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凍りのくじら
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凍りのくじらの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全111件 61~80 4/6ページ
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サクラ咲くに次いで読みました。 作者の小説を読むならば「凍りのくじら」からとの アドバイスがネット上に載っていたので、こちらを読み始めた。 次は「スロウハイツの神様」が順番的に良いとのことで、先ほどダウンロードしました。 作者の小説は少しづつリンクした内容で書かれているらしいので、スロウハイツを読むのに 今から楽しみにしています。 と言っても この小説「凍りのくじら」は女性目線の小説ということもあってか、感情移入することができず、 次回作で作者の良さを理解しようと思っております。 細かなところですが、ストーリー上に出てきますカラー写真の現像のシーンですが、 個人の自宅で簡単に現像できるものではありません。 そんなところに引っかかってしまい、感情移入できなかったのかもしれません・・・。 ですが、そんな私は 作者の Sukosi Fan です。 | ||||
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主人公の人間関係が面白く感じた ドラえもんの秘密道具も「あーあったなそんなの」と懐かった | ||||
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はじめての辻村作品です。 酷評が多いですが皆さんが仰る通り、主人公に感情移入がしにくいです。 ドラえもんの豆知識や、こんな道具あったなあという懐かしさなどを感じたり出来るのは良い点ですが主人公の人を馬鹿にし、見下している態度はあんまり見ていて気分のいいものではありませんでした。 若尾、元彼ですね、とのグダグダした関係とそれを続けてしまう甘さ、自覚があるのならどうしてそれをやめないのだと読み進めるたびに苛々します。そして所々にその毛のあるような描写はありますが案の定の結果。主人公が吐き捨てた台詞に未練を感じたのは私だけでしょうか?それでどうするんだと。それから彼がどうなったのかはわかりませんが、すっきりしません。 主人公が完成したアルバムを一枚一枚捲っていくシーンは個人的にくるものがあって好きでしたしラストはどんでん返しというほどでもありませんが、驚きもあると思います。 タイトルにしてあるくじらについてはそれほど必要性を感じませんでした。どんな意味合いを持ってそのタイトルにしたのか聞いてみたいものです。 万人受けするような話ではないですが、興味があれば一度読んでみてはどうでしょう。私は他の作品も読んでみようと思います。 | ||||
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若い世代を書かせれば、この作家はとてもうまいと思う。 描かれる彼らに共感できるかは人それぞれだろうけど、 不器用ながらも成長してゆく主人公たちのざわざわした落ち着かない感情やひずみは、 きっと大人たちも一度は通ったことがある道のはず。 青春の不器用さをもう一度かえりみるような物語でした。 | ||||
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先ほど読み終わりした。 まず評価の低い方が少なからずおりますが、仕方ないかなと思います。 本作の主人公は、特に最近に多い感情移入しやすい主人公では決してありません。かくゆう私も始めはなかなかページが進んでいきませんでした。しかし必ずカチッとハマる瞬間があります。それは感情移入できない主人公と私たち読者に共通に当てはまる事柄があるからです。正直途中からは一気読みでした。それだけのめり込みます。 どうか最初のほうで本を置かず、騙されたと思って読み続けてみてください。 | ||||
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私には初めての辻村作品です。 最初の方は文章が硬くて入り込むまで時間がかかりましたが、読み進むにつれてどんどんスピードが増していきました。最初だけで本を置くのはもったいない内容です。 頭でっかちで生意気で思いやりが大事とか言って一見優しくてコミュニケーション能力が高くて、でも実は自分はここに属してない、もう一段高いところにいると思ってる人、、いますいます。 ツルツルの表面だけでのお付き合い、ありますあります。 あ、この人病んでる、と思ってぞっとしつつも怖いもの見たさで気にかけてるふりをした経験、ありますあります。 そういう、人としてのいやらしさを、ちゃんとあぶり出してくれていたところが良かった。 そして対照的に、 生身の身体を削って生きている(死んで行く)人たちの言葉や行動の描写は胸に迫ってくる。 ストーカーの心理も、勉強になりました。 親の愛の深さには泣けます。 他の作品も読みたくなりました。 | ||||
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他のレビューにもある通り、主人公に共感できるかどうかでだいぶ感想は変わると思います。 私は最初主人公に全く共感できず、人をバカにしてるような性格に腹立たしくなってしまいました。なので途中で読むのをやめようかと思いましたが、主人公以外の登場人物で何人か気になる人がいたので(主人公の母親や失踪した父親など)、読み進めることにしました。 すると少しずつですが主人公に変化が見えてきてそのまま最後まで一気に読みました。 最後は鳥肌がたって涙が溢れる展開になりました。これは予想外でした。 最初は中高校生向けかなと思いましたが、もう学生でない私でも結構心にぐっとくる場面やセリフがありました。読み始めたならぜひ最後まで読んでほしいなと思います。 私は1回読んで心に残らない本はすぐに売ってしまうのですが、この本は大切にしていて何回か読み返しています。 ただ、「この本のテーマは?」「伝えたかったことは?」と聞かれたらうまく答えられないです。。なので星-1です! | ||||
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あまり評価がよくないようですが、わたしはとても心に残っている作品です。 なぜだろうと考えてもあまりぴんときません。しかしひとつ言えるのは、辻村さんには繊細でありながら確かな文章力があるということです。最後の落ちや登場人物、特に主人公は、言われているとおり人を選ぶとは思います。が、はまるひとははまります。わたしはチープには感じませんでした。感動しました。 つまり、わたしがなにを言いたいかというと、Amazonの評価をぱっとみて鵜呑みにしないで、まず自分で読んでみてほしいです。読んで損はしません。そういう人もいるかもなという意味で自分の心を強くできる作品だと思います。 | ||||
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この小説をジャンルとして区別するなら「少し・ファンタジー」という言葉が当てはまるような気がします。 失踪したお父さんと病気で入院中のお母さん。主人公の孤高で孤独な感情がうまく表現されていると感じました。が、非現実的な世界でもあると思います。 勉強もそこそこできて、自分を慕ってくれる友だちもいて、表面上は仲良しに見えるけど、どこかで友達や家族を見下している。でも、本心では自分の居場所を見つけて心の底から笑いあいたいと思っている。これって思春期の女子なら誰もが通る道かも?って思ってしまった。実際、私がそうだったので。 ただ、この子は何がしたいんだろう??ってちょっと理解ができないシーンも多々ありました。やっぱり非現実的で「少し・ファンタジー」という言葉が当てはまると思います。 個人的にはもう少しお父さんやお母さんのエピソードを深く描いて欲しかったかな。あと、主人公の「ドラえもん」と「個性」の結びつきが弱く感じたので、「ドラえもん」が主人公の「個性」を作るきっかけとなったのであれば、そこの絆だったり結びつきをしっかり描いて欲しかったと思います。 でも、最後の方の主人公のお母さんの場面では思わず涙しちゃいまいた。お母さんのお父さんや主人公に対する気持ちのすべてがここに現れていたと思います。 ちなみに、若尾についてですが、私の身近に若尾のような人間がいるので、今後ちょっと付き合い方を改めなければ。。。。と考えされられました^^; | ||||
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心理描写がとても優れている。「少し・不在」(だったかな?)な主人公の物語。私はとても引きこまれた。前半は主人公の感情、思考がきっちり書き込まれ、後半はテレビドラマチックでとてもスピード感、緊張感がある展開。私はとても好きです。是非読んで頂きたい。好みはあるかもしれないが、読む価値はあると思います。 ただ、とても良い小説だと思いますが、他のレビューで作者自身への誹謗中傷があるのが残念です。 読む人に不快感を与える文章があるとしたら、それはレビューを書いている方も一緒だと思うのですが・・・。 | ||||
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確かに皆様が仰る通り、万人受けって言う感じでも無さそうですね。 主人公に感情移入出来なかったらそこまでだし。 でも深く読むと何か暖かいものを感じ取ることが出来ると思います。 ミステリーというよりSF.. それもいいのでは無いかと思います。 誰にでも進められる本っていう訳ではないけれど、 共感出来る人、暖かさを感じ取った人にとっては、宝物の本になると思います。 こんなに素晴らしい本をありがとうございました。 | ||||
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何をするにも冷静沈着。知能指数も高い女子高生、理帆子の周りで起こる少し不思議な物語。 日本人にはお馴染みであろうドラえもんの道具が状況を表す比喩として使われている。主人公を危機から救うアイテムもそれである。 この作品のジャンルは?と問われれば、ヒューマンSFミステリーでしっくりくるのではなかろうか。 途中からだが、私は主人公と一体となって物語に入り込んでいた。 死に逝く母親が編集した写真集に涙し、ストーカーが起こした事件に憤りを覚え、『テキオー灯』の光を浴びて力を得た。 色んな形の心が描かれた作品。一読されてみては如何。 | ||||
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終盤は涙粒がボロボロ出るシーンがありました。辻村作品、5作目ですが、登場人物が一部重なっている点が、ファン心をくすぐります。母親とのシーンと、元彼とのシーンのつながりがあまりないので、最後は強引さも感じたものの、面白かったです。 | ||||
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裏面のあらすじにもある、「不思議な警告」というのがよく解らなかったし、少しダラダラとした展開が長いと終盤までは思っていた。 だから星は3個か2個にしようと思っていた、けれど終盤からラストまでがなかなかよかったので、4個にした。 印象にのこったのは、主人公・理帆子の成長というのもあるけれど、それ以上に元彼・若尾のほうが強い。 読んだ人で、若尾のことを悪く思わないという人はたぶんいないと思う。 自分も嫌悪感を持って見ていた。 しかし、よく考えてみると、自分にも少しあてはまる部分があることに気付いた。 特に、行動よりも先に失敗した時の言い訳を考えているところなんかは、読んでいて反省させられた。 たぶん、そんな人は結構多いのではないかと思う。 どこかのドラマで「悪の心を持たない人間はいない」という意味のセリフを聞いたことがあるが、若尾を見ていて思ったのは、「若尾を100%非難することができる人間なんていない」ということだ。 これは何も彼の行動を許せ、と言っているわけではない。 彼が犯した過ちを自分にあてはめて、反省をした方がいいんじゃないか、ということだ。 学園物のドラマが好きな人にはお勧めしたい。 きっと、何かつかむことができるだろう。 | ||||
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辻村さんのことをなんとなく、「同世代でいい女流小説家がいる」みたいな感じで興味をもっていました。 最初は、どんな作風かつかめず、読みにくいのかな?と思っていたんですが、徐々に辻村ワールドに引き込まれました。 文章、構成がうまく、500ページもあるのに無駄な描写も無い。 小道具(ドラえもんの道具ではない)の使い方が巧く、後半の郁也へのプレゼントのDVDとか、リアリティがありますね〜。 理帆子のキャラも立ってるし、こういう微妙な心理はまだ20代だったから書けたんでしょう。 多恵と郁也の最初のシーンで、理帆子の「ナイスキャラ」発言もよかった。あれを入れることで、物語がぐっと近くになります。 ふみちゃんが気になったので「ぼくのメジャースプーン」も買いました!(笑) 最近の小説家で、これほど惹かれたのは久しぶりでした。 | ||||
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この物語は光のイメージで始まり、一筋の光に照らされて終わる。 「ドラえもん」という名作を巧みに取り入れながら、物語の作者が送るメッセージ、その優しさを繰り返し語っている。 辻村深月さんは彼女のやり方で、テキオー灯を読者に向けている。 凍りのくじらという作品が、一筋の光になったらいいという思いを受け取った。 そんなまっすぐすぎるメッセージに、理帆子というへそのまがった主人公が、絶妙なバランスを保たせていた。 まず瀬名秀明さんのあとがきに興味を惹かれ、本作を購入しました。 登場人物が皆魅力的でありながら、自分の周りにも居るような親近感を持つ人たちだった。 後半にかけてぐいぐい引き込まれ、「タイムタシン」から泣きっぱなしだった。 まさか泣く話だと思ってなかったので、やられた!という気分。 最後の章が「テキオー灯」でなく「四次元ポケット」なのが興味深い。 エピソードも読後感よくまとまっている。その上で読者に対して余白を残しておくなど、粋な計らい。 あとがきにもあるように、理帆子は共感しづらい主人公、らしいのですが・・・。 実は現代的でとても共感できる主人公。 自分の定規でしか人を計ろうとせず、それが全てだと信じている。傲慢な少女です。 偏屈な考え方の持ち主ですが、実はこの少女も周りを見渡せばどこにでもいる人物。 「周りは馬鹿だと思ってる」 「人より自分は頭がいいと思っている」 「自分には居場所がないと思っている」 これらは典型的な中学2年が陥る病気です。 本をたくさん読んでいる人に現れやすい症状。 角度を変えてみれば「オタク的稚拙さを持った少女が、他者を受け入れられるようになってゆく、心の成長が描かれた物語」 しかし大切なことは、理帆子は悪意を持たないということです。 それが彼女の本来の人柄です。 この子は人の欠点を分析しながら、そこに好きか嫌いかの区別はしません。 前半で理帆子は気づいていないが、根底には「人が好き」という気持ちがあり、それは物語全面から受け取れます。 「ドラえもん」が好きだとあえて言うことにしている所や、「ドラえもん」が好きな理由の数々。ダメな元彼とだらだらと関係を続けてしまうところは、未熟な人間らしい魅力です。 若尾に対しては甘えた考えの優しさですが、別所がいうように、その優しさを持っていることは決して悪いことではないのです。 (ただ相手のためを思って、厳しくしなければならない場面があるということ=人と向き合って生きて行くということを学んでいるのです。) この偏屈な理帆子がそのまま大人になったら、さぞ寂しい人間だろう。 周りにとっては困った人になっていただろう。 自分はオタク気質だと自負がある人は、理帆子にならないように読んでみるといいと思う。 しかし理帆子は成長する。彼女は人の優しさに気づく、自分の愚かさを知る。 自分が馬鹿にしている人たちの優しさに気付き、それを心から感謝できることはできるだろうか? 人は他人を受け入れながら成長していくのだと思いました。 | ||||
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40代男性です。 8章までは、「少女マンガのよう」「普通の恋と、ダメ男。それでは世界は変わらない。どうでもいい。」などと思いながら読みました。 途中で止めようかとさえ思いました。 しかし、9章で一気にペースチェンジ。 すごい緊張感をもちました。 そして、最後、意外な別所の真実。 ほっとさせられるエンディング。 とてもユニークで楽しませてくれた作品だと感じました。 | ||||
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高校生の少女の成長物語。著者がドラえもんが大好きなので、作品を読んでいる間に僕もドラえもんをまた読みたくなってしまった。 ストーリー中、良い感じでドラえもんの道具の話が絡んできて、それゆえに本来であれば少し暗い印象の話なのだが優しさに包まれているような印象を受けた。この著者の作品は、いつも Sukoshi Fukanzen(少し・不完全)だけど、それも魅力のひとつかもしれないと思う。 | ||||
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前半の心理描写がとても好きで、ぐいぐい引き込まれた。 ストーリーはかなりシンプルで、あらすじにしちゃえば大して面白くないんだけど、 著者は本当に、「ある感情を書くための道具立て」みたいなところがうまいなぁ、と思う。 僕にとってはどうしても、若尾のことが他人事に思えなくて、 ずっと同族嫌悪に襲われながら読み進めていた。 理帆子の傲慢さにも、強く共感を覚えた。 また、読み返したいと思う。 | ||||
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最初半分近くまでは、「ブンガク」なつぶやきをずっと読まされていて、少し退屈しました。思春期特有の過剰な自意識のけばだちがとらえる、周囲の不完全、違和感、欺瞞、それへの残酷な洞察力。巧いけれども閉塞感が感じられる、出口なしの文学的饒舌。 ところが後半、その、真実なのに不快なこの「現実」のざらざらした暗さが、一挙、反転して光の中へ入ってゆくのです。 「別所」という謎の少年との出会いとともに。 ヒロイン理帆子は何もしていません。ただ「すこし・フラット」な別所と接しているだけで、いままで馬鹿にしたり、見下げたり、批判したりしていた友達や入院中の母親や、いろいろな局面の意味が、なぜ?といいたいほど唐突に変わって、明るく素直になってゆくのです。これはどういうご都合主義なんだろう? といくらか思いつつも、物語が出口に向かっていく加速度にあおられて一気に読みました。 このまますべてが明るくなって許しと愛に満ちてしまったら、前半と後半は水と油だったと思いますが、元カレ若尾が、どんどん心の迷路に迷いこんでゆくようすが、とてもなまなましく、それは理帆子が自分の鏡を見ているようでもあったかという気がします。なので少しとまどいつつも、前半の筆致と後半は彼によってつなげられていると、読みながら感じました。 この後半あたりから「ドラえもん」の道具名がつけられた章が生きてきます。「先取り約束機」「ムードもりあげ楽団」「ツーカー錠」・・そしてわざと章題にはなっていないけれど、クライマックスで輝く「テキオー灯」 びっくりしました、これ、ファンタジーだったのか。水と油だと思っていたら、この真相解明を知ると、ファンタジーにしかできない浮揚力がすとんと心に落ちました。 理帆子とその世界観が変わっていったのは、「氷にとじこめられたくじら」をすくいあげたのは、前半と同じレベルの「頭での鋭い観察」や「自他の心理のラベリング能力」ではなくて・・・・・ 前半と後半ではっきり折れ曲がった屏風のような作品ですが、旧来のオーソドックスな文学性を、新しい次元へもちあげた(放りあげた)後半はすばらしかったし、またそれは前半の、地に足をつけて現実の微細な違和感を落とさずに書いた部分があってこそ、そこが踏切台になって生きたのだとも思います。 このふた色を合わせて書くことのできる著者の力量に感服しました。 (「カワイソメダル」「どくさいスイッチ」などドラえもんの道具が、ひとの心理をいかに鋭くつかんでいるかにも驚きました。「ドラえもん」読み返してみたくなりました。) | ||||
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