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天使のナイフ
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天使のナイフの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全175件 141~160 8/9ページ
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江戸川乱歩賞ということ、レビューを読むと先が読めないとのことでとても期待した。わくわくして読み進めると、何かのテキストを読まされているような錯覚に陥り、果ては暗い語り口に気分まで落ち込む。 先が読めないというところも、そりゃご都合主義的に人物が登場すれば先が読めないのも当然でしょうと思った。 失望しました。 | ||||
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生後間もない娘の目の前で惨殺された妻。犯人は、十三歳の少年三人。四年後、妻を殺した少年たちが次々と襲われます。被害者家族は、少年法が改正されても蔑ろにされています。少年法の死角に迫り、罪を犯した少年たちの更生のあり方や贖罪の問題を描いています。最後の方がちょっとやりすぎかなと感じましたが、二転三転するストーリーに気が抜けません。ミステリとしても、少年問題を扱った小説としても楽しめます。 | ||||
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一つの事件から生じる被害者と加害者の葛藤を描いた小説は結構な量を読んできたが、 本作はその中でも上位に入る。 人権を一方的に唱える説教小説でも、ただただ少年犯罪者の恐ろしさを見せ付けるわけでもなく、 被害・加害者家族がいかに苦しみ、どのように生きてるかが丁寧に書かれているところに感動した。 特に、一人一人のキャラクターがカテゴリ別に分類されておらず、独立していたのがよかった。 こういう小説の場合、被害者側・加害者側で設定してしまい、『加害者悪=全員無反省』 『悲壮な被害者=聖人君子』となりがちだが、ある者は過去の罪の贖罪を探し、 ある者はただただ罪におびえ逃げ出し、またある者は被害者として殺意を煮えたぎらせ・・・・ ステレオタイプじゃないからこそ、罪というものの重さ、償いの難しさを読み取ることができた気がする。 久々に読んだ、強烈な一冊でした。 *ただ、登場人物のつながりがちょっと狭すぎる範囲だったのに違和感を感じました。 | ||||
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少年法がテーマ。 厳罰・更正どちらの角度からもうまく描かれてあります。 罪に問われないのなら・・・ 裁くことができないのなら・・・ 自分が殺してやりたい。 「裁くことができない」という苦しみを背負った男の葛藤と それでも生き続けていくしかないという悲しさが響きます。 登場人物全員が何かを隠してるようにあやしいです。 みんないい人なんだけど、どこか釈然としない。 そのすっきりしない所も引き付けられました。 ただし、伏線が畳み掛けるように絡み合っています。 それにやや作り込みすぎな印象も受けました。 | ||||
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少年犯罪・少年法という難しいテーマであるにもかかわらず、 高質なエンターテインメントにまで昇華したのは見事です。 少年法についても厳罰派・更正派の両方から巧みに描いています。 構成・人物描写も読ませます。 普段は本を集中して読む事があまりないのですが、これを読んだ時は 一気に読み切ってしまいました。 | ||||
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少年犯罪と贖罪がテーマというと、堅苦しく、説教じみた内容なのかと思いましたが、いえいえ、大変に読みやすく、でもしっかり突っ込むところは突っ込んだ作品でした。 中盤以降の畳み掛けるような展開は、すごいです。伏線もしっかりしているので、登場人物のすべてが何かのカギを握っているような感じになってきて、途中ではやめられませんでした。 作者はこの作品の執筆のために、1ヶ月前に仕事をやめたとか。それで初の江戸川乱歩賞受賞ですよね。今後の作品が大いに楽しみです。 | ||||
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普段忙しくなかなか本も読まない私だが、タイトルと書評に惹かれ購入。序盤は比較的ありがちな展開だが、中盤あたりからグッと面白さ、複雑さがUPし、途中で本を閉じることができず一気に読み切ってしまった。主人公に感情移入し後半は、ホント悲しくなった。文章表現のうまさ、読みやすさ、脚本において秀逸。ただ流れが全体に真面目で、桧山とみゆきの関係がもう少し発展して欲しいと思ったのは、俺だけではないだろう。そういう「道草」的要素もあれば、もっとメリハリがついたと思われる。今から次回作が楽しみだ。 | ||||
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友人から薦められた江戸川乱歩賞受賞の力作.中盤から終わりまで一気に読んでしまった. 「少年犯罪」とその「贖罪」がテーマ.メディアでは事件や裁判などで時々特集が組まれるが,重苦しい話題である.前半は重苦しさの中で比較的無機的に書かれており,もう少し人間の機微を書き込んでも良いように感じたが,後半の2重3重に予想を裏切る展開への複線を考えると,あまり書き込むと矛盾が見えてしまうことかもしれない. とにかく,終盤は「バック・ツー・ザ・フューチャー」の乗りで若干無理は感じつつも,「そうきましたか,お見事!!」という感じである. | ||||
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少年法をめぐる議論はいろいろな事件が起きるたびにでてくる。 この小説は少年法がかかえる問題点を被害者・加害者双方の立場をうまく説明するストーリー仕立てになっている。 読んでいってどんどん引き込まれていく展開・構成は大変すばらしい。 難を言えば、それぞれの設定があまりにもドラマチック過ぎてしまったところで、現実味が薄れたところかもしれない。ただ小説として割り切って考えれば何ら気にするところではない。 | ||||
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まずやられたな、と思ったのがタイトル。江戸川乱歩賞は毎年読んでいるのですが、今回の受賞作のテーマとタイトルを聞いた時は、なんて安直なんだと高を括っていました。ところがいざ蓋を開けてみれば、そこには、思わずあっと声に出してしまうような仕掛けが施されていることに気付かされました。完敗です! 内容も、つい先日少年から大人へとなった自分にとって、非常に考えさせられるものでした。少年犯罪に対する国の姿勢の矛盾。そこから生まれる様々な葛藤、怒り、やりきれなさ。罪を犯してしまった側の苦悩。それらが実に見事にミステリーの中に組み込まれており、そういった意味では、高野和明氏の「13階段」と似たものを感じたが、あちらとはまた違った読後感を味わわせてくれます。作者の次回作にも十分期待ができると思います。 ただ、主人公の1人称で進んでいた物語が、ある場面で、別の人物の視点が入ってしまう部分が少し気になりました。 | ||||
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少年法をモチーフに作り上げられたミステリ。 少年犯罪という重たいテーマと、ミステリを 上手く融合させた手腕が素晴らしい。 主人公を始めとする人物像は勿論のこと、 よく練り上げられた緻密なプロットや伏線のあり方、 そして二転三転する展開。文章も読みやすく、 とてもこれがデビュー作とは思えない完成度だ。 個人的には、歴代の江戸川乱歩賞受賞作の中でも 上位に入る作品だと思う。 「『13階段』のような心揺さぶる作品を書きたい」と 強く思い、小説を書き始めたという著者の薬丸岳さん。 デビュー作でいきなり注目を集め、次作以降での 読者が求める水準も高くなるだろうが、これからも 力作を生み出していって欲しい。 | ||||
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前半と後半で全くスピードが異なる。 前半は執拗に事件を探ろうとする主人公のエネルギーが物語を動かし 後半は二転三転する早い展開に読む手を止めることが出来なかった。 テーマになる少年犯罪は最近よく扱われるので最初この本もその手かと思って 予想が覆される。 見事としか言い様のない仕上り。 読後も問題提議されてはいるが、重い気持ちに引きずられることなく 真摯に受けとめることが出来る。 この1冊書き上げるのに費やしたエネルギーにも★を更に増やしたい作品 | ||||
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なぜ殺されなければならなかったのか?被害者の家族なら誰でもそう思う だろう。この作品の中の「なぜ?」の理由は驚くべきものだった。桧山の妻が 殺されたのは?桧山の妻を殺した犯人が殺されたのは?真実が見え始めたとき、 さまざまな出来事の一つ一つがつなぎ合わさって、最後には驚くべきものに なっていく。「少年法」の問題、加害者側の問題、そして被害者側の問題などが ミステリー的な要素と絡み合い、作品をとても面白いものに仕上げている。 「罪を憎んで人を憎まず」という言葉があるが、この言葉の実行の困難さ そして大切さを、同時に知ったような気がした。 | ||||
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本書は前評判も高く、大きな期待を持って読んだ。 「少年法」、「少年犯罪」という重いテーマに挑んだ現代社会派ミステリーの問題作といっていいだろう。惜しむらくは「乱歩賞」の応募規定に原稿用紙にして550枚という枚数制限があるため、あれもこれもといろんな要素を盛り込みすぎて、あまりにも都合よく最後に結びついてしまう不自然さがあった。 しかし緻密に張り巡らされた伏線の妙といい、読み手を惹き付けるストーリーテリングの巧みさといい、読み応え十分の力作だった。 | ||||
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中盤までは、被害者家族である主人公の目線から 少年法に対する憤りとかがツラツラかかれていて、少々退屈と 思ったけれど、中盤からぐんぐん惹きこまれるようになり、 二点三転、どころか終盤でどんでん返しの連続! ぜひ最後まで読んでほしい作品です。 江戸川乱歩賞受賞作の中では13階段に続くぐらい面白かった! | ||||
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少年犯罪を小説で体験するなら。守られる少年犯罪者に対する被害感情、やりきれなさ。少年を保護する側の論理、思い。罪を犯した少年犯罪者の葛藤。全部詰まっている。そして、ラストに向け、少年犯罪がうわっと押し寄せてきて圧倒されるほど。 | ||||
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本書は第51回江戸川乱歩賞の受賞作。 桧山は、当時中学生だった八木、沢村、丸山に妻の祥子を殺され、娘の愛美と二人暮し。妻を殺されるという悪夢もようやく頭の片隅に追いやり、娘との幸せな生活を送ることができ始めたころ、加害者のひとりである沢村が桧山の職場近くで死体となって発見される。妻を殺された直後、桧山はマスコミの前で加害者を殺したいと発言しており、警察はアリバイのない桧山を疑う。一方、桧山は沢村が殺されたのを機に、加害者3人を調べ始める。 加害者は事件当時、なぜ北浦和まで足をのばしたのか? 事件前に妻の口座から降ろされていた500万円の行方は? 殺害された沢村が言っていた「本当の贖罪」とは? 少年たちが遊ぶ金欲しさに犯した殺人事件が、思わぬ方向へと展開する!? | ||||
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「少年法」というとても難しい題材を基に描いた作品です。多少、人物造詣、描写テクニックに読むほうがばたばたさせられた所もありますが、読みごたえ十分で、最後の謎解き、犯人探しも意外な人物で、とても楽しめました。江戸川乱歩賞というと、とても有名で、過去に素晴らしい作品が多々ありましたが、本作品も過去の受賞作に負けない第一級品に仕上がっていると思います。個人的には、乱歩賞の過去10年程の作品では、テロリストのパラソル、破線のマリス、13階段級の傑作の評価です。 | ||||
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第51回江戸川乱歩賞受賞作少年犯罪・少年法という近年特に話題とされることが多く、取り扱いの難しいテーマを取り上げた作品であるが、被害者のみでなく加害者の視点からもこれらの問題をとらえ、うまくまとめている。巻末の選評を読むと、初回の投票でダントツで賞が確定したそうであるが、それも納得できる出来映えであった。また、近年ではあまりないことであるが、審査員が5人とも絶賛していることからも、質の高さがうかがえるのではないだろうか。(昨年の受賞作の選評は、受賞作とは思えないほど酷評されていた。)作品を読んでいて気になったのは(以下少しネタバレ)、被害者の預金通帳と、初回の殺人の動機である。いくら妻を殺されたショックがあるとはいえ、500万円という大金を事件直前に妻が引き落とし、それが何に使われたかわからないとなれば、普通、夫として疑問に思い、調べるのではないだろうか?すくなくとも数年間放置することは、普通考えられない(かつ、このことを夫が調べていれば、2回目の事件は起こらなかったわけだが)。また、初回の犯罪の動機も、納得できるものではなかった。この程度の動機で、赤の他人を殺せるものだろうか? とわいえ、これらの欠点(?)を些細なものと感じさせてしまうほど、作品としてはよくできていたと思う。次回作も読んでみたいと思わせる作家である。余談であるが、候補作の中に、プロットはすばらしいと審査員全員に褒められながら、文章が稚拙とこれまた審査員全員に酷評されている作品がある。どんな作品か読んでみたいと思うのは私だけだろうか(詳しくは巻末の選評をどうぞ) | ||||
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細かいことを書くとこれから読む人に申し訳ないので書かないが、掛値なく面白い。少年犯罪を題材に使っているのだが、ストーリー展開が絶妙で、特に後半は本に引き込まれてしまう。最後の意外なオチがまたよい。お薦めである。 | ||||
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