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土の中の子供



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【この小説が収録されている参考書籍】
土の中の子供
土の中の子供 (新潮文庫)

土の中の子供の評価: 3.45/5点 レビュー 86件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.45pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全86件 41~60 3/5ページ
No.46:
(3pt)

評価できるのは筆力だけ

嘘だろうが本当だろうがドン引きしてしまうと云う話
オレの話に注目!と云われて振り返る程自分は暇人ではない
サラリーマンはキャリアのスタート地点を選べないが自由業である作家ならばスキルを十分磨いてから世に出て頂きたいものだ
こういう話には寓意が必要だ
表題作にはカフカ的な処理が必要だし
付帯作は箱男という作品を前に既に存在意味を失っている
評価できるのは筆力だけ
成功と共に此の作家は田山花袋的恥さらしを喰らっている
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No.45:
(4pt)

トラウマ克服の物語として読まなくても

筋としては、虐待をうけた人間がトラウマを克服していく物語ではある。しかし、その読み方ではつまらない。読むべきは違うところにあると感じた。
暴力に自らを晒す衝動がトラウマ克服の手立てであるとは主人公は気づいていない。しかし気づいているなにものかが存在している。主人公の表の意識はその存在を妨げない。意識は死への危険を承知している。それでも、意識外の何物かが命じることに従う。自我やアイデンティティのあずかり知らぬことだ。彼の認識は「私は無機質な世界の一部」ととらえ、「死んだとしても、大したことではない」と言わせる。しかし彼は「無機質」ではない。彼は、有機物であり、生命であり、身体である。彼の身体は彼の認識を超える。そのかすかであるが絶対的な呼び声に彼は従わされる。死をかけた試み(ただし意識的な試みではない)は成功し、彼は救われる。それでいい。その彼が暴力を恐れながら自ら暴力を希求する内部の存在に乗っ取られる有様はとても読みごたえがある。人間は自らを動かすものを知らないのだ。それは人間の唯一の味方なのに。「自分に自分が合わさっていく」感覚を覚えた彼は、世界が驚くほど優しいことに気づく。この小説はそれだけを書いている。他の登場人物の描き方が紋切型なのはどうでもよい、とまでは言えないので、星ひとつ引いて4つとしました。
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No.44:
(4pt)

「孤独」という問題に向き合った本

主人公が屋上からタバコを落とし、その吸い殻の行方をじっとみつめるシーンが印象的。
この作品は、人間の生まれ持った孤独という普遍的な問題を描いているように感じました。
主人公が土の中から最後には顔を出して生きようとする場面で、希望がみえてきました。
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No.43:
(2pt)

リアリティなし

そういう仕事をしていますが、虐待(と、それに伴う予後)があまりにステレオタイプであるように感じました。

なにゆえ、虐待というテーマをとりあげようと思ったのか。
自分にとって虐待というモチーフはなんなのか。

そういった、作者自身のテーマを深めていく方がいい気がします。

また、女性にまつわる描写(白湯子という名前も含め)がとても薄く感じました。
登場人物=作者、ではないと思いますが、実体験の乏しい作者が観念の中だけで膨らませたイメージで書いたのでは…と感じてしまいます。

のどごしの良い、だけど味がよくわからないものを食べたような印象です。
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No.42:
(1pt)

受賞作必ずしも面白からず

こんな作品が何で受賞作なのか。駄作と言わざるをえません。皆さまにお勧め出来ません。
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No.41:
(3pt)

描写の優れたコント

『土の中の子供』は、
土の中から始まる話として読みたかった。
そして土に返る話として読み終えたかった。

荒唐無稽気味に畳み掛けられる各シーン、破綻寸前のコミュニケーション。
描写力に優れた上質なコント集(オムニバスな笑寸劇)として(無理がありましたが)、
楽しんでしまいました。作家はもっと笑わせてくれてもいいのかも知れません。

しかし、昨今の新人(男性)作家の作品における破綻性はどうなのかと、、。一読にしては、
そう思わせもするのですが、正直云ってこの頃に優等生ぶりを極めてゆく女性作家のそれよりも、
現在状況の正鵠を射抜く可能性は、ずっと高いのかも知れないとも思う次第です。
遅れてゆく時計よりも止まった時計の方がその正刻をより指し示すように、どちらかを
取れと云うのなら、男性作家のそれを取りたい気分にさせられました。

もしこれが私小説的なものであれば(凄過ぎるけれども)、こんな雰囲気で可笑しい(太宰)し、
いいとは思うのですが、より好い創作性とはやはり、より好く読み手を楽しませる為のものだろうと
思うのです。無論のことそれは深刻な程に、、なのですが。
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No.40:
(4pt)

感情を揺さぶる作品

暴力、自虐、憂鬱、疲労、絶望、暗闇…。冒頭から延々と続く陰鬱な静けさとその繰り返しに、気持ちは重くやや退屈な印象も持ちましたが、暴力的な支配による忌むべき運命や存在に対し叫び声を挙げる8章は、激しく感情が揺すぶられる名場面で、物語は大きく動き出します。同時収録の「蜘蛛の声」もキリリとした名著です。
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No.39:
(4pt)

暗い。 徹底的に暗い

面白いんですが。

二作品入っていて、両方とも面白いです。
特に表題作は、子供の頃のトラウマを非常にうまく描けていると思います。
そう言う意味では芥川賞らしい芥川賞。
時事ネタ、と言うことになるんでしょうけど、面白いと思います。
作者が伝えたいことは、ある程度理解できた気がします。

ただ、暗い。
徹底的に暗い。

なんて言うのかなぁ、申し訳ないけど僕にはこう言う経験はないし、こう言う経験をする気もさせる気もないです。
だからなんて言うのかなぁ・・・・・

もうこの人の小説はいいかなぁ、と思います。
読んでて疲れる。

内容星五つ。印象星一つ。
でも星は四つにします。
いい小説だと思います。
もう読まないけど(爆)。
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No.38:
(4pt)

勇気をもらえる作品

本書は芥川賞受賞作品の「土の中の子供」と「蜘蛛の声」の2作品を収録している

土の中の子供は親族に虐待されその後に施設に預けられタクシー運転手で生計をたてる主人公・・・

その主人公は不感症で生きることをあきらめた彼女と同棲をしている

主人公が最終的に前に進みだそうとする過程を物語にしている・・・

最後にはなんとなく生きることへ勇気が貰えそうな

そんな作品です
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No.37:
(4pt)

深い沈黙

終始重たい雰囲気が立ち込める、暗闇にのしかかられているような気分になる小説でした。描写の行い方、ストーリーの展開、これらは非常に一貫しており、終わり方もそれに即したものだったと思います。「銃」と同様、強い一貫性を感じました。

 しかし、モチーフ(虐待の過去)に対して、内容が乏しいように感じてしまいました。きっと、それは作者自身も自覚していることなのでしょうか?
 本文には似たような言い回しが何度も使われており、読んでいる最中に「なんだろう、この繰り返しは?もしかしたら、作者はモチーフを完全に表現することをわざと放棄しているのではないか?」そんな気にすらなりました。

 そして、読み終えた後には、モチーフの表現を諦めた向こうにある「深い沈黙」のようなものを感じました。

「あのような体験をしたものは、全てを明確に人に伝わる形では語らないし、それに取り組む者(作者)もまた、その全てを語ることはない。だから、内容が薄いだの軽いだの言う筋合いはない。」
 そんな、沈黙の奥にある作者の声のようなものを感じました。
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No.36:
(3pt)

これからに期待

虐待の描写や手を差し伸べてくれた施設の人間のキャラクターが
ちょっと紋切り型。メタファも何もない、虐待は直接的でデリケートな設定なので、
もう少し丁寧に扱って欲しかったところ。現代的な鋭い感覚があった銃や遮光に
比べるとちょっと垢抜けない様子。

まぁとはいえ、幼少の頃の虐待に正面から向き合うなんて、
こんな古典的な純文学を突き詰めるくらいだ
相当な思い入れがあるのだろうし、純文学に殉じる覚悟があるのだろう。
上から下へ、物を落下させる表現や土に埋もれる描写は重く濃密
であったし、深層心理を突くような光る文章も見られた。
経験を積めば、きっともっと羽ばたける作家だと思う。

次代の純文学の担い手として頑張ってもらいたい。
スポットライトに照らされずとも、純文学を書き続けて欲しい。
エンタメじゃ描けない、深い心の闇を描いていって欲しい
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No.35:
(1pt)

もし私小説でないとするならば零点ですね。

誂えた臭いがしました。私小説であるならば、作者の筆力及ばずと云ったところ。どっちにしても駄目です。
阿部和重にしてもそうなのですが、なにか行間から作者の人間性の悪さを感じるのです。
悪いなら悪いになりきってしまえばよいのに、そこに何か自己弁護が入っているようなところがあるのが鼻につきます。
物語として厭な気分なのではなく、作家の人間性をみて僕は嫌な気分がしました。
何かのメタファとして本主人公を使ったならば失礼に過ぎると申し上げておきます。
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No.34:
(4pt)

ありきたりのトラウマ話しとはちょっと違う

虐待の過去を持つタクシードライバーの「私」が、自己破壊衝動のような喧嘩沙汰をおこすところから物語は始まる。所々フラッシュバックするかのように、過去の幻影が挿入されるので、心的外傷を抱えた不幸な男のありきたりなドラマの展開を予想した。窓の外から缶コーヒを落として、その潰れる様に自己を同化するあたりの陰々滅々とした暗い欲求。外とのつながりをできるだけ排除し、心の傷から愛の行為を不毛にしてしまう女性 白湯子とのみ寄り添うような生活。作者の筆力が高いだけに、正直、ゲンナリしてしまう。

「私」がヤマネさんに借金を求めようとしたときに起こる白日夢は印象的だ。庇護を受けようとすることが罪であるかのような強い負の意識を感じさせる。

本作品は凡百のトラウマ話しと違うことは読み進めていくうちに分かってくる。「私」がタクシー強盗に命を奪われる寸前の脱出行。真の死に向き合ったとき、「私」は再生の手掛かりをつかんでいくのだ。27年の「私」の人生で、自身を滅するごとき行動は、過去を乗り越えるための通過儀礼として存在していたのだろう。

本書のラスト、「私」を虐待し、捨てていった親との再会を拒絶した「僕は、土の中から生まれたんですよ」という言葉を、私は、自身の過去を自身で清算したことの決意表明と受けとめた。

解せないのは、白湯子との関係かな。庇護を受けることの罪を心の内に抱えているのであれば、はたして、人を庇護しようとするだろうか。彼女とのふれ合いが、「私」の再生のための一助となっているのであれば、このあたりを掘り下げて欲しかった。
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No.33:
(3pt)

典型的な観念小説

純文学にありがちな大江健三郎風の古風な観念小説、それ以上でも以下でもないという印象を受けた。さすがに芥川賞を受賞しただけあって、こんな読者に媚びない書き方をしているのに最後まで読ませる力量には感服するが、今さらこれを読むということに価値を余り見出だせなかった。それはやはり作者の気取りが鼻につくからだろう。この道の大家である阿部和重に遠く及ばないのはそこにある。この作者、余り女を知らないのだろう(子供を死産して不感症になったという女のエピソードにそれが窺える)。阿部がそんな男の歪んだ欲望を晒すことで、文学としての迫力を得ているのと好対象だ。大江の「セブンティーン」などをよく読んで、もっと自己の深いなにかをさらけださなければ、いつまで経っても童貞文学青年くらいしか付いてこないよ、そう作者に声を大にして言いたい。
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No.32:
(5pt)

パウル・クレーの絵の中の魚のように

「土の中の子供」(中村文則)読了。ここで語られている主人公の魂の叫びを私は共有することができなかった。私にとってそれは想像力の埒外にあってまるでパウル・クレーの絵の中の魚のように強烈な寓話性の中にしか存在し得ない「何か」である。(自分でも何を言っているのか判らないが。)(笑)
むしろ私は併録の「蜘蛛の声」に共振してしまった。自分を取り囲む日常から抜け出して身を潜めているときの安らかな感覚が妙にリアルに肌に馴染むんだな。大丈夫か?俺。
とは言いつつも、私の貧弱な想像力はさておき、表題作の「土の中の子供」が持つ力強さは否定できないのである。

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No.31:
(5pt)

文章が美しく、洗練されている。表現力は秀逸!

ものすごい表現力。土の中に生き埋めされるとき、めちゃくちゃに殴られるとき、虐待されるとき、ガードレールに自ら車で衝突するとき。
 こんな作家見たことない。いや読んだことない。しかも文章が読みやすくて心地よい。芥川賞作家の中でもセンスを感じる。好きになってしまいそうだ、この作家の表現力。
 扱ってるテーマはユニーク。こんなシーン、題材における、こんな被害者側の精神的なサディステックなまでのマゾヒズム的境地心地をリアルに上手く、そして沁みるようにストレートに表現した作家が今までにいただろうか?
 テクニックではなく、なにか天性のセンスを感じた。
 ここに、一緒に収められてる作品「蜘蛛の声」も、短いが、その世界はキュートですばらしい。
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No.30:
(5pt)

ぎりぎり生きてる主人公に強い「生」を感じる

以前、大病をしたことがあるが、人生観が変わるなんてことは別になかった。しかし気がついたらそれまで思わなかったことを時折思うようになった。
それは「”生きる”って死ぬまでは生きることなんだなぁ...」ということ。何アホ言ってるのか?と思うだろうが、正直そう思ったのである。
偏差値世代の自分はどこかで人生には目標が必要であり、その目標達成のためにあると思っていたのだろう。しかしニンゲンは別に何かを為すために生まれて来た訳でなく、
生まれたからには死ぬまでは生きてるし、生きたいと思うものだなぁ、と改めて感じたわけである。
この小説をを読んでそんなことを思い出した。
主人公は決して前向きな生きる意欲をもってる訳じゃないし、精神状態はかなり危ない感じである。
でもぎりぎりに「生きてる」だけに「生」をより強く感じるのだ。
とはいえ「生きる勇気」をもらいたいと考えてる人には決して本書をお勧めはしない。
これは芥川賞作品だというが、常々、「名物にうまいものなし」「芥川賞におもろいモンなし」と思っていたが、これは今まで読んだ芥川賞の中で1番印象に残る。
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No.29:
(5pt)

暗がりの中に一筋の希望

確かに暗いのは否めない。
他の人のレビューにもあるように、ヒロインの性癖や主人公の自分で自分を追い込む
思考は単純かもしれません。
ただこの作家の持つ、とことん掘り下げた表現には感嘆しました。
とにかく惹きこまれる。ぐいぐいと読み手を魅了する文章はお見事!!
暴力の中にある倫理を見せ付けられた。こんないい作品はなかなかない。
探そうとしても、滅多にお目にかかれない。
読み終わった後にも、翌日にも胸に残る感動が気持ちいいです。
ずっと手もとに置いておきたい1冊です。
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No.28:
(3pt)

長けた精神描写

本書には05年芥川賞受賞作の「土の中の子供」とともに、もう一編「蜘蛛の糸」という短編も収録されている。
前者は暴力、後者は回避という異なった焦点で描かれるが、どちらも主人公の抑鬱、葛藤を通して、最終的にある種の克服に至る過程が描かれる。
外面(状況)も繊細に描写しつつ、内面(心の動き、精神の流れ)へのアプローチに成功しており、中盤から読了までは目が離せなかった。
ただ、扱うテーマ故に受け入れられるかは個々人の思想、嗜好によるところが少なくないように思う。
土の中の子供 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:土の中の子供 (新潮文庫)より
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No.27:
(2pt)

なんだかなあ…

純文学がダメだダメだといわれて久しいが、なんでダメになってくのか
その原因がよくわかったような気がします。
この作品が芥川賞でしょう?
いったい何十年前の作品ですかって感じじゃないですか。
もういい加減やめようよ、こういういかにもブンガク風ブンガク。
こういうの書かないと賞もらえないんじゃないかとか、
こういうんじゃないとブンガクって思ってもらえないんじゃないかって
勘違いして後追いするヒトがたくさん出てきて、それでますます純文学がダメになっていく。
その縮小再生産の様子を見る思いがした。
この小説を読んで。
土の中の子供 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:土の中の子供 (新潮文庫)より
4101289522

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