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天使のナイフ
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天使のナイフの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全175件 101~120 6/9ページ
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文章が流れて行かないのがつらい。言った、見た、思った、って小学生の読書感想文じゃないんだから。 内容としては一つの事件を紐解いていく中で、隠れていた事件がドミノ倒しのように繋がって一つになるという作品。 読んでいる間は楽しいが、読み終わって自分の中で全体像を見たときにさて、どうか。私には合格点は出せない。 「被害者を無視して真の更生などありえないのに」 今まで構築してきたキャラを無視してでも貫井の口から言わせたかったのか。 ”少年法と被害者救済”のテーマごり押し作品。 | ||||
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40ページ程の冒頭のダレ場を 我慢して読みきれば、以後、終章までの ストーリーは興味深い展開で進む。 ただし情景描写や、心理描写は 言葉の使い方が生硬なうえ、紋切り型で 飛ばし読みしたくなる。 伏線がさまざま張ってあって、 それが、地の文に埋め込まれているので それを読み飛ばすと、物語がわからなくなる。 と、批判したが、全体的には乱歩賞のレベルを 保ち、おもしろい。 ただし終章は、骨格が実際にあった話のアレンジなので 興味をそぐ。 元ねたは、作者も参考文献にあげている奥野修司氏のルポ、 「28年前の『酒鬼薔薇』は今」である。 奥野氏はこの話を「こころにナイフをしのばせて」 という本にまとめている。 だから、終章まで楽しみたいひとは興味をそがないように 「こころにナイフをしのばせて」を先に読んでは行けません。 終章のがっかり感をなくすために。 | ||||
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少年法をテーマとしたミステリーは数多くあります。 しかしこの作品は、その全体的に流れる悪意と諦念は出色です。 あらゆる登場人物が根底で不信があり、また長年の恨みを持ち続けているというのは、寒気がするほどです。 少し考えさせられるテーマです。 | ||||
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自分が意識してこなかった、少年法の意義と問題点が、登場人物を通じて複眼的に語られていき、 なかなか考えさせられることの多い社会派の小説です。 心情描写も巧みで、主人公が犯人扱いされ追い詰められていく息苦しさを、ありありと感じました。 最後は、ちょっと付け足して的な部分もありますが、それまでの全てのプロットが全て綺麗にはまり、 あんな所にも伏線が張ってあったのかと驚きました。 | ||||
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少年犯罪を題材にしていますが、、ちょっと期待がはずれました。 作品としては結構おもしろかったのですが、不満点も結構ありました。(下記参照) ・三人の少年に対してあまり憎しみというか、憤りを感じる事ができなかった。 →だから少年達が殺害されていってもスカッとしたカタルシスを感じる事が出来ない。 ・各人の犯罪、行動に対する理由付けがあまりにも丁寧にされすぎていて綺麗事に思えた。 →少年達が妻を殺した理由が突発的な動機では無く脅迫されていた事。 →黒幕的な少女も非常に暗く耐えがたい過去をもっていた事。 →その原因が妻であった事。 ・最後の弁護士のくだりも不必要な感じがした。 とにかく、綺麗にまとめ過ぎた感じがします。 | ||||
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本書は第51回江戸川乱歩賞受賞作(平成17年)に輝いた少年犯罪を題材としたサスペンス小説である。 生後五ヶ月の娘の目の前で妻・祥子を惨殺された夫・桧山貴志。犯人が十三歳の少年三人で刑事罰の対象外である事を知り、怨嗟する日々であった。四年後、犯人の少年の一人が殺され、疑惑の人となった彼は、事件後の少年たちの行方を追うが、そこには信じがたい真実や恐るべき真相があった…。 事件後も粛々と過ごすカフェ店オーナー・妻・桧山貴志、4歳になる一人娘・愛実、祥子と中学時代の親友で愛実の通う保育園の保育士・早川みゆき、カフェ店の従業員・福井健と新人アルバイト・仁科歩美、当時の事件担当である埼玉県警刑事・三枝利幸、少年犯罪を取材するノンフィクションライター・貫井哲郎、殺された少年と幼馴染で桧山に協力する少女・加藤友里、犯人の少年の担当弁護士・相沢秀樹などなど…。 昨今、少年犯罪を扱った作品は数多くあり、本書も読み始めた頃の印象として少年犯罪の背景に隠された真相を暴くありふれた物語だと思っていたが、登場人物の関係性がよく練られており、読み進めるうちに真相が徐々に明るみになっていき、物語が一段落ついた所で終焉だと思っていたが、さすがは乱歩賞受賞作というべきか終章である最後の最後にもう一つ物語の真相を明るみにする展開は面白く堪能した。 | ||||
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主人公は、当時13歳だった少年に最愛の妻を殺された男性。 物語を読み進め、新たな手がかりを得る度に、主人公の悲しみが胸に突き刺さる。 少年法の問題点・更生とは何かについて考えさせられる作品。読み終わったとき、ニュースを見る視点が変わると思う。 所々に張られた伏線が最後に1本につながります。 ものすごーーーくおもしろいです! | ||||
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2ちゃんで天使のナイフがオススメの本というレスを見て、図書館で借りて読んでみた。 さすがによくできたストーリーで、完成度としては高いと思う。 ただ、読んだ後はかなりへこむ。自分の子供が生まれたばかりだからというのもあるだろうが、読んでいくにつれてだんだん落ち込んでくる。何にしても「たられば」は無意味なものだが、このストーリーには「たられば」を使いたくなる悲しいストーリーですので、へこむ覚悟を決めて読んで下さい | ||||
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最初から最後までストーリーから目が離せず、非常に読み終えて感動する作品です。大どんでん返しが好きな人にお勧め。内容も最近多い少年犯罪で非常に考えさせられることも多い。最近読んだ中ではダントツで面白い作品 | ||||
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少年法の不条理と、被・加害者双方の心理を主題として扱ってはいるが、本作はルポルタージュでもなければ、何らかの主義主張の啓蒙書でもない。あくまでエンターテイメント作品である、楽しむ気がないなら読まない方がよい。文章は素直、構成もテンポ良く、読み通すに苦労はほとんどなかった。主題はキッチリ整理できており、裏には相当な取材なり下準備なりがあるのだろう。これだけの工夫や意図を詰め込みながら物語としてまとめきったという点も評価できる。総じて、作品に自然に身を委ねることができた。手堅い作品、と言えると思う。ただ、極論を覚悟であえていうなら、エンタメ要素はない方が個人的には良かった。楽しむ気があってすら、ボクは目くるめく展開に後ろめたさを感じながら読んだ。 | ||||
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最近では光市母子殺害事件に代表される「少年犯罪」の問題に真っ向から挑んだ意欲作。主人公は少年三人組に妻を殺された男。この主人公の心情に仮託して、被害者の遺族の消え遣らぬ心痛と不条理感、加害者の人権に対して軽視される被害者の遺族の人権、犯人の更生の真の意味とその可能性を考察したもの。「国家が罰を与えないなら、自分の手で犯人を殺してやりたい」との主人公の言葉は、上述の光市事件の遺族の方の言葉そのものである(「なぜ君は絶望と闘えたのか」)。むしろ、論文として発表した方が良い内容だが、小説として発表している以上、味付けがしてある。 主人公が過去の傷を忘れようと努力している最中、社会に戻って来た三人の加害者が次々と殺される。上述の復讐の言葉に加え、事件現場が主人公の勤務先と近くてアリバイもない点から、主人公は当初、犯人として疑われるという皮肉。主人公は自らの無実を晴らすためと言うよりも、過去の事件を含めて、事件全体の真相を明らかにするため、単身で行動する。その中で、上述の課題が綿密に検討される。「主人公の想い=作者の意見」だと思われるので、評論と小説との切れ目が難しかったと思うが、過去の事件に仕掛けを施し、小説の体裁を保っている。その真相は偶然に偶然が重なったようで、意外性を感じると言うよりは、本作の主題を曖昧にしている感を受けた。別にミステリ性に拘る必要はなかったのではないか。特に、主人公が加害者に対して一縷の同情を覚える辺りは、その曖昧性を倍化しており、この問題を一方向から語る難しさを象徴している。 万華鏡などの小道具の使い方も巧く、小説としての工夫も見られるが、「少年犯罪」と言う主題を、迫力と緊迫感ある筆致で描いた前半の勢いで押し通した方が更に良かったと思う。 | ||||
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少年犯罪をテーマに、重層的に構築されたストーリーである。 良く練られたプロットだと思うが、少年犯罪が少し多すぎるの では無いかという気がする。主人公を通して少年犯罪について の問題点が語られているが、これも少しくどいような気がした。 まだ荒さや未熟な点はあるが、所々に目端の利いた描写が あり、ストーリーも難しいテーマでありながら、そつなく纏められ ている。新人が応募する江戸川乱歩賞の受賞作の中では、 高いレベルの作品と言えるだろう。 | ||||
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「少年犯罪と法」という重いテーマと、サスペンスとしても十分に楽しめるエンターテイメント性のバランスが絶妙です。張り巡らされた謎に引き込まれるうちに、主人公と一緒に私自身も葛藤を繰り返すことになりました。 重いテーマを敬遠される方にも、このテーマについて考えを巡らせてみたいという方にも、どちらにもおすすめできる作品だと思います。是非。 | ||||
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いわゆる"少年犯罪"の話。主人公・桧山は生後5ヶ月の娘の目の前で妻を殺された。 が、犯人は3人とも13歳の少年のため、罪に問われることがない。 そしてその4年後、その少年のひとりが何者かに殺害され、 アリバイがなく動機のある桧山は警察に疑いを持たれてしまう・・・。 ここから再び事件が動き始める。 妻を殺した少年は、事件の後一体どういう気持ちで日々を過ごしていたのか? 反省はしていたのか?更生への道をきちんと歩んでいたのだろうか? 桧山はそれを知りたいと思うようになり、そしてここがこの作品の大きな鍵になる。 つまり、妻を失った夫の恨みや復讐心ばかりを強く押し出すのではなく、 あくまで少年法とは何か?更生とは何か?そして、なぜ少年達は犯罪を犯してしまったのか? というところを突き詰めていく点にいい意味で期待を裏切られた。 被害者の訴え、加害者の訴え、そして少年達の更生に携わる者たちの訴え。 それぞれの視点から明かされていく事件の"真相"に、なんだかやり切れない気持ちにさせられるが・・・ 最後はちょっとうまくいきすぎというか、出来すぎでは?と思う点も否めない。 | ||||
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乱歩賞作品ということで読んでみました。 テンポがよく、文章も読みやすく、 最後まで飽きずに読めました。 扱っているテーマも重要なものだと思いました。 ただ、人物描写。特に女性の描写がどうも 好きではありません。 好ましいキャラクターが男性女性含めいなかったので そこまで面白いとは思いませんでした。 解説は高野和明氏が書いていましたが、 本作品はそういえば彼の書いたものに似ているような 感じもしました。 ストーリーの展開も少々無理があるような気もしましたが…… | ||||
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友達に薦められて読みました。 犯罪の低年齢化が進む時代。少年犯罪法の憤りについて考えさせられました。 テーマは重いですが、内容の展開がとても深い。 ラスト1/3の展開には驚かされました。 とても練られたストーリで読みごたえがありました。 | ||||
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久々に読み始めたら止まらない本に出会った。これだから小説は面白いと思わせる一冊だった。 「少年犯罪」という重いテーマにもかかわらず読んでいてとても心地よいいと思ったのは、「少年犯罪」の問題点を指摘しながら、そのどれも押しつけがましくなく、普通の人間が悩み苦しむというスタンスからから逸脱しない点だ。こういった小説の場合、作者がどちらか一方の意見に傾倒している点が見えてしまうと一気に興ざめする可能性があるが、あくまでそのどちらの意見をも斟酌しつつ、どうにか答えを見つけ出そうとしていく所が多くの人に受け入れやすい作品になっている理由だろう。一考では、それは作者の人間味が現れた部分だろうとも思える。 また、そういった葛藤を物語の中に落とし込み、一級品のエンターテイメントへと昇華させた技術も素晴らしいと思う。最後の方は少し物語を複雑化させすぎたきらいもあるが、そこは作者の人間の内面描写の妙が埋めて余りあるものになっていると思う。 一気に読めた、という満足感を持って書を置きたい人にはぜひお勧めの一冊だと思う。 | ||||
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少年犯罪で厚い保護の元 罪を犯した少年は更生できるんでしょうか。 「光市母子殺人」でも報道される内容は 疑問に思うことばかりでした。 更生するとは どういうことを言うのでしょうか。 被害者への謝罪無くして更生したといえるんでしょうか。 本書はその少年法に対しての被害者の苦悩がとても良く伝わってきました。 一つの殺人事件がもたらした波紋が,また別の事件につながっていく。 面白くて一気に読みました。 | ||||
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江戸川乱歩賞は、実に読み易い小説ばかりです。 本作もまるでマンガを読むかのように、一気に読めてしまえます。 必要以上の暴力模写もありませんし、下世話な性的模写もありません。 しかし、この作品の中にあるのは、 「少年犯罪」「被害者の気持ち」「更生とは」「贖罪とは」という、 重く、大切な、人間とはを問う、重厚なテーマです。 それをエンターテイメントの中にまぶし、飽きさせずに、 ある意味「面白く」読ませてしまう、この凄さ・・・ 若い人達の活字離れが嘆かれて久しいですが、 そんな若い人達に、是非、「大人達が読ませるべき」一冊ではないでしょうか・・・! そういう意味で、この作品は、大変な傑作と断言出来ます。 | ||||
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少年犯罪による被害者遺族の苦しみという重いテーマにしては、主人公はもちろん、どの登場人物の心理描写に深みが感じられない。 かといってサスペンス性も高くなく、ラストも意外性を持たせるあまりディテールがいい加減になってしまった感がある。 一気に読みきってしまえるような飽きさせない展開はしているが、同じテーマにした小説と比べてもやはり凡庸の域を出ない。 | ||||
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