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桜の森の満開の下



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桜の森の満開の下の評価: 4.51/5点 レビュー 57件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.51pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全57件 41~57 3/3ページ
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No.17:
(5pt)

坂口安吾選集の決定版登場

安吾の純文学および幻想文学の代表作を網羅した短篇集。
前月発売の「堕落論・日本文化私観」、翌月の「風と光と二十の私と・いずこへ」とあわせて、岩波文庫3冊で安吾選集のコンパクトな決定版ができた感じだ。
分量も過不足ないし、これまでに出たどの作品集よりも純度が高い。
最新版筑摩全集に準拠した初めての文庫本なので、「白痴」や「戦争と一人の女」は無削除版であり、「風博士」は冒頭の1文から他社の文庫と違う。
あとはこれに、推理小説&ファルス、歴史小説、紀行&ルポなどで1冊ずつ作ってもらえれば、短篇選集としては完璧だろう。
この巻の収録作は以下のとおり。
風博士
傲慢な眼
姦淫に寄す
不可解な失恋に就て
南風譜
白痴
女体
恋をしに行く
戦争と一人の女〔無削除版〕
続戦争と一人の女
桜の森の満開の下
青鬼の褌を洗う女
アンゴウ
夜長姫と耳男
桜の森の満開の下・白痴 他十二篇 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下・白痴 他十二篇 (岩波文庫)より
4003118227
No.16:
(5pt)

文章から溢れる力

長編は苦手な安吾だが、短編や中編となると訳が違う。力強さと儚さを矛盾することなく内包したものの美しさを描ききった表題作には、ただただ圧倒される。安吾を読みたい方は堕落論からではなく、この作品から入る事を強く勧める。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)より
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No.15:
(5pt)

名作!

坂口安吾の観念小説二作の漫画化。
どちらの作品も意味深く、解説とあわせて読むと、人の心の不思議さ、奥深さについて深く考えさせられる。
漫画の絵は、少々少女漫画的だが、今風で非常によい。男性でも女性でも読みやすいはず。
「桜の森の満開の下」
 盗賊の男が、一人の美女を奪う。美女は盗賊の妻たちを惨殺するように指示し、盗賊と共に都へ出てからは、首を狩ってくるように命じる。生首で人形遊びをする女の、凄惨な美しさが見もの。
 残酷な話だが、狂気と正常の境界線はどこにあるのかとか、桜にどんな意味があるのかとか、気づかされることの多い作品。
「夜長姫と耳男」
 彫刻家の耳男は、美少女夜長姫のために弥勒菩薩を彫るように依頼される。長い耳を姫に馬鹿にされた腹いせに、耳男はモノノケの像を彫る。しかし姫は少しも怖がらず、耳男に恐ろしい要求を次々に突き出してくる。
 耳男の耳が人間の耳ではなく、ファンタジーとしても読める作品。それにしては怖いが。
 坂口安吾という作家のずば抜けたセンスがよくわかる。ふつうの人間には思いつけない世界観、人物像。とにかくスゴイので、一度は読みたい作品!
一友社名作劇場1 桜の森の満開の下/夜長姫と耳男Amazon書評・レビュー:一友社名作劇場1 桜の森の満開の下/夜長姫と耳男より
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No.14:
(5pt)

「二流の人」

表題作より、収録作品のなかの「二流の人」が絶品。黒田如水を軸に、戦国末期を迅速、痛快、暴力の嵐の中で描き切る。登場人物、秀吉、信長、家康、謙信、小西行長、いずれの人物像も、ユニークで、本質に迫る。戦国期を髣髴とさせるかのような鉈でぶった切るような迫力と人を人とも思わぬ時代の凄まじさが存分に発揮されている。これを読めば、NHK好みの立身出世ものや、会社のやり手サラリーマンに模して、ああでもないこうでもない、だから、信長は偉かった、とやっている馬鹿げた人物談義は、歴史でもなんでもないことがはっきりする。倫理も人類愛も平和愛好も、戦国武者どもには無縁の世界だ。司馬遼太郎も、海音寺潮五郎も、退屈に思えてくるほどの逸品である。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)より
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No.13:
(1pt)

原作主義としては

坂口安吾の原作に心酔している人は、無かった事にして良い。
最重要に描かれるべき桜を、デジタル処理や市販背景コピーで済ませるのはあまりにも酷い。
女と姫が可愛いのは良いのだが、盗賊や耳男が美男なのは違和感がある。
首遊びの凄惨さだけはまともに描かれているが、
桜の森の妖艶な美しさも、ミロクの醜怪な凄まじさも、ここには無い。
一友社名作劇場1 桜の森の満開の下/夜長姫と耳男Amazon書評・レビュー:一友社名作劇場1 桜の森の満開の下/夜長姫と耳男より
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No.12:
(5pt)

桜・着物・美形――素敵です!

凛野ミキさんが描かれるブラックな感じの漫画が大好きなのですが、今回はブラックなうえにいつも以上に美形キャラが多くて、すごく凛野さんのよさが出ていました! 着物とか平安時代(?)の街とか、今までの凛野さん漫画にはなかった要素も楽しめます。1冊で終わりの単行本だから、ちゃんと完結まで読めたのもよかったです。(「光」の続き待ってます…!)
一友社名作劇場1 桜の森の満開の下/夜長姫と耳男Amazon書評・レビュー:一友社名作劇場1 桜の森の満開の下/夜長姫と耳男より
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No.11:
(5pt)

美しく名作を読む

リアルタイムで活躍中の漫画家さんが名作を書き下ろし、
という珍しいシリーズのようです。
表紙のキレイさにジャケ買いしましたがアタリです!
原作の良さを生かしつつ、ちゃんと「漫画」として
読み応えある作品になっているのは漫画家さんの力量ですね。
ちょっとお値段は張りますが、見栄えがするのでよしとしよう。
一友社名作劇場1 桜の森の満開の下/夜長姫と耳男Amazon書評・レビュー:一友社名作劇場1 桜の森の満開の下/夜長姫と耳男より
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No.10:
(5pt)

正気では書けない

日本むかし話のようであり、絵本のような話である。
オチもなく、寓意性もない。
けれどもこの物語に描かれるカットは、いままで読んだいかなる本とも類を作らず、独特で強烈な光彩を持って心の底に沈殿する。とりわけ、山に住む男にさらわれてその妻となった美しい女が、男に取って来させた大量の生首で無邪気に遊ぶ場面は、その薄気味悪さとは裏腹に、バービー人形で遊ぶ少女のようでむしろ愛らしい。
坂口安吾は大量の覚醒剤でも服用しながら書いたのだろうか?この物語自体が、あたかも覚醒剤のような働きをもって常識的な思考に効果を示すだろう。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)より
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No.9:
(5pt)

満開の桜がすべてを飲み込む

古事記の木花之佐久夜毘売に匹敵するくらい、
桜に神秘的な雰囲気を与え、美しさ、不条理、
そして死を連想させる作品。
怖い女と、そんな女に惚れてどんどん壊れていく男。
愛だって一筋縄ではいかないのが、安吾流。
怖いけれど美しく、ついつい読み返してしまう。
読めばきっと、桜がもっと好きになる。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)より
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No.8:
(4pt)

ダメ男好きな私

大好きな坂口安吾の作品はいっぱいあるんですが、ここはスタンダードに『桜の森の満開の下』で。彼の作品は色んなタイプがありますが、これは王朝物に分類されるのかな?とにかく美しい文章で、こちらの息が苦しくなるような静謐な世界にどっぷりと浸ることができます。『私は海を抱きしめていたい』とかが大好きなんですが、この人の書く女性って、とても美しいですよね。『白痴』とかを読んでさえ、私は美しい、と感じるんです。きっと、この人は女性が大好きなんだろうな、って。決してイヤらしい意味ではなく、女性という自分とは別の存在をすごく大事にしてくれている感じが私はするんです。この作品も女性の美しさや怖さを書いているけれど、結局それは男の目というフィルターを通した女でしかなくて。こんな女であって欲しい、とかこうなんだろうな、という欲求とか願望が透けて見えて、かわいいな、と思ってしまうんですよね~。あー、書いていて私って本当にダメな男が好きだよな~、と再確認(笑)
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)より
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No.7:
(5pt)

おかしくて笑ってしまうけど、哀しい

 「堕落論」等、安吾作品はエッセイが読みやすくおもしろい、というのが定説の様ですが、かく言う私もそう思います。ですが、表題作を始めて読んだ時の胸を締め付けられる様な寂しさ、美しさは胸に残るものです。  作者自身、著作のエッセイにおいて、童話の”赤ずきんちゃん”が狼に喰われてしまう事の残虐性、しかしその中に含まれる文学の懐かしさ、読み手が一人突き放されて、ポツンと残されてしまう文章の解説をしていますが、正にその方法論において成功した作品だと思います。 また、「子供を食わせる経済的な余裕が無いために、その子を殺して埋めた」という話をある農夫から聞かされ、本当の話かどうか疑った芥川龍之介に対し、「本当だがね。俺がやったのだから」という農夫のなんでもないという様な態度に、芥川は大変やりきれなくなったという話も著者が別作品で述べていますが、その”懐かしさ”にこだわる所が坂口安吾。 善か悪かではない、善は善あるがゆえに、悪は悪であるがゆえに、鋭く純粋な響きを相手に与える。インド哲学にも凝った作者ならではの世界観。それはやはり、釈迦的であると同時に健康な肉体から生まれる文学であり、同じ無頼派文学といわれる太宰治や織田作之助らとは違う視点を持ちえていると思います。 しかしながら、その背景にブルジョアな家庭というバックボーンがある事も事実。つまり、その視点は自らの背景への反抗であり、反動であり、自己解剖でもある事でしょう。読み手も、そこから自己解剖を試みるという様な不思議な図が浮かぶのは、私だけではないと思います。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)より
4061960423
No.6:
(5pt)

透徹した視線と精緻なスタイル

表題作には一つの恋愛の構造が描かれています。奇妙な印象を受けるのは抽象化された物語だからでしょう。桜の下に何があったのか読者の胸に委ねられるということです。ほかに収録されている作品も皆粒揃いです。妥協なく人間を見つめるまなざしが美しい日本語で流れていきます。文庫にしては値段が高いですが作品のクオリティも高いですから。おすすめです。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)より
4061960423
No.5:
(5pt)

この本が私の坂口デビュー作

表題作の不条理で夢幻的な、かつ真に迫る文章もさることながら、私が一番感銘を受けたのが「夜長姫と耳男」です。(「ミミオ」の表記、間違ってたらごめんなさい。)深い愛を抱くことがすなわち強く憎しむことに通じるということ、生きるということ全てに亘って生半可な感情で取り組んでは何も残りはしないし、何に対しても影響を与えられない、そしてそんな生き方は、感情の持ちようはオハナシにもならないという筆者の全作に通じるテーマがビシビシと感じられる。おそらく他の作家が上記のテーマを題材にしても、これほど切羽詰った、綱渡りな強い印象を与えることは不可能で、陳腐な文章に終わってしまうであろう。必読です。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)より
4061960423
No.4:
(5pt)

ANGO疾走する

坂口安吾は『日本文化私観』において、必要に基づいてのみ「美」だと説いている。必要ならば法隆寺を壊してSTATIONにしろ、と言っている。
要するに、たとえば京都の御所が邪魔で、自転車の通行が妨げられるのなら、御所の一部を削ることが必要だといっているのだ。本質的な日本文化などない。日本人の生活が高ければそれでよい、と述べたこともある。この合理主義の徹底が、「もう軍備はいらない」にまで昇華される。必読されたし。
以上述べたような途方もないほどの合理主義者である彼が描く、桜の下での透き通った世界。魅惑された。
驚くしかない。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)より
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No.3:
(4pt)

日本人の例のゾクゾク

私に限らず、満開の桜を見ると、尾てい骨の方からぞくぞくぞわぞわと何かが沸き上がってくると思うのですが、ジェットコースターの急降下とも違う、自分の中の異なるものの存在。あれに気付く瞬間が例のあの感覚だと思うのです。本作は、古典に題材をとりながら、誰にも潜んで知る狂気を鋭く示唆する。坂口安吾という1個の「狂」に筆を執らすとこういう作品になるのですね。近年頻発する劇場型通り魔犯罪、あんなインチキな狂い方とはまるで違う。桜に血が湧きたぎってしまうのは、日本人だけなんでしょうか?誰かを刺しそうになったら読んだ方がいいですよ。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)より
4061960423
No.2:
(5pt)

美しく冷たく哀しい桜の下の物語

美しさゆえに人を惑わす桜の森・・・男は蒸し返すような花びらの中、たった一人で舞い続けていたのだろうか・・・。男は女を狂わせた。狂った女に嵌っていく男。桜の嵐に包まれた、罪深き男女の哀しい軌跡。男を埋め尽くす花びらは、美しく、冷たく、残酷な、あの女のようで・・・。まどろみの中、男は幸せを噛み締めたであろう。坂口安吾の生み出した芳醇な言葉の魔力が、時空を超えて酔わせます。狂って、そして泣いてください。きっとあなたも桜の花びらに埋もれたくなることでしょう。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)より
4061960423
No.1:
(3pt)

頬を撫で肩に落ちかかってくる桜の花びら

突然、千年の昔に迷い込む。頬を撫で肩に落ちかかってくる桜の花びら。花びらに誘われて後ろを振り返るとそこには鬼が・・・。目の錯覚か・・・美しい姫がいた。人を殺すこととをいとわず、あたりまえに生きてきた山賊が、ある姫を家に連れ帰ってくることで、少しずつ変わっていく。これは、大人のためのおとぎ話だ。背中がしんと冷えるような怖さがあるのに、どこまでも美しい世界がそこに存在する。安吾のすばらしい音と言葉の配置。日本語がわかって本当によかったと心から感謝した。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)より
4061960423

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