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九月が永遠に続けば
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九月が永遠に続けばの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 21~34 2/2ページ
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正直、最後まで感情移入は出来ませんでした。 表現が独特で凄まじいけど、その言いまわしのせいで日本海のどんよりした雲が一面に広がる嫌な気持ちが永遠に続くというか… 書いている人間は作者紹介を読まなくても中年の女性だと分かると思います。 読み終えて、正直、主人公のような人が、いわゆる真犯人なんかよりよっぽど卑怯で汚い勘違いな人間だと思ってしまって、この主人公の全てを否定したくなる衝動に最後にかられました。 本の内容は個人的にほし2つですが、その独特の薄汚い主人公を表現した言葉の使い方に、ここまで汚い人間をよく表現したという意味もこめて、ほし3つです。 | ||||
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どうなるのだろうという思いで一気読み。 でてくる登場人物の内面やトラウマがこれでもかっていうぐらい次々に描かれていく。 正直、すべてが内面、トラウマ文体であれば、非現実的、ファンタジーの世界で 話が終わってしまいそうなのだが、ギリギリ物語に現実味を与えているのが大阪弁の男服部だと思う。 彼の内面、トラウマなんぞは全く描かれていないんだけど、それがまた現実界の人間っぽくって。 服部が佐知子に対し、延々と「遠野物語」の話をするくだりがあるのだが、 それに対する佐知子のつれない反応に大笑い(苦笑い?)。 かなりの行数を使った勇気あるギャグに感動すら覚えました。 佐知子さんが非常にリアルなんですよ。 うんちくが好きなのは男だけであって、女性は全く興味がないんだなぁと再認識。 勉強になります。 | ||||
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読みやすく、さくさく進みましたが、 人間模様があまりにも。。。。。 兄弟、夫婦、元夫婦、恋人、連れ子、、位のほんの少しの人間関係で どろどろ、ぐちゃぐちゃ。。。 描写が汚くて、においそうなのは、表現力があるのでしょう。 犯人がほとんど複線とは言えないほどのかすかな存在から 中央に出てきて、3ページで終了というのも。。 亜沙美が書きたかったんだろうけど、、、ほとんど最後まで腐った空気のようだった。 服部さん、かわいそう。ずいぶん親切にしてもらったのに、息子が出てきたら、 ほんの少し出てきただけで退場だった。 でも、レビューが書きたくなるくらいだから、印象的な作品でした。 | ||||
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知る人の少ない精神疾患を扱ったサスペンスミステリー 一般人に知らされる事が無い分野なので 誤魔化しも利きますねー こんなに人は狂うものなのか?と。 思わず、女子高生コンクリート詰め殺人事件を思い出しちゃったやん...orz 登場人物の書き込みが不十分な感じはします 特に、雄一郎という男性ね。 離婚後8年経ってもまだ好きでいる元妻の気持ちも全然わかりませんけども とても重要な役なのに、 私には、この男性と後妻のイメージを、殆ど思い浮かべる事が出来ずに終わりました。 それで 読後の後味がいま一つだったのだと思います。 冬子の父親をハッキリさせなかった所は 良かったかな? それから、冬子と 漫画『ぬらりひょんの孫』に登場する【羽衣狐】がダブりましたwピッタリですw 修正加筆をすれば もっと良い作品に仕上がるのでは?と思いましたね、勿体ないな。 | ||||
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話題の沼田まほかる、早速ゲットして読んでみました。 女性作家らしいというと偏見かもしれないが、恋愛がからんできてはいるが 序盤から悪いことが起きそうで、いろんな方向性を想像して読み進めました。 不倫相手、息子のガールフレンド、やたら距離を縮めようとしてくるその父親。別れた元夫の連れ子の美少女。そして秘密ありげなその母親。 いろんなミステリーを読んできた分、いろんな想像をしてしまったけど、期待が大きかったのか すべて裏切られた。衝撃的な内容も含まれてはいるものの、もっと凄いことをいろいろ想像していただけに、ちょっと肩透かしをくった気分。男からすると、本編に出てくる息子の苦悩は父親の影響ってことは無いと思うし、やっぱり女性向け作品?主婦層が読むと感情移入なのかな。 | ||||
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「彼女が知らない〜」を先読。 本書「九月が〜」が前作であることを考えると、 完成度は「彼女が知らない〜」のほうが高い。 日常にある潜む狂気を、圧倒的な心理描写で描くのが この作者の真骨頂だと思う。それは、本作でも充分に発揮 されている。 しかし、こうした作品は登場人物に共感できるかどうかが 重要な鍵になる。 その点、本書に出てくる登場人物はクセがある人達ばかりで いまひとつ共感できない。 協力者を必要以上に嫌悪する主人公・佐知子。15歳とは思えない 魅惑の少女・冬子。 そして何よりも、主人公の息子・文彦が理解できない。 ゴミ捨てのついでに失踪。見つかっても反省なし。そして全ての 謎を解決するスーパー高校生。 彼が恋する相手というのも無理があるような。。。 とはいえ面白くないわけではない。サスペンスとして充分楽しめる。 (書店等であおっているほどではないが。。。) ただ、人の内面をえぐっていくような作品なので、事件自体は 地味だし、大仰な展開があるわけではない。 そのあたりを期待すると肩透かしなのでご注意を。 「彼女がその名を〜」も地味な作品だが、完成度はすばらしいので こちらをオススメしたい。 | ||||
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新聞に沼田まほかるが静かな人気とあったので、一冊読んでみるか、と。 読みやすかったので、一気に読んだ。 新聞には「人の愛憎をうまくえぐり出す」的なことが書いてあったと思う。 集中できないまま、だるーいフランス映画を見ているような、現実感のなさ…。 登場人物の誰一人として感情移入できない。 全員が自己中心的でやたらに神経質で、刹那主義。 人としての魅力を感じない。 容姿や魔性の魅力を描写する部分が多く、男から見て女は性欲や所有欲の対象でしかなく、女は女で誰かに守られることを当然だと思っている、そんないやらしさが鼻についた。 一気読みできるっていうのは、魅力がないわけではないのでしょうが、登場人物に嫌悪感を感じた以外何も感想が思い浮かばない、というのはちょっと悲しい…。 | ||||
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一人旅のお供に、と旅先の駅で買いました 文章力があり、するすると読めるという点では新人離れしてると思いました。 ただセンス的にちょっと古いんじゃないの?って気はします。特に高校生の会話や描写には興ざめするところが多く、現代ものは厳しいのかなと・・・ 感情移入ができないんですね。 内容にしても途中まではぐいぐい引き込まれます。ただ結末がなあ。 あれ?そんなんでいいの?っていう感だけが残ります 少なくともホラーではないかなあ なんにしろ最後まで苦もなく読み進められるというところは及第点 | ||||
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25歳独身女性です。 登場人物に感情移入できませんでした。 この作者の文体は流麗で癖がありませんが、3行4行に渡る感覚的な状況説明が私には長ったらしく感じられ、 どちらかいうとロジカルなミステリや文体が好きな方には向かないと思います。 この感覚的な文体を受け入れるためには、登場人物たち…とりわけ語り手の中年女性に感情移入しなければのめりこめないと思うのですが、 20ほど歳の離れた若い男との逢瀬にどきどきする気持ちや、息子が突然いなくなって狼狽する様子にも「ああそう」という感想しか抱けませんでした。 なんというか、語り手が冷静すぎるんですよね。上辺はもちろん取り乱してるんですけど、読者に心を開いてない語り手の様子に、こちらとしては、 どこまで語り手に踏み込んで感情移入して読んでいいのか分からない作品でした。文章が、登場人物が、優等生すぎるのかもしれません。 大体、こんな18歳の高校生いないだろ!としらけてしまうんですよね。その18歳を何の疑問もなく周囲が受け止めているのも違和感があります。 現代ではなく、昭和初期や明治や、思い切ってもっと過去の時代にしたらしっくりきたかもしれません。 それに何を軸にしたいのかよく分かりませんし…。すべてにおいて中途半端だなぁというのが率直な感想です。 私に人生の経験が足りないのもありますが、根本的にこの作家さんは私には合わなかったです。 | ||||
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文章力もあり、読者をぐいぐいと独自の世界に引き込む。 日常的にありそうな事件から真相が徐々に語られていく。 しかしながら読後感は良くない。それは作品の世界観の問題ではない。 女性からの語り口では共感できない点が多い。 なぜ、関西人の服部にそれほどの嫌悪感を抱くのか。 この女性は社会経験がないのかな…、だから夫に見限られるのかな。 本人は夫を奪われたと思い込んでいるが、果たしてそうなのか。 元夫の口から語られることはない。最後の方で夫が少し狼狽した語り口がある程度。 カンザキミチコに対していい大人があそこまで詰問口調になることもおかしい。というか共感できない。 冬子が死ぬ必然性もわからない。生きていたままの展開もあったと思う。 兄が言う「警察にも病院にも誰にも言えない、事件の模様」が本当に作中で語られないまま終わってしまう。 考えようによっては強制的に近親相姦させられた結果が冬子だとも解釈できる。 しかし明確ではない。 文彦が描いた絵も同じ。絵の意味は描いた本人からの説明はない。 母親が想像しているだけ。これが思い込みに映ってしまう。 女性の一人称語りの形式のせいなのか。 それぞれの本人からの説明があまり聞かされないので、主人公の独りよがりの思い込みのように感じる。 まともでない人間がまともな感性を持っている。 自分はまともだと思い、生活している人間が実は脆く簡単に非日常的な領域に足を踏みこんでしまうという意図は理解できる。 しかし読後感がすっきりしない。単にジャンルの問題だけではないような気がする。 なぜこれが大賞受賞なのか理解できなかった。一気に読める面白さはあるので惜しいと思う | ||||
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これまで決定打に欠けたホラーサスペンス大賞が自信をもって世に送り出した作品が「九月が永遠に続けば」だと聞いた。「これが売れなきゃ何が売れる!」とばかりに気合の入った小説で、ページを捲る手にも気合がこもった。こういうのをリーダビリティーというのだろうな、などと思いながら読了。「いやぁ、いいもん読ましてもらいましたで」と本を閉じたはいいものの、椅子から立ち上がって三歩歩いた直後には「・・・あれ?どんな小説だったっけ?」と、ふと本を振り返る。『ゴミを捨てにいった息子が、そのまま行方不明になる』そんな魅力的な大きな謎も、いざ解決してしまうと「ああ、そうですか」と妙に納得してしまいそれ以外の感情がすべて飛んでしまうのだ。文章力、プロット、キャラクター。すべてがそつなく巧いので、逆に印象に残る部分が少ないように思えた。そういう意味ではとってもホラーサスペンス大賞的な小説であり優等生な作品だ。だけど優等生というものは所詮は近くて遠い存在。一般大衆というものは、劣等生でもユニークな人物に惹かれるもの。優等生であるこの小説が賞関係者の期待を裏切って世間の評判を集められなかったのは仕方ないことかもしれない。優等生を輩出し続けたホラーサスペンス大賞が優等生らしい潔さで賞自体を終了させてしまったのもまた、仕方のないことなのだろう・・・ | ||||
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新人(もっとも著者の沼田さんはプロフィールでは50代の人でしたが)にしては群を抜く表現力と心理描写にまず舌を巻きます。とてつもなく艇長に詳細な描写で読むものを引き込みます。 ある夜、突然一人息子が失踪した母の不安と苦悩の心情を、細かく描いている秀作。自身の情事。別れた夫の再婚相手の娘と息子の関係。そしてその母親亜沙実、と徐々に浮き上がる人間関係を、妖しげな雰囲気(この雰囲気がホラーなのかなあ?)で描いています。 と、作品自体は良いのですが、帯のホラーサスペンス大賞という文字に引かれた私からしてみれば、「えっ、どこがホラー!?」ってな訳なんですね。確かに息子が謎の失踪をするのは母親にとっては恐怖以外のなにものでもないのかもしれませんが、このてのものをホラー扱いするのはどうかと思います。 また服部といういおせっかい親父の存在もせっかくの物語に水を差すような気がしました。 暗い影に覆われたヒューマンミステリーというほうがあっている気がします。 | ||||
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息子の失踪により、息子のまったく知らなかった一面を知る。それは母親にとっては残酷なことかもしれない。自分の腕の中にいると思っていたが、実はすでに手の届かないところに息子はいた。失踪をきっかけにさまざまな事が見えてくる。自分の家庭、離婚した夫の新しい家庭。いろいろなものを巻き込んで、物語は思わぬ方向へ・・・。読み手をのめり込ませる力のある作品だと思う。しかし、失踪の理由や、複雑そうに見えて実際にはそれほど複雑ではない人間関係などに、少々不満が残った。ラストにも意外性がほしかった。 | ||||
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ホラーサスペンス大賞の大賞受賞作です。突然失踪した息子を捜す数日間の物語で、時間的にも空間的にも狭い中で話が進みます。「文章力」が評価されての受賞ということですが、穿った見方をすれば、物語性が弱いということでしょうか。その分、人物造形に秀でており、登場人物である狂人・凡人・俗人それぞれの描写に魅力を感じます。 | ||||
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