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終戦のローレライ



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終戦のローレライの評価: 4.43/5点 レビュー 187件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.43pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全187件 141~160 8/10ページ
No.47:
(4pt)

戦争物としては非常に面白い

巻末の参考文献が、全てを表わしていると思う。序盤の戦闘に始まり、ローレライの力が遺憾なく発揮されるトリのアメリカ艦隊相手の決戦は正に手に汗握らせる。愚直な良心を守って生きる各登場人物の動きも、類型的だが手堅くまとまっている。だが、本来まとめにならねばならない終章の戦後史や、政治関連の薄っぺらさは一体なんだろう?もとより細かな史実の誤り(全く細かくないものもあるが)などに一々突っ込む気は毛頭ないが、イザヤ・ベンダソンの「ユダヤ人と日本人」が参考文献に入っているのを見たとき、呆れ返ると共にある程度納得がいった。その方面に関しては、まともな資料集めなど最初からする気が無かったと言うことだ。とは言え、それはそれで構わないと言える。もとより戦争物としては非常に良くできているし、十分に面白いのだから。浅倉大佐の政治理論のいい加減さにしても、その役目は最終段階で主人公の叫びを誘発するための仕込みであるのだから。しかし、そうであるからこそ、作者の政治信条が透けて見えてしまうような描写はもっと抑えるべきだったろう。終章に端的に顕われているように、バックボーンのない戦後批判が宙に浮いてしまっている様は、取り損ねた毛羽を思わせる。戦争物として、変化球のSF小説として、間違いなく非常に面白い。だが、何か政治思想の表明として受け取れる様なものではないし、そう言う物を期待するべきではないだろう。
終戦のローレライ 下Amazon書評・レビュー:終戦のローレライ 下より
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No.46:
(4pt)

読む価値のある一冊!

福井さんの作品は亡国のイージスを読んだことから、それ以前にかかれたものも何冊か読んでいるのですが、読むたびに色々考えさせられます。この本も前半は専門用語が多く話に入り込みにくかったのですが、後半になるにつれ徐々に引き込まれていきました。私達の祖父母の時代。戦争という私たちが知識でしか知り得ない事柄について、とてもリアリティのある文章で描いています。福井さんの作品は毎回日本人としての意識や、日本という国について深く読者に訴えかけています。男女問わず一読の価値ある作品だと思います。ぜひ読んでみてください!!(前半の専門用語の多さが少しわかりづらかったので★四つです。)
終戦のローレライ 上Amazon書評・レビュー:終戦のローレライ 上より
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No.45:
(5pt)

購入しなきゃ

久しぶりに読み応えのある本にであった一冊でした。福井晴敏さんの本は「亡国のイージス」で始めてであったのだけれど、あの本も休みを入れずに読んでしまいました。今回のこの終戦のローレライは、それよりさらに夢中にさせてくれます。後半は、生々しいまでの戦争の描写もあったので、深呼吸をしながら読んでみたけれど、全体的には頭の中で一場面一場面想像しながら息を詰めてみてしまいました。途中は、笑いあり、涙あり、怒りあり。いろんな感想をもたらしてくれました。この本を読み終わったのが5月3日、憲法記念日。今、ちょうど憲法についての意見が問われています。そんなときに出会って、読んだ本としては、なんというかタイムリー、といった感じでした。今の自分は生きているのか、どう生きているのか。日本は、未来は。そんなことを問われた気がした作品でした。実は、この本を図書館で借りて読みました。けれど、あまりに問いかけの多い作品だったので、これからの自分のために、これは購入して手元においておかなくては、と思いました。ほんとにそう思ったので、これから買いに行こうと思っています。来春には映画化されるそうなので、どんな作品に仕上がるのか楽しみです。できたら、多くの人に読んで、あるいは観てもらって、この作品の問いかけるものを感じてもらいたいなと思います。
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No.44:
(5pt)

さすが!

とにかく熱かった。「Tweve Y.O.」を読んだ時から凄い人がでてきたなと思っていたのだが、今回もさすが福井さん!と、うなってしまった。海軍五省と共に魚雷を撃つシーンは思わず涙してしまった。電車の中で読んでいたので、涙を堪えなければならない箇所が幾多もあり大変だった。読んでいるとじわっと涙が出てくる、これが福井晴敏の作品の真骨頂だと思う。前作「亡国のイージス」の、仙石と如月 行との構図が、伊507全体に拡がっていったように感じた。また、作者がガンダムから多大な影響を受けているのが顕著で、一ガンダムファンとしても非常に楽しめた。
終戦のローレライ 上Amazon書評・レビュー:終戦のローレライ 上より
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No.43:
(5pt)

「亡国のイージス」という亡霊が頭をよぎるが‥‥

 ドイツが無条件降伏をし、日本は本土決戦を決意した第2次世界大戦の終戦間近。属する国を失ったドイツ軍の残軍は、特殊装置“ローレライ”を搭載した潜水艦を手土産に日本へ来る途中、“しつこいアメリカ人”の攻撃を寸前のところでかわすため、“ローレライ”を海中へと投げ捨ててくる。 “あれ”以来、妖刀のような浅倉大佐は“黄色いSS”こと日系ドイツ人のフリッツ少尉を先頭に“ローレライ”の回収作戦を決行する。その作戦に従事する兵士は、内容の全貌を知らされることなく“伊507”に乗り込む。その無謀とも言える回収作戦の重要任務を任されたのが、清永と折笠。だが、回収地点に“しつこいアメリカ人”が‥‥。作戦延期に対し、フリッツ少尉がとった行動とは‥‥。“ローレライ”の正体とは!?  「貧乏暇なし」読んで字のごとく金も暇もないので文庫待ちを決心したそんなある日、幸か不幸か行きつけの古本屋で半額の値札を付けた本作品と目が逢ってしまい、理性を抑えきれなかった書評子は当然のごとく購入。まだ上巻しか読んでいないが、なけなしの小遣いを使っても購入したことに少しの悔いもない。そんな内容となっている。文庫化するのを待っている方、単行本で買う価値あり!
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406211528X
No.42:
(5pt)

超長編だけどあっという間!

福井さんの作品は比較的最近になってファンになりました。それ以前の3部作は全て文庫本になっていたので気軽に購入できたのですが、この作品は上下巻、なおかつ2段組のため実は購入をためらっていました。しかし映画かも決定したため、これは先に原作を読む必要があると考え先日購入しました。文章としてはすごいボリュームですが、読み始めるとあっという間、しかも無駄な描写が少ないので非常にテンポ良く一気に読めました。福井さんの作品は一貫して戦後正面から向き合う課題に対して避けてきた逃げてきたこの国の形、をテーマにしています。エンターテイメントとしても大変評価できますが、国家としてのアイデンティティーやそこに生きる人間ドラマとしても大変楽しめた作品です。
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No.41:
(5pt)

さて映画は期待に応えてくれるか

いよいよ映画の公開が近づいてきました。文庫本も発売になりワクワクします。もう1年以上読んでから経ちますが、前半の締めくくりの2行は(文庫だと2冊目の最後)店頭でパラパラと見ただけでまた熱くなってしまいました。10年ほど広島に住んでいたこともあって、この物語を振り返ると潜水艦の中の葛藤、登場人物の魅力もさることながら、思わず力がはいったかもしれません。福井氏の小説で私の最も好きな「決めせりふ」は、個人的には小説の通り映画でも言って欲しいと思います。良いのがたくさんありますが、やはり1番は唯一出てくる「終戦のローレライに・・・」でしょう。期待します。
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No.40:
(4pt)

戦争と椰子の実

美しい装丁。「亡国のイージス」に受けた感銘。迷わず手に取りました。重厚なテーマに加え饒舌な文章、専門用語も多い為、読み辛いのは確かで、読了するにはそれなりの時間が掛かります。ですが、やはり素晴らしい作品と言わざるを得ません。熱い筆致で描かれる、人間ドラマと戦闘シーンに心震えます。冷めた視点で紡がれる、祖国を憂う思想に心痛みます。戦闘の結末に涙を止めるのは難しく、何を勝ち取る為の戦争か何に命を賭けるのか。縋るものを探してもがき苦しむ登場人物達の命の重さ(いや、軽さなのかもしれませんが)を、考えずにはいられません。殺伐とした戦争の中、幾度となく歌われる「椰子の実」の歌が、琴線に触れます。強い個を持った伊507乗組員達の心の傷、毒素を洗い流していく素晴らしい小道具となっています。正直に言えば、ローレライという非現実的な代物には最初不安を覚えましたが、有無を言わせぬ精緻な描写がリアリティーを与えています。かなりの大作ゆえ、手を出し難い向きもあろうかと思いますが、読めばそれだけの見返りはあると思いますので、お勧めします。できれば次作は、別のジャンルで新境地を見せて欲しいと願うのは欲張りすぎでしょうか。期待を込めての星4つです。
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No.39:
(4pt)

戦争と椰子の実

美しい装丁。「亡国のイージス」に受けた感銘。
迷わず手に取りました。

重厚なテーマに加え饒舌な文章、専門用語も多い為、読み辛い
のは確かで、読了するにはそれなりの時間が掛かります。
ですが、やはり素晴らしい作品と言わざるを得ません。

熱い筆致で描かれる、人間ドラマと戦闘シーンに心震えます。
冷めた視点で紡がれる、祖国を憂う思想に心痛みます。
戦闘の結末に涙を止めるのは難しく、何を勝ち取る為の戦争か
何に命を賭けるのか。縋るものを探してもがき苦しむ登場人物
達の命の重さ(いや、軽さなのかもしれませんが)を、
考えずにはいられません。

殺伐とした戦争の中、幾度となく歌われる「椰子の実」の歌が、
琴線に触れます。
強い個を持った伊507乗組員達の心の傷、毒素を洗い流して
いく素晴らしい小道具となっています。
正直に言えば、ローレライという非現実的な代物には最初不安
を覚えましたが、有無を言わせぬ精緻な描写がリアリティーを
与えています。

かなりの大作ゆえ、手を出し難い向きもあろうかと思いますが、
読めばそれだけの見返りはあると思いますので、お勧めします。
できれば次作は、別のジャンルで新境地を見せて欲しいと願う
のは欲張りすぎでしょうか。期待を込めての星4つです。
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4062115298
No.38:
(5pt)

最高。お世辞じゃなく。。

難しそうな本だなあ、と感じた貴方もご安心を。自分は中2だが、宿題するのも忘れてのめり込んだ。こんなに面白い本には最近出会ってない、と思う。伊507の仲間たち(浅倉たちもですけど)一人一人が魅力的・個性的で強烈に印象に残る。フィクションなのだが、なぜか感情移入してしまい、こういう【太平洋戦争】もありなのかな、と考えさせられる。・・・それと。久々に泣いた。学校の<読書の時間に>だ。まわりの奴らに笑われたが、仕方なかった。自分の贔屓してた【清○】が死んでしまったのだから。・・・と、まあ貴方もすぐ伊507の乗員になれる≦終戦のローレライ≧。今までで読んだ書籍のなかで最高。これを読まないわけにはいかない。・・・・映画化とかないんかなあ。
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No.37:
(5pt)

戦争のひとつの真実

この作品は、もちろんフィクションなのですが、アジア・太平洋戦争においてあるひとつの真実ではないかと思います。とても面白く、そして悲しい物語です。お断りしておきますが、仮想戦記のように次から次に新兵器を投入し、敵をバッタバッタとなぎ倒し、最後には逆転勝利をする。そういった痛快な物語を考えている方にはお勧めはできません。確かに激しい戦闘シーンも多々ありますが、ストーリーは全然別物です。私は、こういった物語をよく読むほうで、その流れで手にしたのですが、読んでみると違うんです。瞬く間に物語の中へ引き込まれてしまいました。今までに一度も読んだことのない、そしておそらくは他にありえないだろうストーリー。戦争の裏側については最近結構明るみに出ていますが、その明るみに出ていない部分の一端を見たような感じです。私はこの本を読んで久しぶりに涙が出ました。今の自分を見つめなおさせてくれる、そんな一面も持った本です。まさに魔法の力を持つ「ローレライ」システム。その魔力に触れ、手に入れたのはとっくの昔に敗北へのカウントダウンが始まっている日本。この魔力で戦況を覆すことはできるのか。話は思いもしなかった方向へ次々に展開します。作者に引っ張られながら読み進めると、突然緊迫の戦闘シーン。無防備な状態で敵から一方的な攻撃。静かに、しぶとく耐え続ける緊迫の海中戦。そして物語は様々に絡み合い、複雑になっていきます。しかしそれを解く鍵はただひとつ。何のための戦争なのか。何になるというのか。戦うものの本音。こうして徐々に佳境へと向かい、最後にはすべて理解し、戦争は終わります。それは、望んだ形だったのでしょうか・・・。できるだけ多くの人に読んでもらいたい。「戦争を知らない世代」だからこそ読んでほしい。戦争はいけないとかではなく、その時その時を生きる人の「今」があります。その人たちにとって「今」はそれが全てであり、真実であり、現実なのです。私が読んだ本の中でも最高の作品だったと思います。
終戦のローレライ 上Amazon書評・レビュー:終戦のローレライ 上より
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No.36:
(5pt)

終戦のローレライ

ナチスドイツは敗戦し、大日本帝国も壊滅的な打撃を受けていた。終戦間近、帝国海軍は「伊507号」戦利潜水艦を極秘裡「最終兵器ローレライの回収」作戦に出動させる。このローレライとは?そして展開はいかに?といったところですが、当時の日本の情景とリアルな展開はこの本の分厚さと、字の小ささを勘定に入れたとしても、面白い。
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No.35:
(2pt)

いやーな感じ

上巻までは星5つぐらいだったけど後半いやーな感じ。前半意味ありげだったなぞの大佐の目的が気持ちわるい。あとアメリカ人がでてくるとすごいうすっぺらいのな。女房寝取られ艦長とか人種差別司令官とかさー。子供っぽい。ユダヤのなぞの組織とかでてきてクライマックスに向けてどんどんテンションがさがっていきました。。。。オチもひどい。いらないとおもいました。作者は文章とか物語の組み立てはおもしろいんだから無理やり思想を押し付けようとすんのはやめたほうがいんじゃない…そのほうがお互いのためだと思うけどなー。
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4062115298
No.34:
(2pt)

いやーな感じ

上巻までは星5つぐらいだったけど後半いやーな感じ。前半意味ありげだったなぞの大佐の目的が気持ちわるい。あとアメリカ人がでてくるとすごいうすっぺらいのな。女房寝取られ艦長とか人種差別司令官とかさー。子供っぽい。ユダヤのなぞの組織とかでてきてクライマックスに向けてどんどんテンションがさがっていきました。。。。オチもひどい。いらないとおもいました。作者は文章とか物語の組み立てはおもしろいんだから無理やり思想を押し付けようとすんのはやめたほうがいんじゃない…そのほうがお互いのためだと思うけどなー。
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4062115298
No.33:
(4pt)

面白かったけど

 元来、福井氏のファンでありまして、非常に期待して読みました所、実に期待通りの面白さであり、思わず目頭を熱くしてしまう瞬間も多々あり、大変にオススメな作品であります。 ただ、多くの方が前作「亡国のイージス」を超えた、と評しているのでありますが、私としては甲乙捨てがたいところであるものの、強いてどちらかに軍配を上げろ、となれば、イージスを取りたい、と思うのであります。まあ、好みの問題なんでしょうが。 ということで、もし、どちらも未読の方は、ぜひ併せてイージスもお読みいただくと宜しかろうと思う次第であります。
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No.32:
(5pt)

歳短くとも感動多し

この本との出会いはあるサイトのかたが2003年で一番良い作品だったと書いてあったところからが始まりです。題名から惹かれこれは「読んでみるしかないっしょ」と思い切って買ってみました。高校生の私にとってハードカバーはつらいですが読後にはそんな感情は微塵も残らずむしろお金を叩いてよかったと思っています。作品の内容は下記の方々が書いてくださっているので書きませんが僕は人生の中で(といってもそんなに読んでないですが)これほど良い小説には出会ったことがないほどとても良い小説でした。特に下巻は涙、涙でページが湿ってしまうほど...(汗)現在2次世界大戦を経験されて生き残ってる人は世界にたった30%しかいなく、多くの方は戦争という悲惨な手段を経験されてません。(もちろん僕もです)中には形だけの戦争しか知らず本当の真実の中身を知らない人も大勢います。そういう人に是非この本を薦めたいと思います。戦争がどれほど悲しいものでどれほどの犠牲が捧げられたのかそして利他的な気持ちを持ち、利己ではない国のため、いや人々のために戦争のない希望を託した戦士たちのストーリーを是非読んでみてください。
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4062115298
No.31:
(5pt)

希望という名の未来

圧倒的スペクタクル,そして濃密な人間ドラマ!戦う愚かさ,戦わなければいけない辛さ,その痛みを全て吸収してしまう少女の悲しき能力。他人を思いやる想像力の塊とも呼べる彼女の存在が眩しい。どんなに先行きが暗くても,争いが絶えなくても,生まれる命がある限り,未来に希望は消えない。経済の充実からは生まれない「自由」の意味。地球の将来までも考えさせる魂を揺さぶる傑作戦争ドラマ。ポッと灯りがついたような,あたたかさを感じる読後感も好き。
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No.30:
(5pt)

ずっしり。

読み応えがありました。主題となる部分ではいろいろ考えさせられました・・。あと、あまり本質ではないところでのお遊びなのかもしれませんが、「船は海の上に限る」「まだ何にもしてなんだぞ」などなど、往年のアニメファンにはなつかしいせりふもちりばめられていたり。福井さんが富野さんの小説にも影響を受けられたということは周知ですが、どうみても佐渡先生の時岡先生といい・・これは福井版ヤマト?
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No.29:
(5pt)

より一層深みを増した福井小説

 前作「亡国のイージス」は個人的にかなり面白く読ませてもらった。しかし今回もそれなりの期待は出来ると思っていたがその通り。今回は「太平洋戦争」を元にした冒険小説。深海という閉ざされた空間で、戦利潜水艦「伊507」はドイツの秘密兵器PsMBI、通称「ローレライ」を回収しに行くことになる。その節を若干17歳で上等工作兵として「伊507」に乗り込んだ折笠征人の視点でストーリーが繰り広げられる。  感じは「亡国のイージス」のような海洋冒険小説。相変わらずの大スケールだし、今回は実話を元にしているのだから創作もなかなか困難だっただろうが前作を遙かに上回る重量感となっている。上巻は取りあえず「ローレライ」の回収と真相。小説中の折笠の切ない想いのそれがこの小説にも通じるのだろうか。そういう風にして福井晴敏は淡々と戦争反対を訴えている。前作と違い実話に基づいていることでより一層深みを増した書であるから違った読み方が出来る。  上巻を読み始めると最初はしんどいイメージがあったのだが、潜水艦に乗り込んでからの旅路は結構読みやすかった。常に前を向いているストーリーではなく何回もつまずいたりしながらも目標達成の為に進んでいく旅路。閉ざされた空間の中で悪戦苦闘する旅でもある。 どうしても高村薫とダブるところが福井晴敏にはある。細かい描写、人一人にしても着実に書き上げ、ストーリーの中で人間ドラマを演出する。決定的な違いはテーマなのだろうけど。福井晴敏にはそれらからでてくる迫力と緊迫感がある。その福井流のオリジナリティが非常に好きだ。 本作は第24回吉川英治文学新人賞、2004年度版このミスで2位、2005年には映画化も決定。週刊文春では「オペレーション・ローズダスト」も連載中の福井晴敏。今は更なる飛躍に期待するしかない。
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No.28:
(4pt)

ラピュタのパズーとシータですよね

おもしろかったです。主人公の少年と少女が『天空の城ラピュタ』に登場するパズーとシータとダブってしょうがなかったです。飛行船と伊507、一人乗りの凧とナバール(小型潜水艇)、潜水艦ブリッジでの2人の会話など、どこかで見たような光景だなあとずっと思いながら読みました。その気になってみると『サブマリン707』を思い出させるシーンもあるし(最後の潜水艦戦なんてそうですよね)、そんなこといったら○○で敵潜水艦を引っかけるなんて『沈黙の艦隊』にあったような…。これ、けなしてるんじゃありません。人物がみな作りこまれてて、ストーリーも二転三転最後まであきませんでした。戦後日本への懐疑は、まあそういう見方もあるわなァくらいで、いつの時代だって日本人のほとんどは一生懸命だったんですよ。
終戦のローレライ 上Amazon書評・レビュー:終戦のローレライ 上より
406211528X

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