バイバイ、エンジェル

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バイバイ、エンジェルの評価:

4.22/5点 レビュー 27件。 B ランク

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平均点4.22pt

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全7件 1〜7 1/1ページ
No.7
(2pt)

バイバイ、エンジェル

ヴィクトル・ユゴー街のアパルトマンの広間で、血の池の中央に外出用の服を着け、うつぶせに横たわっていた女の死体は、あるべき場所に首がなかった。こうして幕を開けたラルース家を巡る連続殺人事件。司法警察の警視モガールの娘ナディアは、現象学を駆使する奇妙な日本人矢吹駆とともに事件の謎を追う。
バイバイ、エンジェル (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)より
4488415016
No.6
(3pt)

「首切りの本質は……殺人という事実の隠匿です」

現象学に秀でた学生である矢吹駆と、
司法警察の警視モガールの娘であるナディアが、
パリのヴィクトル・ユーゴー街で発生した死体をきっかけに、
謎を解いていくミステリー小説。

とても緻密に書き込まれたロジックは、
なかなか引き込まれました。
本格、と呼ばれるミステリー小説が好きなら、
私よりももっと楽しめる一冊なのかもしれません。

抽象的な概念の話が苦手な読者には、
おすすめでない一冊ですが、
本質直観、などの言葉に好奇心を掻き立てられる読者には、
逆に一読をおすすめできます。
バイバイ、エンジェル (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)より
4488415016
No.5
(3pt)

面白い試み

出版時期から考えて、試みは早いといえる。
でも、外国にランドセルってあったけ?
ランセルがなまったものがランドセル。
もとはリュックのようなもの。
当時そんな細かいことは調べられなかったかもしれない。
そこに著者の性格が表れているようで悲しい。
バイバイ、エンジェル (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)より
4488415016
No.4
(3pt)

行動する哲学者 【矢吹駆】

矢吹が作中で語られるとおり、様々な事件は大きく2つに分けられる。「自らの欲を満たすための事件」と「憑かれた観念を正当化するための事件」だ。そして事件の真相は後者である。

 思想、政治、宗教。あらゆる「観念による犯罪」は、古今東西、いつでも、どこでも、更に虚実も差別することなく起きている。しかし、「観念」には罪もあれば功もある。観念による「犯罪」をこの世から一掃することは、その観念による「芸術」も一掃することになり、ゆえに、「人間」である限りは観念による犯罪は無くならないと矢吹は言っている。

 犯罪者に憑いた観念を、矢吹は「悪魔」と称した。ミステリ好きを公言する者なら、「悪魔」を「憑き物」と言い換える者もいるだろう。憑き物と言えば「憑き物落とし」――そう、古本屋の主、中善寺秋彦である。彼もまた、犯罪者に罪を犯させた「概念」を解体することで、事件を考察している。

 だが二人には相違点がある。中善寺の周りには人と物があるのに対し、矢吹の周りには必要最低限の人と物しかない。
 事件への一貫した立場も異なる。中善寺は、自分が関わることで起こる悲劇を望まない。だが矢吹は、自分の関心に沿って事件を考察し判断し、事件の方向性によっては、関係者に苦渋の選択をさせる立場に追い込むこともする。

 まだ『バイバイ、エンジェル』を読んだだけなので、感想はここで一旦終わらせることとする。私の中ではこの時点で、矢吹は事件を解決する「探偵」ではなく、現象学を実践する者――行動する「哲学者」となっている。ゆえに、あらゆる剰余を纏って日々を暮らしている人間にとって、矢吹駆を真に理解することは難しい。だが、矢吹が論じる「現象学」は、現代にも通ずるであろうとは思う。
バイバイ、エンジェル (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)より
4488415016
No.3
(2pt)

連合赤軍の謎は解けましたか ?

作者のデビュー作。作者は連合赤軍のメンバの心理が知りたくて、その一環として本作を書いた由。作者は小説の他、ミステリ評論を書くのが好きらしく、かつそれを貶されると黙っていられなくなって、熱くなって反論するという子供っぽいタイプ。そうした作者の気質が本作にも良く出ている。
舞台はパリなのだが、当時パリで特に学生運動が盛んだったという記憶はないから、設定が不自然である。カッコつけと言われても仕方がない。もっとも、学生運動自身は事件に関係するのだが。そして、作者が本作で披露して見せたのが「直観推理」である。これは探偵役、矢吹が持つ能力の事で「名探偵は事件の初めから真相が分かっている」事を意味するのだそうだ。笑わせてはいけない、ミス・マープルだって刑事コロンボだって最初から犯人が分かっていて、役を演じているんだ。それと首切り殺人事件が話のメインなのだが、トリックに新鮮味が無く全く詰まらなかった。
犯人のグループの未熟さにも呆れたが、作者の未熟さ加減も相当なもので、その後作者家業を続けて行けたのは僥倖であろう。それにしても、本作を書くことで連合赤軍の謎に少しでも迫れたのであろうか ?
バイバイ、エンジェル (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)より
4488415016
No.2
(3pt)

うん

 話自体は多分面白いんだと思う。思想対決のあたりも別に嫌いではない、というかむしろ好きだ。 だけど、舞台も登場人物も駆以外全員外国。つまり、翻訳者嫌いの僕にはちょっと……
バイバイ、エンジェル (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)より
4488415016
No.1
(3pt)

『テロルの現象学』の衝撃が薄まってしまった…

笠井の小説は、『テロルの現象学』の限界を露わにすることだけに寄与しているという意味で、がっかりさせられる。特に、彼の小説の中でも最も良質と評価されている本作品においてもそうなのだから。意図としては、あまりそういったことに関心のない人をその世界に引き込むために小説化したのかもしれないが、先に『テロルの現象学』から入ってしまうと、そこで提示された問題性が実は底が浅かったのかなと思わされてしまうのである。笠井の小説世界においては、特定の狂信的・テロリスト的革命家が背後ですべてを操っていることになっている。主人公との対決図式を明確にするという物語的な機能によって作品としての緊張感を醸しだしているのは事実だが、『テロルの現象学』が提示した思想の怖さ(と同時に実は魅力でもある)という観点からすると、それだけじゃないでしょ?といいたくなる。あと、イマドキ、テロリスト・ネタなら『24』あたりを見たほうが物語としては断然面白いんだよね。
バイバイ、エンジェル (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)より
4488415016