■スポンサードリンク
犯人に告ぐ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
犯人に告ぐの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.02pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全176件 101~120 6/9ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
期待していた以上に面白かった。 主人公・巻島警視と犯人との駆け引きが物語の多くを占めるもの、と思っていたのが良い意味で裏切られました。 「劇場型犯罪vs劇場型捜査」が進行する裏で展開される巻島警視の孤立無援の戦い。 テレビ局と世論、味方であるはずの捜査本部を相手にまで駆け引きを迫られていく過程は、物語全体の緊迫感を小気味良く高めていく。 また、他のレビュアーの方も例に挙げていた宮部みゆきの『模倣犯』では、被害者や当該事件の犯人の目線でも多くが語られ、そのことが読み進める上でかなりのストレスになっていた(当然それが面白さでもあった)というのが個人的な感想なのだけれど、本作ではそういったものを出来るだけ省き(例えば、巻島の家族への嫌がらせなどが詳細に語られたらかなり気が滅入ると思う)、あくまで巻島が挑む情報戦・心理戦をメインにしている印象。 それが「児童連続殺人」というテーマの負荷をいい意味で軽減し、読み進めやすさ・テンポの良さに直結させた点が、私からの評価☆5の最たる理由です。 この上巻では、単なる「優秀かつ個性的な捜査官」ではなく、単に「失敗をカテに強くなった」わけでもない巻島警視の人物設定と、それを生んだ6年前の事件がページ数の大半を使って描かれます。 否が応でも掻き立てられる巻島の「その後」への興味。 彼が左遷先から呼び戻される理由とその経緯にストーリーが至る頃には、すぐにでも「下巻」を買わずにいられなくなっているはず。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昔担当した誘拐事件の失態により、干された刑事ヤングマンこと巻島が主人公。 髪が長く、とても刑事には見えない男であり、 警察組織に対しても、こびへつらうことなく自分の思う捜査を貫く姿勢がかっこいい。 家族を愛し、大切にしている姿に、どんどん共感がわいてくる。 ニュース番組で繰り広げられる「劇場型捜査」の展開は、 本当におもしろく、ぐいぐい読めてしまう。 出世と自分の恋愛ばかりを気にしているエリート刑事の動向が、 すごく気になる・・・。 さっそく、下巻へいきます! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
連続殺人事件の小説の常道として、次から次へと殺人が発生し読者の興味を引き付けるパターンが多いが、本作品はその点に関して異色と言える。劇場型捜査の展開の面白さ、巻島刑事の警察内部での闘い等、大変面白く一気に読ませてもらった。ひとつ残念なのは、犯人に関する描写が少なかった。劇場型捜査に対する犯人の心理なども書いていただければより面白かったと思う。それで星ひとつ落として4です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
犯罪をテーマにした作品はたくさんあると思います。 数少ない足跡を、地道に追いかける刑事と犯人の攻防。 それは、サスペンスとしてのテーマですが、 本作品は、更に見えない犯人への恐怖と追い詰める側の こころのうごき。 そして、被害者の意識と傍観者の意識。 同じ警察仲間の意識。 それぞれの立場と意識を、しっかり書き込んで いるところに 作品の重厚感が感じられるように思います。 結末も単に犯罪の解決に重きを置くのではなく、 犯罪の影にある各個々人の 人間が描かれていて とても面白かった。 更に特徴ある配役を配置していて、 いかにも映画にできそうな一品に思えました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
単行本が刊行されたのが2004年の7月、もう3年も前のことらしい。 文庫化もされ、映画化も決まり、売れに売れているらしい本作品。 いまさらながら、一気に読ませて頂いた。 以前に氏の著作『火の粉』を読んだ時点で、ストーリーテリングの 上手な作家さんだなあという印象があり、この作品でもその上手さが なお一層際立っていた。 文句なく星5つ、いや、星6つにさせて頂きたい。面白すぎる。 「劇場型犯罪には劇場型捜査を」 主人公である捜査官巻島と、姿の見えない犯人=自称「デッドマン」。 単なる二人の対決を描いただけではなく、つまるところ、 巻島 vs 上司の植草課長、vs 曾根本部長、vs 画面の向こうの視聴者、 vs 6年前の因縁。 巻島を中心としたそんな対決軸が、ときにゆっくりと、 ときに急流のごとく展開されていく。 そして「脇役」と簡単に表現してしまうには惜しい魅力的な 登場人物の面々。 巻島の家族も然り、忠実な部下である本田や津田長、 引きのいい「チョンボ」こと小川かつお。 彼らが、この決して短くはない物語を存分に演出してくれる。 久しぶりに、読み終えた瞬間にもう一度読み返したくなる 本に出会った。ここ数年で一番の傑作。 トヨエツが主役を張るらしい映画も是非見てみたい。 このレビューを読んでいる貴方に告ぐ。必読。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
雫井さん最高!期待どうりだ! 読んでいるうちにどんどん引き込まれていく。 文章が上手い。 巻島がかっこいい。主人公の巻島はある誘拐事件のマスコミ対応に失敗し 左遷される。数年後、風貌を変えて帰ってくる。そして、メディアを利用 し世間の注目を浴び、数ある批判に負けず事件を解決にみちびく。 家族や上司とのリアルな部分と、劇場型捜査という非現実的な部分がうまく 書かれており、ミステリー小説としてはかなりレベルの高いものだと思う。 ぜひ読んでほしい。 あと、こんなミステリーを書く雫井さんの『クローズド・ノート』には 興味津々だ!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とても面白い作品です。 映画化するのには内容的にはかなりいいかも。 ただ2時間程で収まる内容ではないので映画がどうなるかは楽しみです。 主人公巻島はトヨエツでは格好良すぎかな。 小説はのめり込んでいけておススメです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
トヨエツを主人公に映画化されている作品である。手がかりをなかなか残さない犯人に対し、捜査の責任者に抜擢されたアウトローな刑事である主人公が劇場型捜査に乗り出すというストーリー。連日のようにテレビに登場し、犯人を挑発しながら犯人からのメッセージを待つ。ガセネタも多く寄せられる中から真犯人のものをあぶり出そうとしたものの、なかなかうまく進まない。劇場型捜査に対する警察内の反発も徐々に高まっていく。読者が犯人を推理し得ないという意味でこれは推理小説ではなく、むしろ主人公を中心とする人間関係とその利害計算に基づく行動の描写に重きを置いているのだが、どうしても登場人物が多すぎるために個々の人間関係の描写が薄くなってしまっているのが残念。それにしても、映画化に際してトヨエツを主人公に据えたのはなかなかのはまり役である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリー好きですがこれはかなり面白い。 映画の主人公は豊川悦司だということだが、最初のヤングマンこと巻島はちょっとイメージが違うかなぁと思ったが、「ワシ」事件後に再登場する巻島はイメージにぴったりだと思った。 映画化も納得の一冊。オススメです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画化が決定して本屋に山積みになってたのを見て買ってしまった… ミーハーなことこの上ない購入状況でしたが、買ったこと自体に後悔はありません。 警察の内情もドロドロかつ巧妙にさっぱりと描いてあり、 むしろ嫉妬や反感みたいな人間的な部分が中心にされてる気がする。 う〜ん…一気読み!上下あわせて一日寝られなかった。 泣くような作品ではないですが、 後味もいいし、反権力的な香りに感動もできるでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
推理物やサスペンス小説では犯人をどのようにして絞り込むかが命だと思う。 その点、最後まで読者を引っ張っていきながら、最後の犯人の特定が余りにも安易でリアリティに欠けるストリーで落胆。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
誘拐事件を追う刑事を扱ったエンターテイメントとしての小説の面白さは圧倒的です。しかし、それ以上に感じてしまうのは、ここでは警察機構のヒエラルキーの問題ですが、現代社会のどこにでもありそうな責任の押し付けです。主人公の巻島は、二度の誘拐事件についてその責任を押し付けられます。その上司たちは、上手く行かなければ安全な位置に、上手く行けばトンビが油アゲを攫うような、そんな位置に立っています。それだけに、読んでいて巻島にどんどん感情移入してしまいます。もちろん、そこには作者の卓越した人物描写があります。 マスコミを使った犯人への呼びかけという非常手段に打って出てからも、彼の苦闘は続きます。様々なバッシングの嵐の中、決然と彼は戦いを挑みます。成算のない戦いです。上司から押し付けられた役割の中で、自分の信念を貫き通そうとします。誰がなんと言おうと、その立場を変えない主人公に喝采を送りたくなります。 ラストの決着はやや安易ということが言えなくもないですが、これだけの長編を一気に読ませ、読者を満足させられるのは、作者の力以外何ものでもないでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「クローズド・ノート」といい、一気に映画化されたこの作品。書店での扱いもどこでも平積みで、久方ぶりに上下巻買っちゃいましたよ。文庫本の上下巻は外してしまったときが怖いのでなかなか買わないのですが。 いやぁ、一気に読み切ってしまいました。豊川悦司の帯写真を見ているととてもそんな雰囲気には見えませんし、実際に読んでいても読むスピードがあがるようには思えないんですが、メディアを利用して犯人に語りかけるという実際にはあり得ない「劇場型捜査」にグッと引っ張られるように読み進めました。 主人公である巻島警視の過去の失敗も実に人間的で共感をおぼえますし、それぞれの登場人物も味がある……辛い味も甘い味も含めて味わい深くて、最近ではスマッシュヒットでしたね。 とは言え、犯人に迫るくだりや「震えて眠れ」の台詞はちょっとだけ物足りなさを感じたのですが、それも味。最後まで失速しないで読み終えた満足感の方が大きいです。 あー楽しかった。こういう小説を読むと読書してて良かったなぁと思ってしまいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
冷静沈着で警察組織に根を張る一方、普通の良き親父である巻島。 少年の命がかかった息詰まる捜査と平行して描かれる、 上層部の対面補強、同業者への根回し、捜査への憤り、不吉な予感。 巻島がマスコミに翻弄され理性を失っていくくだりは一気読みです。 どことなく掴めなかった巻島がタクトを振るう劇場型捜査の行方は・・・。 豊川悦司の帯につられて買っちゃいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2004年に数々の賞を受賞した小説の文庫版。男児連続殺害事件に「劇場型捜査」で犯人に挑もうとする警察。その責任を預けられたのは、6年前の誘拐事件で男児死亡、犯人を取り逃がすという最悪の結果を招き、記者会見でも失態を演じた巻島警視だった。 著者の小説を初めて読んだがおもしろかった。テンポよく歯切れのいい文章が臨場感を生んでいる。ある種の軽さ、ご都合主義は感じるが、それすら物語にブレーキをかけないための美点と映る。連続殺害事件・・・宮部みゆき氏が書けばもっと重たく長いものになるだろうし、警察内部の軋轢・・・高村薫氏が書けばもっとややこしくなるだろう(お二人を否定しているわけではありません。念のため)。巻島に焦点を絞り、他はつっこみすぎずに程ほどのところで物語を運び、一気にページを繰らせるこんな小説もいいと思った。 かといってスピード感や臨場感だけでひっぱっているわけではない。巻島の心理面も書き込まれていて読ませる。巻島が信頼を寄せる津田長との場面などぐっとくるセリフも多し。それにしても津田長、ほれぼれする。 著者には読者に嫌われない要素、読者を味方につける何かが備わっているのじゃなかろうか。誘拐事件をあまり軽くさばさばと書かれても困るのだが、「警察にとって幼児誘拐はさしずめ社運をかけたビッグプロジェクト」といった趣旨の記述があっても、不快感を与えないようなところがある(もっともこうしたさばけた語りもおそらく意図的なもので、巻島の心情の変化を表す広義の伏線になっていると思うのだが)。なんというか、程がいいのだなと感じる。ミステリーになじみのない人にもおすすめだと思う。 上巻の後半はいよいよ「劇場型捜査」が本格始動し、下巻に向けて期待感が高まる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
雫井氏の作品ははじめて。 映画化、単行本化などでザワツキはじめ、読んでみたのですが、読みやすく展開も速く、1日半で読みきりました。 さっくりとした書き方なので、クライマックスをもっと表現してほしかったけど、最近読んだ小説ではベスト! とよえつさんえをイメージして読みましたが、はまり役ではないでしょうか。映画も期待。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
簡潔な文章でテンポ良く書かれているため、一気に読んでしまいました。書店の販促VTR(映画のスポットでしょうか)に弾かれて購入しましたが、本書のスピード感は確かに映画向きかもしれません。 過去の失敗を抱えつつ大胆な公開捜査を展開するベテラン刑事と、捜査に私情をはさんでしまう若いエリートの対比が鮮やかでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
冒頭から一気に物語りに引き込まれる展開。 主人公の巻島の人間臭さが魅力的で、読み始めたら止める事が出来ない。 「上巻」は、謎が多く、下巻への期待が膨らむ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
そんな事、有り得ない!それが出来るのがミステリー^^、ですね。現役の捜査責任者が、特定の、TV番組に出演する。そして、カメラに向かい、犯人に語りかける?まるで、アニメの世界を彷彿させる、奇抜なアイデア。TVを観ている全ての人に、犯人(バッドマン)よ、表舞台に出てこいと、語りかける巻島警視。 最近増えている、「無差別殺人」・「児童連続殺人」など、「劇場型犯罪」と呼ばれる、マスコミに声明文を送る等、自己中心的で社会の注目を集めるために新聞社やTV局を利用した犯罪が増えて来ているが、未だに未解決の事件も有りますね・・。TVも事件が起きた、1週間位は、盛んに報道しますが、進展が無いと、次の事件・次の事故と移り変わる物。 痛ましい被害者(小さな子供)への、レクイエムの様な話しです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
神奈川県警の警視,巻島史彦は県警本部捜査一課の特殊犯係の管理官である。赴任2年目の7月幼児誘拐事件が発生した。警視庁との合同捜査の中犯人に引き回された挙げ句,目の前で犯人を見逃したばかりか,被害者の幼児も殺害される・・・ 物語は,上記の事件を責任から左遷された巻島が,その5年後に発生した連続幼児殺害事件の特別捜査官として県警本部でマスコミを使った劇場型捜査の陣頭指揮をとる話が本筋となる。最近読んだ本の中では群を抜いて面白い話であった。始めの誘拐事件の場面では昔読んだ小説を彷彿させる場面もあり既視感をもったが,その6年後に県警に再登場する巻島の描写の印象的な場面から,物語は急展開,マスコミを利用した捜査から,獅子身中の虫そして,6年前の誘拐事件との絡みと様々な要素を取り込み物語が進んでいく。やや中だるみする場面も感じられたが,読み終われば,それも後半の物語の一気の終末へ向けてのものであった。それぞれの登場人物も印象的であり,登場場面は少ないが津田長などは渋いキャラで特に印象的であった。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!