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ねじの回転



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ねじの回転の評価: 3.77/5点 レビュー 53件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.77pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全53件 21~40 2/3ページ
No.33:
(4pt)

謎だらけ(ネタバレあり)

怪奇小説の古典、ということで読了しました。

読み終えた感想を率直に言うと「よくわからない」です。
怖いかといえば、あまり怖くなく、では何もないのか
と聞かれれば、たくさんある、というような…

内容そのものは幽霊と、それをめぐる人間模様ですが、
途中から2人の子供と家庭教師の心理戦とでも呼ぶべき
ものになっています。

文体そのものが曖昧、かつまたヴィクトリア時代に
特有の「はっきり物を言わない」「言いにくいことは
碗曲に表現する」ことで、二重に分かりにくいです。
作者自身もそれを狙っている感があり、読み手によって
どうとでも取れる表現を意図的に差し込んでいます。

ぼく自身は幽霊は「いた」派ですが(2人の幽霊の容姿を
明快に述べている、出現パターンを読み切っていない、
2人の子供が幽霊の名前をはっきり知っている…等)、
これとて自信を持って言えるわけではありません。

それより謎なのは主人公の立場で、家庭教師という
地位でありながら、あそこまで家政を取り仕切れる
ものだろうか…?ということ。
またグロース夫人とは何者なのか?

ヴィクトリア朝での家庭教師の立場は微妙で、他の
使用人に比べれば高給取りで地位も上ですが、メイド
たちからは孤立し、当然男性陣とも疎遠。
また、いくら主人の肝いりだとしても、家政婦(ハウス
キーパー)やコックより立場が強いとも思えません。

そういう目で見ると、グロースがただのお人好しで
気の弱い女性だというのは変な感じがします。
小説では、家庭教師とグロース夫人、および2人の子供以外、
使用人その他は遠景といってよく、幽霊ですら背景の
ひとつと言っていいかもしれません。
その彼女たちのやり取りを読んでいると、どうもグロースは
家政婦あるいはナニー(乳母)らしいのですが、家政婦なら
一家庭教師に指図されるとも思われず。かといって乳母だと
したら、屋敷から子供を連れ出すという重大事を行うのに
家政婦から何も言われないというのはおかしい。
また、幽霊を見ているのか見ていないのか。見ていたなら、
彼女もかなりしたたかな女だということになります。

この小説の主題は「邪悪」だと思うのですが、もし子供たちが
邪悪であるなら、主人公がとった行動は正しかったのか、
正しいとするならラストの結末はそれを証明しているのか
(つまり亡霊の邪気に染まり切っていたためか)…

雇い主の男が頑として姪・甥に近づこうとしないのはなぜか
(ちなみにヴィクトリア朝の子育ては親ではなくメイドに
任されていたことを考えると、それほど突飛な行動では
ないかもしれない)。それとは逆に、あれほど頑なに沈黙の条件を
守ろうとした主人公の動機は何か(恋愛感情というのはちょっと
苦しい気が…)。

なにぶんあの時代の常識や知識をよく持ち合わせていないので、
どう解釈したらいいのか困惑することだらけでした。

ホラーとしては「?」だけれど、自分のおつむにネジを
グリグリ刺し込まれた、という点では題名どおりです。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041036
No.32:
(4pt)

ヴィクトリア朝文化の最期の耀き

・「ねじの回転 The Turn of the Screw」、この謎めいたフレーズは2回だけ登場する。まず冒頭で、「もし子供だということで、ねじを一ひねり回すくらいの効果があるなら…」(p5)とあり、末尾近くで、「しかし、ねじを回転させて、ひとひねりでも前へ進めるように、…」(p215)とある。「訳者あとがき」によれば、前者は「さらに一ひねりした効果」、後者は「もう一踏ん張り」というような意味だという。ようするに、「ねじりながら前進する」というイメージがあるようだが、特に本書の主要テーマとも思えず、なぜこのフレーズがタイトルとなったかは簡単には理解できない。

・本書は、田舎牧師の娘の「私」が書いた手記の体裁となっており、彼女は、古い館に住む美しい子ども、マイルズとフローラの兄妹の家庭教師として赴任し、そこで何度も幽霊を目撃することになるが、それは前任の家庭教師の女と館の下男の幽霊で、二人とも不可解な死を遂げていた。いまとなっては既視感のあるプロットだが、ラストに至ってもホラー的な要素は少なく、実際に幽霊たちが出現したのかどうかも曖昧模糊としている。しかし、この曖昧模糊とした印象を抜きにすると、本書の魅力の大半が失われてしまうだろう。

・主人公の「私」は、「子供を守らねばならない教師が、妖異、怪異を説いて脅かしたのでは言語道断です」(p123)という堅い信念を行動規範としており、貴族階級の出身ではないが、教養人らしい品位の保持に細心の注意を払っている。その彼女の品位を証明するのが、相手を傷つけないよう、婉曲な表現で語られる手記の「精妙にして複雑な」(「訳者あとがき」)文体だ。この厄介きわまりない婉曲な表現のせいで、読者は、「私」の真意がつかめず、霧の中をさまようように、ストーリーの意味を解釈させられることになる。

・(以下、ネタバレに注意)「訳者あとがき」で、本書は「いわゆるヴィクトリア朝時代の階級意識、道徳意識を基盤にした物語である」と解説されており、「私」の手記の婉曲な表現こそが、イギリスの爛熟期にあたるヴィクトリア朝の品位を端的に示している。そして、訳者あとがきによれば、幽霊は出現しておらず、すべては家庭教師の妄想にすぎないという評論家の見解が有名なのだそうだ。主人公の「私」の説明によれば、幽霊たちは、マイルズとフローラを「悪」に染めようとしている。この構図は、新約聖書のキリストが荒野で悪魔から誘惑される「荒野の誘惑」のエピソードを連想させる。しかし、幽霊たちの「悪」がどのようなものかは具体的には説明されない。本書は、ヴィクトリア朝末期の1898年に発表されているから、つまり、幽霊たちとは、「ねじの回転」、すなわち時代を転回させる新興階級の活力を意味し、「悪」とは、その民衆文化の新しさをイメージしているようなのだ。

・もともと、「私」は、マイルズとフローラに紳士・淑女にふさわしい教育を施すというミッションが与えられていた。その「私」は、最初、幽霊たちの出現に肝を冷やすが、なぜか少しも怖がっていない。これは見逃せないポイントだ。「私」は、幽霊たちの出現後、マイルズとフローラを「悪」から守るという新たなミッションを自らに課すが、「私」自身が幽霊たちと同じ新興階級の出身だったため、彼らとの対立点が見当たらないという論理的矛盾をはらんでいた。

・実際のところ、「私」が奮戦していた相手は、幽霊たちではなく、日々、成長していくマイルズとフローラだった。彼らの反抗的な態度は、貴族階級の文化に飽き足りなくなった転換期の風潮を代表している。そして、いつの間にか、「私」の視点は、家庭教師のそれではなく、新興階級の文化=「悪」に染まっていく子どもを手元に取り戻そうとする保守的な母親の視点にすり替わっていた。そうでないと、あの意外なラストの1行の意味は理解できないだろう。ヘンリー・ジェイムズは、本書で、「私」の視線を通して、ヴィクトリア朝文化の終幕を象徴的に描ききったように思える。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041036
No.31:
(4pt)

ミステリーのような怪奇小説

物語を最後まで読んで、なぜあの結末になったのかを考えた時に、いくつもの伏線を再度考え直した物語。訳者あとがきに、パズルのような物語と言っていたのがすごいうなずける。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041036
No.30:
(3pt)

よくわからない

この作品は『デイジー・ミラー』と並び日本でもっとも読まれているヘンリー・ジェイムズの作品であろう。というのも、文庫本で手に入るのは基本的にこの二作だからである。

 内容としては幽霊と言う超自然的なものを取扱っている。それが邸で努めている家政婦や家庭教師と関係しているものだ、結構入り組んだ人間関係がみられる。

 結局のところ私はこの作品が今いち飲み込めなかった。人間関係がやや複雑であるし、それを差し引いても結局幽霊の存在は何だったのか、マイルズは何故学校を退学させられたのか、最後何故マイルズは死んだのか、なんかよくわからなかった。それが魅力だというのならそうなのだろうが・・・・・。全体的によくわからないまま終わるのが魅力という点で芥川龍之介の『藪の中』と似ていると思う。それと心理小説として名作らしいが、私は特にそういう点での秀逸さを感じなかった。(というか言われるまで心理小説であることすら気づかなった)
 
 独創的といえば独創的な作品ではある。だが個人的には好きにはなれず、『デイジー・ミラー』の方に軍配が上がる。少なくとも再読の魅力は感じなかった。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041028
No.29:
(4pt)

想像させる小説

なかなか面白い結末でした。いろんな想像をかきたてる面白い小説でした。
ねじの回転デイジー・ミラー (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転デイジー・ミラー (岩波文庫)より
4003231392
No.28:
(5pt)

162頁から一気読みモードになりました。

「時代を遥かに越えた新しさ」(298頁、訳者解説)を有し「いまなお世界で最も広く愛読されている幽霊物語の一つ」(290頁、同)とされる1898年発表の作品。モダン・ホラーを思わせる展開と様々な解釈に開かれた物語の状況と登場人物たちの動静が、何と云うか非常に不気味で、ざら~とした後味が脳裏に漂曳する。ネタバレになるのでこれ以上は書けないが、実際にようやくこの歳になって初めて読んでみて、この時代にこれだけの心裡描写、オリジナルが持つある種の香気(霊気?)に溢れてもおり、確かに世界文学の名作と云えば名作だろうな、と納得させられた一作でした。

「子供に幽霊が出るという面白い話は、ぼくには、あれが初めてじゃないんです。もし、子供ということが、ねじの回転(ひねり)を一段と利かせているというのなら、ではふたりの子供では、どんなもんでしょう-?」「もちろん、それじゃ ・・・ ふた回転(ひねり)の効果になるぜ! ついでに一つ、その話を拝聴したいもんですな」(6頁)
「いま、わたしの恐ろしい試練はもちろん、不自然な、不愉快な方向に推し進められてはいるが、しかし結局、ただ一回転(ひねり)すればふつうの人間の美徳に変わるのだから、善い方の状態になるネジの一回転を、わたしはあくまで追求していくべきだ」(260頁)。
「ねえ、マイルズ、いつか嵐の晩に、わたしがあなたのお部屋に行ったとき、ベッドの上に坐って、あなたに言ったこと覚えていて? あなたのためなら、たとえどんな事でもするって言ったの」(269頁)
「わたしは彼を捕まえた。そうだ、しっかり抱きしめた-どんなにかはげしい情熱をこめて。でもしばらくするとわたしは、自分の抱きしめているものが、本当は何だったか判りはじめた。わたし達は、静かな真昼にただ二人きりだった。そして、悪霊を払いのけられた彼の可愛い心臓は、鼓動の音が止んでいた」(286頁)。
「彼が、ここに描かれた恐ろしいものが何であるか、その正体をハッキリ見分け、固定させないことに成功し、一方読者各自が、自分でその正体を確認せざるを得ないように書き上げたことに、芸術家としての誇りをもったのは当然であろう」(296頁、訳者解説)。

訳文は流れもよく概して読みやすかったが、所々日本語表現がおかしなところは散見されるように感じました。(例えば、280頁で、「退学されて」とは云わないだろうし、「追求」は「追及」であろう。)
なお、284頁で、マイルズが何故「ジェスル先生、ジェスル先生のことさ!」と叫んだのか、ここは意味深ではないかと思いつつ、読了しましたね。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041028
No.27:
(4pt)

ホラーの古典を堪能できる中短篇集

ヘンリー・ジェイムズの古典的怪奇小説5編を集めた中短篇集。
表題作は言わずと知れた古典的ゴースト・ストーリーで色々な所で様々な事が言われている有名な作品なので、私がわざわざ同じ様な事を書いても屋上屋を架す事になると思うので特に何も言いませんが、一言だけ言わせてもらえば、流石古典と言われているだけあって良く出来ているなぁと思いました。様々な解釈も面白いのでやはり必読の作品だと思います。
他の4篇は普通小説に多少ゴースト・ストーリー的要素が入っている様な感じの短篇ではっきり言ってそんなに怖くないし、面白くもなかったです。それでも大家の作品という事で読む価値はあるかもとも思いましたが、人によって評価が判れそうに思いました。
という訳で良くも悪くもヘンリー・ジェイムズの世界を堪能できる短篇集だと思いました。これからホラー、怪奇小説、その他何でもいいですが、こういう小説を読もうと思っている方には表題作だけマストだと思いました。
ホラーの古典を堪能できる中短篇集。機会があったらご一読を。
ねじの回転 -心霊小説傑作選- (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 -心霊小説傑作選- (創元SF文庫)より
4488596010
No.26:
(3pt)

とんだメンヘラだな

ヘンリー・ジェイムズ(1843-1916)が書いた中編小説。1898年発表。
物語は、貧しい牧師の末娘が家庭教師(ガヴァネス)として、サセックスの田舎にある邸に訪れるところから始まる。彼女はその邸の兄妹二人の子供の面倒をみることになるのだが、そこで、二人の子供を悪徳へと導こうとする二人の幽霊を見ることになる。一人はかつてその邸に下男として勤めていたクイントの幽霊で、もう一人は前任の家庭教師てあったミス・ジェスルの幽霊である。
しかし、いくら主人公の年若い家庭教師が、幽霊がいると言っても、女中頭のグロース夫人をはじめ他の使用人たちにはその幽霊の姿を確認することができない。主人公の家庭教師は、幽霊は自分と兄妹の二人の前にしか現れないと主張する。

この物語は、家庭教師の一人称回想形式で語られる。その語りは、出来事を語るというよりかは自分のとりとめのない心理をメインに語っていくものである。ヘンリー・ジェイムズの作品が心理主義小説と呼ばれる所以である。主人公の想念から想念へととりとめのない心の動きが綴られていく技法は、一般的に「内的独白」と呼ばれ、三人称の自由間接話法で書かれた場合、「意識の流れ」と呼ばれる。(三人称で書かれているが、主人公の視点に合わせて書かれているので、その主人公の感情を自分のことのように書くのが自由間接話法だ。小説作法では、三人称一元と呼ばれ、人によっては一人称的三人称とも言う。)

で、主人公の家庭教師の「内的独白」を追っていくと、まず、主人公が雇い主である、二人の子供の独身の伯父に恋心を抱いているのがわかる。そして、その伯父から認めてもらいたいがために、自分にしかできないことを二人の子供に対してしなければならないという観念に支配されていることがわかる。その自分にしかできないことというのが、自分にしか見ることができないクイントとミス・ジェイムズの幽霊から二人の子供を守ることである。だから主人公は二人の子供を幽霊から守っているということを執拗に女中頭のグロース夫人に訴えるのである。

さて、物語の設定であるが、人里離れた田舎の邸に幽霊が現れるというのは、ゴシック小説の定番であるが、むしろこの小説は、その設定よりも、年若い家庭教師(ガヴァネス)が雇い主の紳士と結ばれるといった19世紀の恋愛小説を下地にしていると見た方がいい。ジェイン・オースティン(1775-1817)の『エマ』(1814)にもそういったモチーフがありシャーロット・ブロンテ(1816-1855)の『ジェーン・エア』(1847)は、雇い主と家庭教師が結婚する話である。詳しくは、新井潤美の『不機嫌なメアリーポピンズ』(平凡社新書)に書かれている。
なので、主人公の家庭教師が雇い主の独身の伯父に恋心を抱くのももっともなことなのである。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041028
No.25:
(5pt)

モヤモヤが止まらない

読んでてすごく引き込まれました。それだけにモヤモヤが止まりません。面白かったです。原文と他の訳本も読んでみたくなりました。
ねじの回転 (1978年) (旺文社文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (1978年) (旺文社文庫)より
B000J8P21K
No.24:
(2pt)

素晴らしいのはタイトルだけ

怪異譚の古典として有名と知り、期待して読んだ。主人公の若い女性家庭教師が幽霊に遭遇するあたりまでは快調で、おお、これは典型的な幽霊話だ、面白そうと読み進んだのだが・・・ あとは最悪だった。

 真っ昼間から幽霊がくっきりと現れるのは構わないが(その場面はかなり怖い)、危機に瀕した主人公は、どういうわけかいつまでもイジイジ、ひとりで悩む。「ああでもない、こうでもない」優柔不断な心理が延々と描写される。付き合う読者はイライラする。 
 雇い主は彼女を雇うにあたって、子供に関しては何事も私に相談するなと釘をさす。これは巧妙な設定だが、ことは教え子の命に関わる、そんな約束は無視と考えるのが普通だろう。
 そもそも悪霊と対決するなら、教会に依頼したりエクソシストを雇えば済むじゃないか。幽霊が家付きなら引っ越せばいい。対応策はいくらでもある。しかし彼女はなぜか行動せず、ひとり悩み続ける。
 答えが目の前にぶら下がっているのになぜつかまないと、怒りを覚えるような展開で、それをもって「精緻な心理描写と暗示に富んだ文体で人間の恐怖を活写した“心理主義小説”」(解説)と言われても、とても納得できません。

 もちろん、以上は素人の情緒的反応であって、批評・批判にならないのはわかっている。英文学史においてヘンリー・ジェイムズは巨匠であり、この作品は心理主義リアリズムの名作で、いったい幽霊は本当に出たのか、家庭教師が狂気にとりつかれていたのではないか等々、様々な解釈が可能であり・・・ とされているようだ。
 しかし、すべてを曖昧なまま放り出し、読者を困惑の中に置き去りにするこの方法論を文学だ芸術だ、意識の流れだと言われても、ね。 

 C・マッカーシーや山田風太郎のように心理描写を徹底的に排するタイプが私の好みなのだと再確認した。心理主義小説を避けても読むものがなくなるわけじゃない、自分にそう言い聞かせて怒りをといた。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041028
No.23:
(5pt)

とても良かった

好き 好き意外に言いようがないです
皆さんにも是非読んで欲しいです^ ^
ねじの回転 (1962年) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (1962年) (新潮文庫)より
B000JAK4A2
No.22:
(3pt)

驚くほど読みやすく、

思わせぶりなものはそのままに、邪推せずとも含みは明示されている。さらに「幽霊は何もしていない」のも確かだ。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041028
No.21:
(4pt)

解釈が難しく読後、はぁ!?何この小説!って思いました。

スティーブンキングが過去100年の中で最も素晴らしいと賞賛した 小説 シャーリィージャクスンの丘の屋敷につづき
絶賛された小説とお聞きし、シャーリィー先生の作品が素晴らしいかったのでこちらも購入して見ました。
古典ホラー小説ではありますが 何とも言えない気持ちの悪い寒々描写には終始目が離せず
あっという間に読んでしまいました。(解説入れて全300P程度ですので読むのが速い方短時間で読めるかと思います。)
そして読了した後 頭の悪い自分はこの小説はどう解釈したら良いのか??状態で
巻末の解説を読み他の解説を読んだり、解説されてるサイトを見たり、、でようやくスッキリした感じです。

すでに書かれている方がいらっしゃいますが物語は 暖炉の前で怪談話に盛り上がる数人がひねりを聞かせた話が欲しいなとせがみます。
そこに出たのは語り手となるダグラス。
ダグラスは10離れた友達の歳上の女家庭教師が体験した手記の話を持ちかけます。
(ここで複雑なのがこの物語は家庭教師が記したものをダグラスが読み、聞き手の私が物語を書き残すといった流れです。)
20そこそこの田舎の牧師の元に産まれた彼女は家庭教師の求人を探し単身ロンドンへ。
そこで雇い主(これまた小説でしか滅多にお目に掛かれないハンサムな紳士)が出した内容は 
田舎のダラスにある邸にいる、両親がインド滞在中に亡くなった幼い甥と姪の家庭教師をして欲しい、
前の就任者は不幸にもお亡くなりになり現在彼らを女中頭のグロースが見ている、
正し何かしら問題のある事件がむこうで起きたとしてもこちらへ一切連絡しない事、こちらは何があっても関わらないことが条件付きであった。
既に何人か応募に来たがこの条件が嫌で辞退した者もいたが、彼に心中お熱な彼女はこの条件を飲みダラス邸へ行く事になるのです。

もうこの時点でこれは何か起こるな〜という恐怖材料は整っているかと思います。

そこで待ち受けるダラス邸での甥のマイルズとフローラを悪への道へと導こうとしている悪霊の存在や、
わたし視線から見て良い子のマイルズの退学になった理由、
終始わたしに献身的なグロースさんが言うはっきりしない不安な言葉の数々、、
そして書き手のみの視線で書かれているので何処迄が本当で結局幽霊は子供達も見ていたのかそれとも彼女だけ?
全ては伯父であるハンサムな雇い主に構ってもらいたいが故の狂言?と色々詮索させられます。
そしてどれも答えが当てはまらないと思います。
解説も人様々で彼女の行動は全て性的欲求の幻覚(始めて見た男の幽霊を当初惚れた伯父と間違えたり、
フローラが湖畔で穴の空いたブロックと棒を差し込んだりして遊んでいたと表記していることから)と解説する人もいます。
読後感じ方が千差万別に別れる小説じゃ無いでしょうか?
ただ一つ言えるのは表現するのは難しいのですがこの結局何が悪いのか、何が原因かはっきりしないところの気持ち悪さが半端無かったです。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041028
No.20:
(4pt)

気に入っています。

今後、日本語の電子書籍がもっと増えてくれるよう、強く希望します。
ねじの回転 -心霊小説傑作選- (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 -心霊小説傑作選- (創元SF文庫)より
4488596010
No.19:
(3pt)

何回読んでも不可解

ねじの回転、素直に読もうとしたが、読めば読むほど分からなくなる。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041028
No.18:
(3pt)

まどろっこしい

海外文学は、どうしても、語学力に優れていない限り翻訳版を読むことになります。仕方のないことのかもしれませんが、言語をそのまま忠実に訳すとこうなるのであろう文章は、どうしても不自然な感じを否めません。この作品も然りで、いかにも外国らしい言い回しが、長くまどろっこしく、どの登場人物も常に真相についてはぼかして言うので、とにかく細かく読んでいかないと話からはぐれてしまう可能性があります。物語の筋は、確かにすばらしい。心理描写も噂にたがわず、とても細やかでそれが余計に恐怖を煽っているとも思えます。しかし、読みにくいと思います。原文ママで読めばきっとしっくりくるであろうものなのかもしれませんが…怖さについては、やはり日本人だからか日本のホラーものの方がずっと怖いですが、題名の「ねじの回転(ひねり)」の秀逸さ、物語全体につきまとう謎、いくつかの描写のしかたについては、舌を巻くような優れた部分のある作品だとは思います。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041028
No.17:
(4pt)

100年以上前のこの小説がなぜか古びたものに感じられない

 英国の田園地帯の古い貴族の邸宅に若い女性が家庭教師としてやってくる。幼い兄妹二人の世話をする彼女はある日、屋敷にいないはずの胡乱(うろん)な男女の姿を見かける。それは以前この屋敷で働いていた従僕クイントと前任家庭教師ジェスルのようだ。しかしこの二人は既にこの世にいない人物だった…。
 19世紀末にヘンリー・ジェームズが著わした幽霊譚です。
 100年以上も前の作品ですから、舞台設定も登場人物も大変古風です。立ち現れる二人の幽霊はただの一度も言葉を発することがなく、彼岸に逝かずにこの世にとどまり続ける理由についても語ることがありません。若き家庭教師の前に静かに謎をはらんで現れ、すっと立ち去るということを繰り返しながら、ある目的を果たすべく一歩、また一歩と、さらに近くへと忍び寄ってくるのです。
 彼らが主人公に鋭く切り込むように襲いかかるという描写はありませんが、底冷えするような恐怖は、神経をきりきりと締められる若き家庭教師の心理描写で十分に伝わります。
 そしてやがてこの家庭教師を襲うのは、二人の幽霊が彼女の目にしか映らないという特異な事実です。そこに彼女は、周囲の無理解が産む孤立という名の恐怖を味わうことになるのです。
 そのことがこの小説を古びたものにさせないでいるように思えます。
 本書は奥付によれば初版が昭和37年(1962年)。当時の古風な日本語訳文がこの古典作品に絶妙の風雅を醸し出す効果をあげているように感じます。大抵40年もの時を経た日本語文は、時代遅れな古めかしさを伴い、なかなか今の世に読むには苦しい、古色蒼然たるものになってしまうものなのですが、この作品に限っていえば、むしろより良き方向に働いたと言えるでしょう。
 この訳者による別の英米古典文学を読んでみたいという気持ちにさせられました。
ねじの回転 (1962年) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (1962年) (新潮文庫)より
B000JAK4A2
No.16:
(5pt)

突飛な読み方かもしれませんが

幽霊物語の体裁をとっていますが、幽霊を見たのは家庭教師だけです。そこから、家庭教師の妄想とか、創作とか、さまざまな読み方が可能になるでしょう。
突飛な読み方と思われるかもしれませんが、私は、手記を書いた家庭教師の女性、それを読み上げた初老の紳士ダグラス、さらに全体の語り手「わたし」と、三重の語りになっていること、手記がその家庭教師からダグラスへ、ダグラスから「わたし」へ手渡されたこと、家庭教師が守ろうとする兄妹、特に兄の言動などから、その手記は家庭教師の女性がダグラスに宛てたラブレター、もしくは弁明の書(なぜ私はあなたの心に踏み込めなかったのか)である、というふうに考えてみたのですが、いかがでしょうか。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041028
No.15:
(2pt)

代表作ではない

ヘンリー・ジェイムズは日本では正しく受容されず、これとか『デイジー・ミラー』とかが短いというので読まれてきたが、その本領は『鳩の翼』『使者たち』などの後記長編にある。
これはまあ、凡作であろう。幽霊物語のように見えるが、ガヴァネスの性的欲求不満が見せた幻想とする説もあり、特に定説はなく、別にジェイムズの代表作というわけではないので、これを読んでジェイムズを判断しないでほしい。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041028
No.14:
(4pt)

不条理感が…

不条理感たっぷりの内容が、タイトルにピッタリだと思いました。
こういう亡霊自体はそんなに怖くないなぁと思います。
でも、主人公の女性のどんどん追い詰められていく心理状態の描写は
なかなか怖かったんじゃないかなぁと思います。
訳がかなり直訳過ぎて、日本語の単語で英文作ってるみたいでした。
文章がもっと自然なら、もっと怖さが味わえたんじゃないかと思います。
ねじの回転 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじの回転 (新潮文庫)より
4102041028

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