの不感症程度というのも、男性の脳内で生み出された女性の不幸でしかないと思います。女性がそういった精神的な傷を受けたとき、依存している存在の人間に肌を触れられるのでさえ、叫び声を上げたくなるほど悪寒を感じるものだと私は思います。主人公の生きるための無意識の克服は、その精神状態が非常に良く書かれていたと思います。作者同年代にて応援したいところなので、作を重ねより一層の重厚なる作品を期待しております。 | ||||
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やや難しいです。論理詰めで難しいと言うよりは、言葉で言い表せない内容を必死に言葉で言い表そうとしている難しさがありました。文学らしいと言えばらしいのですが、あまりにそのことに粉骨砕身していて、面白さを削ってしまっているところがあるように思えました。主人公が過去の経験から持つトラウマ的(トラウマでは軽すぎる、もっと深いことを作者は書いているんだ、と言う人もいますが)な暴力描写、暗鬱な心理描写、被害描写があまりに長々と書かれているため、途中で気持ちがへこんできました。終りの方になると、主人公の心理は急速にプラスの方向に収斂して行くのですが、その心理のプラス描写が、それまでのマイナス描写と比べてあまりに少ないため、結局いい読後感を得ることはできませんでした。蛇足ですが、現代の多くの作家の例に漏れず、この小説も村上春樹の影響を受けているように感じました。とは言え、「まあこのくらいの影響なら現代作家が受けても当然だろう」とは思えるレベルだったのですが、例の『あるいは~かもしれない』の『あるいは』の使い方のおかしさ、また、『汚い食堂に入り汚い食器に盛られた汚いチャーハンを食べた』などという表現は、残念ながら少し目についてしまいました。次回作がせめてもう少し明るい、そしてよりオリジナリティ溢れる作品であることを期待します。 | ||||
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幼い頃両親に棄てられ、養子に引き取られた親戚からは虐待を受けたあげく山中に生き埋めにされた。私は、そのトラウマのため自分の存在に確信を持てず、絶えず自虐的な精神状態に陥っていた。破滅に向かうことが自分の存在証明でもあった。すくなくともそう思っていた。しかし、私が生きてゆくためには、このおぞましい人生を最初からやりなおす事だった。その機会はタクシー強盗によって偶然もたらされた。その方法とは……。 | ||||
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非常に「巧い」作家であると感じた。暴力的な部分が取り立たされることが多いが、内容はむしろ、志賀直哉の『城崎にて』や、大江健三郎の『死者の奢り』に近いように感じた。作品はとても静かで、独特な匂いがする。これから先、どんな作品を書いていくのか、楽しみな作家だと思う。 | ||||
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