■スポンサードリンク
鎖
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
鎖の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ストーリーの前半は、警察と言う組織とその中の個人、特に主役を女性刑事という設定で、上手く犯罪事件の捜査とからめて、興味深く話を展開しています。(直木賞受賞作「凍れる牙」と同じ主人公名です。) ところが、後半はいけません。特に主人公が犯罪集団に拉致され、この本の題名である鎖につながれてからの話の展開と描写が余りにもシッコイ、だらだらとし過ぎています。拉致場所の熱海における情景と警察の動きの描写などは、うんさりさせられました。 特に女性犯人の性格描写を助けるつもりなのか、その身の上話を挿入したのは、ただでさえくどいストーリーの展開の中にもう一つの重い展開を持ちこんだようなもので、どう考えても成功とは思えません。ステーキーのコースを味わっていたら、焼き肉が出てきたような印象です。 どうもこの著者は、話の描写を必要以上に引っ張る傾向があるようで、単行本も厚いですし、他の作品も文庫ですと上下2冊くらいの分量になるようです。この作品にしても、この3分の2くらいのページ数で書けたのではないか、そしてその方が作品として締まったものになったのではないかと残念です。推敲ということをもっと考えたみたらと思います。 この作者の最高傑作は「涙」という作品だと思っていますが、その作でさえ少し欲張って冗漫なところがあります。ストーリーテラーとしては才能のある作家だと思いますので、高村薫とか桐野夏生のように、妙に「文学作品」を書こうなどというような意識は持たずに、エンターティンメントの傑作を生み出すことに専念して欲しいものです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白かった。それは間違い無い。ただ、それは私が前作『凍える牙』を読んでいたためだろう。こちらだけを独立して呼んだ場合、半分も面白さが伝わらなかったのではないかと思う。別個の物語として見てしまうと、ちょっと評価を下げざるを得ないだろう。様々な面で今作は『凍える牙』とは対照的だ。今作、音道刑事とコンビを組むのは星野刑事。前作でコンビを組んだ滝沢は、昔気質のベテラン刑事なのに対して、星野は最初こそ良い印象を持たせるものの、自分勝手な面ばかりを見せてくる。また、音道刑事自信も、前作はバイクを駆っての追走劇などで行動的な活躍を見せたのに対し、今作は中盤以降は人質として、そのような活躍の場面は与えられない。確かに、犯人と人質の関係で、揺れ動く音道刑事の心情、愛人の暴力と優しさによってがんじがらめになっている加恵子の心情など見所は多い。ただ、滝沢の音道刑事への思いなどは、この作品を読んだだけでは理解できないだろうし、上に書いた対比を楽しむということも不可能だ。その意味で、この作品だけを独自に読んだ場合は、このくらいの評価にせざるを得ない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白かった。それは間違い無い。ただ、それは私が前作『凍える牙』を読んでいたためだろう。こちらだけを独立して呼んだ場合、半分も面白さが伝わらなかったのではないかと思う。別個の物語として見てしまうと、ちょっと評価を下げざるを得ないだろう。 様々な面で今作は『凍える牙』とは対照的だ。今作、音道刑事とコンビを組むのは星野刑事。前作でコンビを組んだ滝沢は、昔気質のベテラン刑事なのに対して、星野は最初こそ良い印象を持たせるものの、自分勝手な面ばかりを見せてくる。また、音道刑事自信も、前作はバイクを駆っての追走劇などで行動的な活躍を見せたのに対し、今作は中盤以降は人質として、そのような活躍の場面は与えられない。 確かに、犯人と人質の関係で、揺れ動く音道刑事の心情、愛人の暴力と優しさによってがんじがらめになっている加恵子の心情など見所は多い。ただ、滝沢の音道刑事への思いなどは、この作品を読んだだけでは理解できないだろうし、上に書いた対比を楽しむということも不可能だ。 その意味で、この作品だけを独自に読んだ場合は、このくらいの評価にせざるを得ない。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!