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【乃南アサ】
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鎖の評価:
8.00/10点 レビュー 5件。 A ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点8.00pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
鎖の感想
「正義の反対はもうひとつの正義」なぜかそんな言葉を思い浮かべました。社会が概ね善であると仮定した場合、その人の心根が善か悪かで「その人の正義」が「その社会の正義」の一致するかどうかで異なるのですよね…。こんな小難しいこと考た理由を分析したら、二人の警察関係者である人物が一人称で語る心境が、激しい自己主張の繰り返しで、時々ただの自己満足としかおもえずいらついたからかもしれません。語り手たちは普通の善悪の感覚を持った人間なので、自分の都合で善悪の判断を下すのは当たり前ですが、仲間や犯人への情や働きかけが、自らの正義の押し付けにしか感じられなかったのです。しつこすぎる独白に飽きていたからでしょう。以上は私だけの感覚かもしれません。そうしないとタイトルが「鎖」の意味がなくなりますからね
音道貴子シリーズは「凍える牙」を既読なので2作目になります。「凍える牙」の「動」な音道とは真逆の「静」な音道、といっても監禁される身分で身動きがとれない訳ですが・・・この作品の音道はヒーローではない気がしました。寧ろ汚れ役と言っていい。窮地に陥った時の人間の本音を主人公であり警察官である音道の口に語らせています。正直格好良くないだけでなく、「音道ってこんな奴?」なのである。そもそも元はと言えば彼女の軽率な行動が原因。彼女の刑事としての今後のキャリアに大きなペナルティがあっても不思議ではない失態な気がします。これが原因で、やはり最前線に女刑事を送り込むのは・・・となりかねないのでは。このシリーズが、男社会の中に生きる女性の強さを描きたいものだとするなら・・・なんて感じながら読んでいました。一人の女性としてはよく頑張った、耐えたという事になろうが、一人の女「刑事」としてはこれは合格なのだろうか。もう1つ、犯人側に魅力がないという事があります。行き当たりばったりで無計画または無知過ぎます。音道の失態には、こんな間抜けな犯人達にというおまけまで付きますね。
読み応えありました
音道貴子シリーズ6作目読了! 音道が成長しています。刑事にもいろいろいて、星野のノー天気ぶりというか、どこかのネジがこわれているような刑事もいるが、ホームレスになりきって仕事を完遂する刑事、プロ集団いいですね。警察にかかわらず組織にはいろんな人がいる。仕事をやりきるプロは魅力的!心に残るのが中田加恵子、幸せになってほしい。そして、平嶋がいいですね。同性としての心意気ですね。温かいものを感じます。あ~あ、これで音道貴子シリーズは終わりでしょうか。是非、続編を!!
文句なしに良かったです。かなり前に『凍える牙』を読んだ時はちょっとファンタジー色が強くてなじめませんでしたが、半端ない長編を一気に読んでしまいました。特別つっぱっている訳でもない等身大の音道さんがすごくいいですね。皇帝ペンギンの滝沢さんも。監禁されてからの時間の経過がものすごく緊迫感があって、自分が被害者の立場になった時の心理描写が秀逸でした。 ▼以下、ネタバレ感想
カッコよすぎるんじゃない、ペンギン滝沢?
女刑事・音道貴子シリーズの長編第2作は、デビュー作以上に読み応えがある作品だった。音道が大量殺人犯グループに拉致・監禁されるという、とんでもないお話だが、監禁物ミステリーとしても、警察の捜査小説としても、はたまた音道の成長物語としても、一級品の読み物に仕上がっている。デビュー作の「凍える牙」は、犬を重要登場人物に据えたこともあって(個人的には)非常にファンタジー色が強い作品と評価したが、本作は、犯行動機や犯行手段、犯人の背景などの面で社会派ミステリーとしての完成度が高く、個人的にはこちらの方が高く評価できる。デビュー作でコンビを組み、さんざん音道を悩ませた皇帝ペンギン・滝沢刑事が、こんどは警察の救出チームのメンバーとして登場し、大活躍を見せるのが面白い。相変わらず、女性刑事と組むことには難色を示しながらも、音道が刑事として優れた資質を持ち仲間として信頼できることを断言し、そんな仲間の救出のために全身全霊をかけて奮闘する。その言動の端々には、父親の娘に対するような愛情が見え隠れし、なかなかにハードボイルドでカッコいい! いやいや、カッコよ過ぎる。シリーズとしてはもちろん、単発作品としても十分に楽しめる警察ミステリーだと思う。
「正義の反対はもうひとつの正義」なぜかそんな言葉を思い浮かべました。社会が概ね善であると仮定した場合、その人の心根が善か悪かで「その人の正義」が「その社会の正義」の一致するかどうかで異なるのですよね…。
こんな小難しいこと考た理由を分析したら、二人の警察関係者である人物が一人称で語る心境が、激しい自己主張の繰り返しで、時々ただの自己満足としかおもえずいらついたからかもしれません。語り手たちは普通の善悪の感覚を持った人間なので、自分の都合で善悪の判断を下すのは当たり前ですが、仲間や犯人への情や働きかけが、自らの正義の押し付けにしか感じられなかったのです。しつこすぎる独白に飽きていたからでしょう。
以上は私だけの感覚かもしれません。そうしないとタイトルが「鎖」の意味がなくなりますからね