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キマイラの新しい城
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キマイラの新しい城の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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良かった | ||||
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これ単体でも面白いですが「樒 / 榁」と話が続いているので、そちらを先に読むことをお勧めします。 一応は事件の謎を解くミステリーではあるのですが、現在によみがえった騎士が大活躍するお話の方の印象が強いです。 | ||||
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石動の抜け具合もかげきの人の良さもいい 元々ミステリファンだったが最近異世界転生やタイムリープものも楽しめるようになったのでそっち召せばでも楽しかった | ||||
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750年前に密室で死んだ男が、現代で密室殺人の容疑者として追われる。 名探偵から絶対性を剥奪し、唯一解を否定する作者の姿勢は進化。 本作では密室の創造と破壊、そして審判への懐疑と固定観念を揺るがせる。 石動戯作シリーズの最終作になったのが残念。 翼を開く黒い刀身は忘れ得ぬ名シーン。 | ||||
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実に不可思議な読み口のミステリ。 七百五十年前に死んだ騎士本人の依頼で騎士の死の真相を探るという構図がまず抜群に面白く、作中の半分を占めるこの騎士の視点パートがユーモアたっぷりかつ真に迫っている。佐藤賢一を思わせる格調高い文体で、中世の悲惨な戦争回想と、中世の騎士から見た現代日本の印象とが詳細に語られる。おそらく作者も十分に意識しているだろうが、『ドン・キホーテ』に匹敵する悲哀と滑稽の物語だ。ここだけでも読ませる。 『黒い仏』で明らかになった、本格ミステリとしてはちょっと心配になるアントニオのキャラ設定も十全に生かされており、作者が長生きしていれば今後この方向で唯一無二のミステリシリーズとなったであろう。 返す返すも惜しまれる。 | ||||
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「やられた!」感というのがミステリのトリックに対する驚き具合や評価にプラスに作用すると思えるのだけれど、このトリックは個人的にはツボ。 万人に評価されるかはわからないが、コレがツボの人はきっと他にもいるはず。 鮮やかさと脱力の紙一重のトリック。 ストーリーはちょっと本格ミステリっぽくないのだが、その方が広く受けるのかもしれない。 | ||||
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著者の自由な発想と、粋な知識とその埋め込み方。さらにスムースな文章は、読んでいて快感です。 ミステリーという枠組みを用いながら、実はもっと自由な「小説の冒険」が行われています。 かつて直木賞審査員だった五木寛之氏は、ある受賞作を評して「これは冒険の小説だが、小説の冒険だ」と 言いました。その言葉は、この『キマイラの新しい城』にも当てはまるでしょう。 中世の妄想王の物語は、テーマパークを舞台にした殺人事件に発展し、 やがて六本木ヒルズに場所を移したドン・キホーテ的活劇者になっていく。 最後は名探偵が登場し、事件の謎を解いていく。しかしそれも本当の解決なのかははっきりせず、 その後でまた違った世界が登場し・・・というように、複数の世界が織り込まれ、 それらあスムースにつながっていく様は、物語を読む愉しみを満喫させてくれます。 唯一残念なことは、読み終わった時に感じる、ある種の寂しさです。 それはこの作者が早世してしまい、読める作品の数が限られていることからくるものです。 | ||||
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最高に面白かった!殊能将之を突然知り、ハマり、ハサミ男から順に読んできたが、石動シリーズではこれが一番好きだ。アマゾンレビューが全てとは思わぬが、投稿数から見て読者数が少ないようなのが残念で、投稿決意する次第。 好き嫌いが分かれるかもしれない殊能将之の超絶知識に基づく部分以外でも、面白かった要素は満載。他の方も書いていたが「東京」の描写二種の比較、随所に見られる現代日本へのシニカルなコメント、石動の情け無さも主人公として滑稽で良かったし、水城健在も嬉しく。事情によって本性を失っている老人の性格や、通りすがりなのにあまりにいい奴のカゲキ、その他の登場人物の描写もとても読み応えがあった。黒仏が分からなくて好きになれず、鏡の中は日曜日も大絶賛とまでは行かなかった自分には、キマイラは半ば捨て身の冒険で購入したが、実に良かった!読んで良かった!大正解だった!悲しいことではあるが石動シリーズ最後の作品が黒仏でなくてこれであったことは本当に良かった! なお、内容とは全く関係ないが、講談社のKindle版で買ったら移動の際に現在の位置情報が出ず、目次に頼ってひたすらページを繰るしかなかったのはとても不便だった! | ||||
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中世ヨーロッパで起きた殺人の被害者が乗り移った会社社長. その謎解きの場でもう1つの殺人が起きる. 社長が訪れた先で判明する真相とは? 乗り移りが妄想なのか真実なのか,読者にもはっきりしないまま, ミステリーとファンタジーの境界線でストーリーは進む. 中世の貴族から見た一人称での語り口はユーモラスであり,なかなかリアルでもある. このあたりの表現力は大したものである. 3つの真相はそれなりに有機的に結びついており, この複雑な真相を読みにククサせずに伝える構成力もすごい. 謎解きにはやや物足りなさも感じるものの, ちょっと変わったミステリーを読みたい人にお薦め. | ||||
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本格ミステリとして読むと、この本を破りたくなる可能性が生じてくると思うけど、そういう意識を取っ払って読むなら楽しめると思う。 | ||||
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2004年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。 本書でも石動・アントニオのコンビが活躍(?)する。しかし、本当の主人公は、750年前に死んだフランス貴族の亡霊なのである。と言った時点でバカミスとわかってしまうのだが、爆笑できるようなタイプのバカミスではない。むしろ、騎士物語のノリというか。とにかく、主人公が格好良くてうならされる。 ちなみに、ミステリとしては評価できるものではない。 石動が、貴族の死因に迫っていくという話なのだが、結末はあれで良かったの? まあ、話としてはまとまりがついているし、ミステリとしての不出来さが小説としての価値を落としているとは思わないが。 | ||||
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デビュー作「ハサミ男」以来、一作毎に作風を変えて読者を楽しませる作者が、750年前のフランスの古城での密室事件、その事件の被害者の霊が憑依した男が社長を務めるその古城をメインにしたテーマパークでの密室殺人を題材に、パロディ尽くしでシャレのめす愉快な作品。 750年前のフランス、自城の密室で亡くなったエドガー卿は自分の死の意味を求めて、霊界を彷徨い続け、その古城をメインにしたテーマパークの社長江里に時代を超えて憑依する。そして、その750年前の密室事件の解決を石動が頼まれる。"古城の密室もの"のパロディである。石動に当ては無く、しぶしぶ事件現場を再現するが、関係者が中世コスプレ大会をする様は抱腹絶倒。ところが、その現場でテーマパークの社員が密室で殺される。容疑者はエドガー ! エドガーは若者のバイクで逃走し、都会の様子を描写するが、この辺はドン・キホーテを思わせる。だが、このドン・キホーテ的都会観・生活観の描写が長過ぎて中盤はダレる。現代の密室殺人事件の方は創りがチャチで、登場人物の造詣や会話で話が保っている感じ。ヤクザの名前が黒木剣とか、慢性神経炎の刑事とか。そして、本題の750年前の事件の解決へ。アイデアが浮かばない石動は水城に助けを求める。本作での石動はまるで頼りなく、助手の異能力者アントニオの方を主役にすべきだったかも(石動をボケ役にし過ぎ)。水城に助言を受けた石動は「暗闇坂の人喰いの木」ばりの推理を披露するが、エドガーの霊は納得しない。隠された真相とは...。 現代の事件をもう少し精緻に描けば、ユーモア味はそのままに更に引き締まった作品になったと思う。楽しい読書タイムを過ごすのに好適な一作。 | ||||
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今回紹介するのは、「キマイラの城」という殊能将之さんの本です。 二年前に講談社ノベルズから出ていたのがめでたく文庫落ちした本です。殊能さんは、ある意味当たりはずれのものすごくハッキリした作家さんで、面白い本は面白い、イマイチだなと思う作品はかなりハッキリとしている人なのですが、この「キマイラの城」はかなり面白い方の部類に入るかと思います。 ジャンルはミステリで、主人公は石動という探偵。彼の作品にはよく出てきます。ただし、この石動探偵は実際の探偵としての腕はそこそこといったところで、助手のアントニオくんの方がなかなかの腕利き。ホームズとワトスンが逆という趣向で、例えていえばエリザベス・フェラーズの「猿来たりなば」などと同じです。 ただ、役割配置のことは今までの殊能作品を読んだことがある人ならおわかりのことなんですが、彼の作品においては、前作を読んでいないとわからないなんて事はないのでそのまま読んでもらっても大丈夫です。 さて。 今回その石動探偵のもとに舞い込んできた依頼は、とある殺人事件の謎解き。しかし、石動が勇躍現場に赴いたところ知らされたのは、その事件は750 年も前のもので、依頼主は群馬の山奥に建設されたとある中世ヨーロッパをモチーフにしたテーマパークの重役でした。重役が言うには、ある日を境にそのテーマパークの社長が、自分のことをそのテーマパークに作られたお城の城主であり、自分は750年前にこの城で殺された。ついてはその謎を解いて欲しいといっているというのだ。確かにお城そのものは、できあいの新建設ではなく、ヨーロッパにあった城を解体して日本に運びくみ上げたもので来歴は確かである。 しかし、死後 750年、そんな時代の謎解きが果たしてできるのか? というよりは、本当に社長の中には750年前の城主がいるのか? 石動はわけのわからない依頼に頭を痛めつつも推理を開始します。彼に与えられた時間は僅か一日。そして、謎解きの終わりに起こるある事件はさらに事態をややこしくします。果たしてことの顛末と真相は?? このお話、樽井的にはとても面白かったです。そしてミステリ読みの僕ともあろうものが、途中の部分ではあっけなく騙されてしまいました。しかもあまりに馬鹿馬鹿しいトリックに。楽しくて、それでいてよくプロットが練られていて、それでもって面白くて。何もいうことはなく楽しめます。ミステリ嫌いの人もどうでしょうか? とおすすめの一冊です。 | ||||
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十字軍に参戦した騎士の亡霊が、現代のテーマパーク社長にとりついた!?自らの死の謎を解き明かしてほしい というストーリーに魅せられました。 しかし、 『正統派ミステリー』 でありつつも 『アンチ名探偵モノ』 でもあるんだよね・・・ | ||||
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十字軍に参戦した騎士の亡霊が、現代のテーマパーク社長にとりついた!?自らの死の謎を解き明かしてほしい というストーリーに魅せられました。 しかし、 『正統派ミステリー』 でありつつも 『アンチ名探偵モノ』 でもあるんだよね・・・ | ||||
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探偵に刑事、騎士の亡霊と視点をザッピングしながら事件を負っていく様が単純に楽しい。750年前の事件を、被害者の証言を元に負う姿はなんともユーモラス。 設定こそありえないが、骨格はきちんと本格ミステリ。ある程度のブラックユーモアが許せる方や、変わったものが好きな方は是非。 おそらく、この作者ならファンタジー世界を舞台にしても、本格ミステリが書けるだろう。そう思わせる作品。 | ||||
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この話は殊能将之しか書けない!のキャッチコピーどおり。他の誰にも似てない話を読みたい人にはおすすめしたい。ただし、心の広い人に限るかも(笑)。文章も巧くて、すいすい読めるので物語を楽しみたい人にはぴったりではないでしょうか。最後の最後でちゃんとミステリーになっているので手前で怒って投げるのはなしで! | ||||
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この作家の作品は、本格でありながらどこか斜に構えている風に見える。それでいて例えば法月氏の作品に見られる、皮肉というか自虐的な暗さは見受けられず極めて自然に、あるがままに受け入れているように感じられる。他の部分でもだが、シリウスな部分を剥き出しにする事なく、オブラートに包んで軽く見せる手腕も、時に強引だけれども上手いと思う。本作でも、亡霊の「自分を殺した犯人を見つける」といった何とも依頼な依頼を軸に話は展開していく。750年前の外国人から見た「東京」の描写というのも面白く、また比較するように書かれている千葉県在住の刑事から見た東京の描写も興味深い。前知識が無い上で語られる十字軍の話が、正直ツライかとも思うが、非常に楽しめる作品。本格といっていい作品だが、「狭義の本格」しか楽しめない人には、「黒い仏」同様キツイのかな。 | ||||
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