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凍りのくじら
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凍りのくじらの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全111件 81~100 5/6ページ
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理帆子の内面が深く語られているが、世代感の差なのか、なかなか主人公への感情移入が難しく、ちょっとやっかいな小説だと思いながら読み進めていると、別所の登場あたりから、だんだんと整理されて展開が面白くなってくる。作者のドラえもん への深い愛情が背景に感じられるが、物語の終りに向けて、それなくしては成立しないことがよくわかる。最後はやはり Sukoshi Fushigi。 長い小説だが、途中であきらめずに読んで欲しい。 | ||||
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主人公の女子高生の気持ちが全然理解できないか、多少なりとも共感できるかで 評価の分かれそうな話だなぁと思いました。個人的には、彼女の抱える歪みと淋しさを 「少し・不在」という言い方で表したのはとても上手いと思うし、この年頃の女の子なら 「自分のことかも」と感情移入する人も少なくないのではと感じました。 ただ、この作家の小説では常のことなのですが、主人公の考え方は結構「イタい」です。 そのイタさに著者がどれだけ自覚的なのか、ということがひっかかります。 つまり、主人公も客観的に見たら「イタい」のだという描写があまりなかった。 ただ、これが書かれたのは6年前のことですし、今の辻村さんならそこら辺はもっと上手く書くんじゃないでしょうか。 いつものことながら、伏線の張り方はちょっと不自然で、オチは結構早く分かってしまいます。 でもドラえもんの使い方はとても上手く、「テキオー灯」の使い方には感動してしまいました。 こういうモチーフの使い方がとても上手い人ですね。 | ||||
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けっこう厚い本だったのに、ぐんぐん引き込まれて、先が気になって気になって、一気に読んでしまった。それは、主人公・理帆子に思いっきり感情移入できたから。 瀬名秀明氏のあとがきには、一般的には感情移入しにくい主人公だろう、という趣旨のことが書いてあったが、私自身が本をよく読む子どもだったこと、周りの子が自分よりも子どもっぽく見えたこと、それは、理帆子のように周囲をバカにしていたのかもしれない。バカにしながらも、そこで「生きている」友達たちがうらやましかったのかも。 だから、理帆子のこころの動きに共感してしまい、すじそのものもSF(少し不思議)で面白かったけれど、理帆子がどういう成長をしていくのか、というところにも興味を引かれ、あっというまにこの世界に引き込まれた。 父親の影響でドラえもんが大好きだった理帆子は、周りの人にSF(少し・ナントカ)というあだ名を付けるのが密かな楽しみ。それは、藤子先生がSFとはサイエンスフィクションではなく、少し・不思議と解釈しているから。 ちょっと引いた目線で周りを眺める理帆子の世界は、このまま淡々と流れていくのかと思いきや、母親は余命幾ばくもなく、元カレとの関係も微妙なほつれが生じていく。理帆子の前に現れた、一つ上の学年のあきら。口の聞けない小学生郁也。これらの人物を巻き込んで物語は急展開する。そうなると、もうじっくりと読んでいる暇などなく、私も一緒になって、理帆子ともがいた。頭ではわかっていてもこんな風に行動してしまう気持ちもわからないでもないから、よけい感情移入してしまったかな。 後半の母から夫へ、理帆子へあてた”ラブレター”は涙なしには読めなかった。勝手にじわじわと涙があふれてきて・・・そのときは、理帆子の立場ではなく、妻・母として読んでいたのだと思う。 辻村作品を初めて読んだのだが、これまでにない世界観に圧倒された。他の作品もぜひ読んでみたい。 | ||||
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辻村さんの作品の中で1番最初に読んだのがこれ。 絶対にはずさないプラチナ本に入ってたのがきっかけ。 主人公のイタさに好き嫌いが分かれそうだなと思った。 自分は同年代って事もあり感覚がひしひしとわかって すごく面白いと感じたけど…。 たぶん鼻につくって人もいると思う。 | ||||
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ドラえもんが本当に大すきだ。たぶん、子どもの頃はみんなそうだろう。けれど、私は子どもの頃よりも、今の方がもっとそうであると思う。私が生まれて初めて出会った漫画が「ドラえもん」で、その頃は単純にのび太のふがいなさにやきもきし、不思議な道具にワクワクし、あんな道具が欲しいなあとうらやましかった。大人になるにつれて、ドラえもんの作品に流れる限りない愛を感じるようになった。ドラえもんは私たちにとって友だちであり、兄弟であり、先生であり、そして母ですらある。「凍りのくじら」の中に「大事なことは、みんなドラえもんから学んだ。」という台詞があるが、本当にそういってもかまわないくらい、人生においての根源的な喜びや悲しみがこの作品にはある。辻村深月は、私と同い年である。彼女が好んで読んできた本や漫画、その中で心をゆさぶられた台詞。心を痛めた事件。それが、私自身のそれと本当に重なっている。団塊の世代が生み出した第2次ベビーブームからは少し遅れて生まれ、生まれた時には日本が不景気だったゆとり世代よりは少し早く生まれた私たち。私たちは、何に価値観をおいて生きればいいのか、いつも摸索しているように思う。30を迎えた今、家庭を持ち仕事を持ち、社会の中でしっかり生きている友だちもいれば、結婚せず、正規の社員として働く事ができない友達もいる。何を大切にこれまで生きてきたのかが、この年齢になると表れてくる。「凍りのくじら」の主人公は、本を読むこと、その物語の中から人生の色々な感情を体験し、それを消化することで自分自身の価値観をつくりあげている。読書量がその人の頭のよさを決めているとまで言い切る。しかし、そのことに対して負い目も感じている。現実の人間関係を積極的に行えず、いつも距離をとり本音で話す事のできない自分を恥じているのである。作者もそういうところを持った人なのだろうか。彼女は、虚構の世界を愛し、それを自らも作ることを人生の価値にしたわけだが。同じ時代を生きてきた彼女の目線から紡がれる物語。薄っぺらいと感じる人もいるかもしれないなと思う。けれど、私は共感する。 そして、彼女が作家になってくれたことを嬉しく思う。 | ||||
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辻村さんの作品は初めて読みました。文章や構成がうまいなぁと感心しながら、何の先読みもせず読んだのが良かったのか、最後の方は妙に感動いたしました。ネタばれ防止のため、詳細はさけますが、普遍的かつ永遠の愛、愛情を扱った作品が好きな方にお勧めです。 | ||||
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「冷たい校舎〜」のイメージがあったのでてっきりミステリーだと思ったらヒューマン系だったので面食らった作品でした。 ドラえもんの道具が色々出てきて、しかも意外に全部知っててビックリしました。 最後にはなんか心が温まるいい作品だなと思いました。テキオー灯の使い方が上手い!!そう思った作品でした。 | ||||
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25歳の主人公が高校2年生の夏〜秋の出来事を回想する話。 何の予備知識も無く、ネットで面白いと評判だっただけで読んでみたが、コレはおすすめ。 良質のエンタテインメントです。 日曜日を使って、是非いい時間を過ごして下さい。 | ||||
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初めてこの著者の作品を読んだのが「凍りのくじら」でした。この本、他の方が言う様に好き嫌いが分かれるのかもしれませんね。私にはすごく胸に込み上げてくるものはありました。しかし、最後のあの結末に恐怖を感じたのは私だけでしょうか・・・?読み終えた時間帯が遅かったというのもあるのかもしれませんが、彼と会話している時の彼女を想像するとなんだか寒気がします。 | ||||
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私が辻村さんを知ったのは1年前です。海外へ1週間出張することになり、空港で久々に「野生時代」を買いました。出張中、全部読んだのですが、著名作家を含む十数人が寄せた短編中、最も心に残ったのが辻村作品でした。それまで彼女のことを全く知りませんでしたが、帰国後、「冷たい校舎〜」から「太陽の座る場所」まで順番に読んでいきました。 この数年、こんなに好きになった作家さんは他にいません。 ミステリ作家ではなく、青春小説作家だと思っているので(私にとっては、よしもとばななさんの系列かな)、何度も繰り返されるトリック(?)にも全く不満がなく、むしろ予測する楽しみがあります。 圧倒されるのは繊細な心理描写、そして信頼、友情、敬愛、種類は何であれ、作品に溢れる前向きな愛情に対してです。 「凍りのくじら」は特に好きな作品で、ライトを浴びるシーンでは大泣きしてしまいました。 そこにいたる全ての構成がお見事ですし、あんなに絶対的な愛情を差し出されては、心が震えてたまりません。 私は理帆子に感情移入できたし、これからの幸せを信じています。 心を強くしてくれる、素敵な小説でした。 | ||||
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なかなか読み進めなくて、時間が掛かりました。 なんだろう、主人公の心情が伝わるたびにココロ苦しくなって・・・。 ページをめくるたびに辛くなっていったんですよ。 内容は面白かった。SF(少し不思議な)物語でした。 辻村作品はテンポが緩やかで、 その分読み手が色々考えることが出来ます。 場面場面で僕だったらこう考えるなぁとか、 そういう見方も出来るのかとか考えながら読み進めれます。 あと、すごく心に残る言葉がちりばめられてるんですよ。 今回で言えば ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^「挫折しなくちゃ。」 「全部を自分の責任だと認めて、その上で自分の実力がないのだと諦めなくちゃならない。精一杯、本当にギリギリのところまでやった人にしか、諦めることなんて出来ない。挫折って、だから本当はすごく難しい。」 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^なるほどねと想いました。 僕よりも2歳ほど年下の辻村さんですが、 いつも考えさせられます。 | ||||
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辻村さんの本は これで2冊目。 前回読んだ "ぼくのメジャースプーン" もよかったですが、 "凍りのクジラ" もよかったです。 辻村さんの本は 悲しい出来事、 居た堪れない出来事など 黒い部分が描かれていますが、 読み終わった後は 黒い気持ちはどこへやら、 真っ白い気持ちで 満たされて、 心がほっこりしてきます。 ほっこりしたい方も そうでない方も もしよかったら、ぜひ。 http://toshi1219.exblog.jp/ | ||||
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ありがちな批評になるけど、誰とでも調子よく言葉を合わせ表面的にうまくやりながら、誰とも心が通じ合うことのない理帆子は、若い世代のコミュニケーションのありようを体現しているのだろう。一方、そうした居場所のなさは、小説やマンガにはまる人たちの世代を超えた共通の特徴とも言えるのかもしれない。十二国記で、小野さんは主人公を極限状況に追い込みながら、フィクションの中での切実な責任をともなうコミュニケーションに参加させた。本作で辻村は、主人公を友人関係の中では表面的なコミュニケーションの中に置きつつ、別の種類のコミュニケーションの回路を別に開くことで、「心が通じ合う」ことの意味をフィクションの中で追求している。そういう意味ではメタフィクション的な要素も強い。お話の仕掛けに新味があるわけではないが、とても真摯に文学の意味を追求した作品だと思う。他の作品もぜひ読んで見たい。 | ||||
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このアイディアだけでも凄く良い。道具を日常に置き換えてそれぞれの章で繋げて。お父さんの存在もすぐわかるし、途中長いと思った箇所があったけど目を瞑って。その間スモールライトが使われエンディング。どうしようもない元彼、お父さんのキャスティングは最高 一気に読んだら多分ライトが眩し過ぎて泣きそうで拍手 な作品でした。 | ||||
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なかなか評価の難しい作品. メフィスト賞でデビューした作者だが,ミステリーあるいはサスペンス的要素はほとんど皆無. そういう面白さを期待すると当てが外れるだろう. 仲間や集団への帰属意識あるいは連帯意識の希薄な現代風の女子高生を描いていて,テーマとしては目新しさはない. 主人公が比較的頭がよく,自分の心的動態をきちんと分析できていて, かつ自分が属する周囲の集団(遊び仲間や学校,元彼)を見下しているところが, この種の他の作品とは異なる点かもしれない. 当初は鼻持ちならない印象を受ける主人公ではあるが,心理描写が丁寧で, 理屈で説明できない心の動きがきれいに表現されている. 最終的に新しい価値観を見つけ出す過程は迫力があって読み応えがある. 佳作といっていい作品なのだが,ラストのどんでん返しはつじつま合わせを放り出してしまっている印象は否めない. ミスディレクションは丁寧なのに,これでは,うまくだまされた!というカタルシスが得られない. その辺が少し惜しい. | ||||
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ドラえもんの道具がキーになっている、少し不思議なミステリー。小さい頃、マンガを読んだときは考えなかったけど、ドラえもんの道具の意味が意外と深くって、この物語自体も、この道具の意味を考える度、深まっていきました。 私もそうなのですが、意外とみんなも「少し不在」で、けっこう身につまされて読む人も多いのでは…、と思いました。 | ||||
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期待通りの良作でした。本当に著者の世界観は美しくて洗練されていると思います。 登場人物はそれぞれがとても個性的ですが、どこか共感できる、そんな性格をしています。 なんというか、いい意味でとても人間的。自己中心的であったり、ひどく冷静だったり感情的であったり。 そういう意味ではキャラクターには非常に愛着がわきます。 そして、この著者の特に素晴らしい所はやはり終章で読者を驚かせてくれる 意外な展開が用意されていることではないでしょうか。 似たような話は確かにたくさんある気がしますが、感動的なストーリーだけでなく こういった要素でも読者を魅了することができる作家さんはそう多くないと思います。 また、常に社会問題や哲学的、教育的要素を組み込んだ メッセージ性があるという点でも是非もっと多くの人に読んでほしい作品です。 序盤ではこれは必要か…?と思うようなクドい表現や人物描写がありますが投げ出さず最後まで読むべきです。 ベタ褒めですが、ホントいい作品です。強くお勧めします。 あと、これは蛇足かもしれませんが“ドラえもん”についても改めて考えさせられました。 | ||||
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人生で初めて、読んで泣く、とゆう経験をした本。怖くて二度目が読めない、というのも初めて。 つーか、泣くの確実。おそらく、評価は二つに分かれると思います。最高と、これはちょっと、みたいな感じで。それを聞いてみるのも僕は楽しーけど。 他の人に薦めるのがちょっともったいない気もするけど、全力でお薦めします!! | ||||
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読書が好きで、色んな事に妙に達観してる理帆子に私は親近感を抱きました。分かる気がしたんです、彼女の気持ちや考え方。《ツライとか悲しぃとか寂しいとか、他人に言うもんじゃない》そういうの、分かる気がするんです。最近の私はまさに理帆子でした。『寂しい。だから構って?』こんなのカッコ悪すぎるって思ってるし、誰かを頼るなんてダサイって思ってるし。自分のことは自分でやるんだって。でも、思い出しました。これ読んで思い出したんです。たまには。たまには誰かに寄り掛かるのも必要だって。『寂しい、構って』って、そうやって誰かに訴えることも時には必要だって。それを思ぃ出したら、急に涙が出ました。止まりませんでした。 | ||||
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序盤は、高校生ながらに主人公の冷めていて達観し、人を馬鹿にしたような性格になかなか馴染めませんでした。主人公の気持ちに共感できる部分もありましたが、イラッとすることもしばしば。 ただ、中盤から最後にかけては一気でした。 主人公の性格と対比するように、周囲の人々の暖かさが描かれていて、さらに主人公が成長していく様がみてとれます。 最後には、辻村先生得意の展開も待っています。 この方の作品は、登場人物がほんとに魅力的な子が多いなあと改めて感じました。 読後はあったかい気持ちになれます。 癒されたい方にどうぞww | ||||
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