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土の中の子供
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土の中の子供の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全86件 21~40 2/5ページ
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以前一度読み始めて挫折した作品であるが、著者の他の作品を数点読んた後、本作品を改めて読んだら非常に胸を打たれた。 主人公は27歳のタクシードライバー。 幼少期の壮絶な虐待を抱えた記憶とともに、生きることとの健全な距離を見失っており、絶望の中にも生への核心を探る生き方をしている。 全体として暗く哀しい内容であるが、いくつか未来への希望を見出すような場面もあり、弱者が絶対的な力の中でも一縷の光を見失わずに生きていく姿が胸を打った。 中村さんの作品は生き難さを抱えた社会的マイノリティーに焦点が当てられることが多いように思うが本作品も例外ではない。 一体この天才作者は心にどんな困難を抱えて生きているのだろうと思う。 | ||||
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主人公の一人称視点で書かれた小説。生まれた境遇が特殊すぎて共感が出来ない。伏線の張り方と回収はまあまあ。心理描写もまあまあ。最後に少し希望が見えるくらいで終始暗い話で読んでいて面白くはありません。 | ||||
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施設で育ち、暴力の中で、育った青年が、やや自暴自棄になりながらも、生き続けている姿を描いた作品です。タクシードライバーとして生活する中で、強盗に遭遇した恐ろしい体験や、踏みつけにされた、土の中のような描写が、個性的です。芥川受賞作品ですが、特殊な共感しにくい描写が多いかなと思いました。 | ||||
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この方の心情の描き方がすきです。 この本を読んだ後、他の本も購入しました。 どれも人の心の奥を鮮明に描いた素晴らしい話です。 | ||||
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こういうの昔から日本では評価されているけど、 この作品に至っては文章力がなさすぎる、 生命力もなく「小説らしく」するために頑張った感じ。 辻仁成、宮本輝、この二人も悪しき日本文学感ぷんぷんだけど、文章で中村文則さんより楽しませてくれるからたまに読む。同系統。 | ||||
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芥川賞受賞?ウソ!全然、、、いや、やめておこう。内証的な散文です。 | ||||
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虐待児、元虐待児の心情としてリアルじゃないという意見。これは虐待のドキュメントじゃないわけですよ。虐待児の主人公を通して我々が抱える心持ちのあぁいった側面を丸ごと塊として取り出してるんですよ。自分事だから、と。虐待児に寄り添ってるんじゃなく我々に寄り添ってると見た方が面白く読めるとは思います。だって虐待された経験はないとしてもあの鬱屈した心情は身に覚えあるんじゃないですか? | ||||
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申し訳ないですがつまらない本でした。一時間程度で読めてしまい、よくある内容だなという感想です。なんとなく図書館でチョイスしたのですが失敗でした。後で知りましたが賞を得ていたとは驚きです。 | ||||
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主人公が苦しむ描写を見ると、もしかしたら作者は本当に苦しみ、悩み、真に葛藤し、死にたいと感じたことがないのではないかと思えてしまう。 薄いんです。とにかく薄い。そのくせ長々と描き、意図的に『純文学』を感じさせようとしている節がある。 | ||||
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死ぬことも生きることも出来ないタクシー運転手。子供の時に、虐待を受けて自分の存在自体が希薄であり、恐怖の中に自分の居場所を求めている。ものを落とすが好きで、その落下の間に、生と死の間にある瞬間。それ自体が慰めであった。生き方自体が、その落下の瞬間にあるままである。その落下を求めて、最終的には死にも至らない生活。究極は、その落下の最終過程まで行くことでやっと「泣くこと」が出来た。落下の間にある不安と恐怖、また、その後に控える愉悦。自分の存在が不安定になると、こんな精神状態になるのだろうか。大切にされなかったことにより、自分の存在が不安定になっている主人公に、ある意味、共感できた。サルトルの「嘔吐」に近い、存在自体の不安定を感じた。 | ||||
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・「土の中の子供」:これ以上ないと言ってもいいような過酷な人生の中を、かすかな希望と静かな力で生き抜いている主人公の姿。そこには確かな救いがある。 ・「蜘蛛の声」:隠遁生活へのあこがれを実現できたすぐその先から、それを危うくする自分自身の属性を揺さぶる薄ぼんやりとする記憶。これに脅かされ、主人公は、主人公の確からしさを自ら証明することを強いられるようになる。自明性が危うくされることの不気味さ、怖ろしさがそこにはある。 | ||||
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芥川賞取った本のわりに読みやすく久しぶりにやめれなく AM2時まで読んでしまった。この本を購入するには、夫が新聞に中村文則さんの 教団Xを買ってほしいと、宗教じゃあるまいし、と思いましたが、全国の書店さんの読んだ声が 載っている、凄いことなんだと、中村さんがどんな本を出しているか検索して題名の土の中の子供 題名に惹かれて買ったのですが、最近本を買っても途中で読むのが止まってしまいますが、 中々魅かれて夢中に読んでしまいました。 | ||||
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掏摸が素晴らしかったので読んだ作品。掏摸よりはエンターテイメント性が薄れ、ゲイジュツに近づいている。 しかし、闇の底の弱者からの視点、という点では同じように思えた。 | ||||
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他人から見ても"絶望"と呼べる状況にわざと身を置き、その恐怖を底まで体験することに何の意義があるのか? 幼少の体験:生後すぐ親から捨てられ、転々と居候先を替えた主人公。最後に預けられた親戚宅では殴る蹴るの暴行を毎日受け続け、最後は死に至る寸前にまで虐待され、山中に埋められた。親のいない、土の中の子供。 施設生活、登校、生きる意味を見いだせない毎日。それが、恐怖を求め続ける人格を育んだ。 後半、命の危機に遭うことにより、求めていたものは恐怖ではなく、その先の「あるもの」であることが主人公によって自覚される。この辺の描写は見事だ。 個人的には、物語の中盤、初めて自分の意志で積み重ねてきたある行為が、外力によって崩れ落ちる場面が印象に残った。 | ||||
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人の心の内面を描こうというそういう意図が見えすぎていて、狙っている感じがしてしまって、しらけてしまう。 そんな感じを受けるのは私ばかりでしょうか? | ||||
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「掏摸」で中村文則作品と出会い、「何もかも憂鬱な夜に」で救われてから、少しずつ彼の作品を読んでいる。 彼の作品には、他の作品にはない吸引力がある。 「面白い」と思ったり、「素晴らしい」と思ったりする小説はたくさんあるが、「救われる」と思える小説は数少ない。 中村文則作品は、その数少ない救いの小説で、私に生きる力を与えてくれる。 何作品か読んでいくうちに、「そういえば彼は芥川賞を受賞していたんだ」と思い出し、一度受賞作も読んでみようと思い、この作品を手に取った。 「銃」や「遮光」の初期作品の流れの先にあるこの作品は、やはり似たような重い空気に包まれている。 幼少に育ての親から(もしかしたら生みの親からも)暴力を受けて育った主人公は、生きることに精力的ではない。 あえて誰かに殴られたり、転落死しようとしてビルの上から身を乗り出したりして、自分ではどうすることもできない圧倒的な力に身を曝し、 その中で何かが生まれることを期待している。 でも、いったい何を期待しているのかわからない。 ただ、もう無為に生きることに嫌気がさしている。 この息苦しいような毎日の描写には、何か胸に迫るものがある。 この生きづらさの描写は、けっこう私には生々しいものだった。 中村さんのあとがきを読んでいると、彼にとって「小説」は生きる糧なのだと感じる。 そして生きる術でもある。 自分の人生をすべてかけて、小説を書いていこうという想いが伝わってくる。 だからこそ、何かこちらに訴えてくるような強いメッセージ性を感じるのだろう。 この「土の中の子供」にも、強いメッセージ性がある。 読んでて、息詰まるような緊迫感がある。 なぜ自分は生きなければならないのか、なぜ自分は世界から痛みを与えられなければならないのか、 どうすれば生きることに光を見出せるのか、その答えを得ようと必死で模索している。 その問いに終わりはない。 暴力の中で、かけられるべき愛情をかけられない中で、それでも生きる意味はなんなのか、 この主人公は自分の力でなんとか見出そうとしている。 最後に、主人公は死の瀬戸際へとダイブする。 そこから生還した主人公は何かを見出す。 中村作品が見出す希望は、いつも淡い灯火ほどの光だ。 それでも暗闇が深いぶん、その灯火の温度はとても暖かい。 この作品が芥川賞をとったのは、この灯火の暖かさを選考委員の方々が感じとったからかもしれない。 この文庫には、短編「蜘蛛の声」も併録されている。 短編には、また違った味わいがあるが、こちらにも何か生きていることへの切迫感がある。 存在するということへの不安。 世界とバランスを保つことの難しさ。 実存への疑念、そんなものが感じ取られる。 「土の中の子供」でも主人公は幻聴を聴くことになるが、おそらくどちらも自分の奥底から聞こえてきた声であり、 自分という存在への不安から助長されたものなのだろう。 | ||||
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考えさせられるテーマを含んだ小説である。 人間の存在とは何か。自分(人間)は何処から来て、何処へ行こうとしているのか。 裸で生を受けた人間はどのように生きていけばいいのか。 何故、他者に頼らざるを得ないのか。人間の実存を問うた作品である。 現在、タクシー運転手をしている主人公の私は、実父母を知らず、養父母から施設に移され 成長してきた。アルコール中毒者に近い、白湯子という同棲者がいる。 幼児期に受けた「土の中に埋められる」という暴行。暴走族から半殺しの目に合う暴行。 タクシー強盗から受けた暴行。 「落ちていく」という意識。階上から缶、小生物、タバコ等々を落下させることによる不安、後悔と快楽。 自分までが落下(飛降り自殺)寸前までいく行為。 暴行を受けたり、落下していく「死」への恐怖や不安のなかでしか「実存」を感じられない自分。 かたや、白湯子と月の光に感動しながらする会話に「生」の安らぎ、癒しを感じる「実存」 両極端な「生」を感じる世界を行き来しながら、恐怖や不安を克服し、『死に至る病』から強い意志で 生還していく姿を意識の流れとして描いている。 「落下」していく描写が多数あるが、夏目漱石の『夢十夜』第七話の意識に通じる。自分の出生が実存の 不安になっている原因として、同じく漱石作品にある「父母未生以前面目如何」に重なる。 また、嘔吐の意識が繰り返しあるが、サルトルの『嘔吐』、『実存主義とは何か』を彷彿させる。 いろいろなテーマが織込まれ、人間とは何か、即興で芝居をせざるを得ない人生、自分で決めて いかなければならない生き方等 じっくり読む価値のある内容である。 | ||||
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つい最近、「何もかも憂鬱な夜に」「銃」と読んで、中村文則さんの大ファンになり、こちらを読みました。本当にすごい作家です。たしかに内容は「暗い」のかもしれません。それゆえに、苦手な人もいると思いますが、私はこの描写力はその「暗さ」を「暗さ」のまま表したのではなく、菩薩的なまなざしでその「暗さ」の中にうごめく音を何一つとりこぼさずに観ながら書いたような文章で、読んでいて、哀しみとも慈愛ともつかない深い感情をゆさぶられました。物語の終わりが最高です。「死」を待ち望む者の中で姿なくくすぶっていた圧倒的な生への希求の力が爆発します。この世界の肯定です。読んでいる人の中で闇が昇華され、癒される物語でもあります。素晴らしい小説であり、小説の素晴らしさを教えてくれました。芥川賞受賞作だと知らなくても、大好きになったと思います。書店で買い込んできた中村さんの小説を、これから楽しみに読みます。私よりも若い方のようなので、きっとこれからもずっと読めると思うと、とても嬉しいです。 | ||||
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銃よりは読みやすかった。あいかわらず主人公は離人症っぽく過去をひきずるところがあるがそれでもなんとか生きていることが書けていたと思う。最後は少し希望のある終わりからをしていたのもよかったと思う。 | ||||
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不思議な題名で、興味を持ち、読んで行くうちに引き込まれる 内容でした。 | ||||
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