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聯愁殺



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聯愁殺の評価: 2.88/5点 レビュー 25件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.88pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(5pt)

作者にファンレターを書きたい

あまり評判がよくないようだが、私も「名前が読めない」は先に言っておくとして、
ミステリとしても面白いし、なにより人間の描写において非常に感心させられた。

というのも、私は犯罪被害者なのだが、
これほどまでに被害者の心情を描いてくれたと思う作品に出会ったことがない。
犯罪にあったその日から、平穏な日常は去り、親からも腫れ物扱い、友人関係も疎遠になる。
この世界を信じられなくなる。
人を信じられなくなる。

だからこそ、犯人を当てるきっかけにも深く頷ける。
「たしかに絶対にそういうことはしないだろう」と思える。

最後が蛇足という意見もあり、わかる気はする。
一つ前の章で終わっていても美しかったと思う。
でも、ここまでとことん描き切ってくれたことで、私は救われた気持ちになった。
自分が殺されそうになるということは、どういうインパクトをもった出来事なのか、
こんなにわかってもらえたと思ったことはない。

あと、老人が若い女性にかまってほしそうな様子がうざいとか、
かと思えば意外といい人かもしれないと見る目を変えるとかの描写も非常にリアルだった。
作者の人間を見る目に感服する。
聯愁殺 (中公文庫)Amazon書評・レビュー:聯愁殺 (中公文庫)より
4122053633
No.8:
(4pt)

good

おもしろかったです。
個人的な不満は最後のどんでん返しは議論の中で導いて欲しかった所と、
警察官の最後の行動ですかね。
この2点以外は楽しめました。
色々こじつけっぽいところがあるので
あまり深く考えずに
そういう考え方もあるのか!とか
シンプルに楽しめる方ならおすすめです。
聯愁殺 (中公文庫)Amazon書評・レビュー:聯愁殺 (中公文庫)より
4122053633
No.7:
(4pt)

パズラーの本領発揮

西澤先生の作品は近頃読んだものは初期のようなきっちりロジックを組み立てたものが
少なくなってきたように感じていたので、この作品のように一つの事件に対していろんな推理を
戦わせる形式は私は好みです。
最後の「狂気」も西澤先生らしく、安定感のある作品だと思いました。
ややこしい話なのにわかりやすく、読みやすい。名前が読みづらいのは定番。
どんでん返しがある作品が好きなので、この作品は読後感がすっきりでした。
聯愁殺 (中公文庫)Amazon書評・レビュー:聯愁殺 (中公文庫)より
4122053633
No.6:
(5pt)

西澤論理志向本格路線最高傑作

タイトルからして鮎川賞の最終候補に残ったデビュー前の作品のリメイクなのだろうか・・・・。
西澤氏のSF的趣向なしかつ、ユーモアもなしのガチ論理志向の数少ない作品のひとつであり、ひとつの到達点とも言える意欲的傑作。
全編推理合戦が繰り広げられ、ラストは西澤氏らしい意外な落ちがきっちり決まり、読み始めたら最後まで一気に読める作品。
聯愁殺 (中公文庫)Amazon書評・レビュー:聯愁殺 (中公文庫)より
4122053633
No.5:
(4pt)

読み応えあるが・・・

本格ミステリーの雄、西澤さんの自分にとっては「収穫祭」に次ぐ、2作目に読んだ作品。理由もなく襲われた女性の事件を様々な人が推理していく話。読みやすく、読みごたえもある。諸説が出てきて、どんな話に終息していくかと思ったが・・・・。本格ミステリはやや苦手だがこの著者は読みやすい。ただし、2作読んでパターンも読めてきた気もしてしまった
聯愁殺 (中公文庫)Amazon書評・レビュー:聯愁殺 (中公文庫)より
4122053633
No.4:
(5pt)

ミッシングリンクミステリーとしては傑作

見ず知らずの高校生に殺されそうになった主人公・一礼比梢絵。しかもその少年は連続無差別殺人事件の容疑者であり、現在も失踪中であるという。事件から四年後、梢絵はなぜ自分がこんな目に遭わなくてはならなかったかの謎解きを、推理集団「恋謎会」に依頼する。
被害者は、医者、小学生、老人、OL。全員に殺されるような動機や共通項があるのかを推理していくミッシングリンクもの。いくつもの仮説が繰り広げられては否定されていく過程がドキドキして楽しい。
最後に待ち受けているドンデン返しの衝撃はなかなか。
聯愁殺 (中公文庫)Amazon書評・レビュー:聯愁殺 (中公文庫)より
4122053633
No.3:
(5pt)

多重解決ミステリ+α

OLの一礼比梢絵は、ある夜、自室に帰った
ところを見知らぬ男に襲われ、殺されかける。
それから四年。犯人はいまだ捕まっていない。
現場に残されていた手帳から、その男が連続殺人を計画・実行していたらしいことは
判明するのだが、犯行動機や被害者間の繋がりは、まったく浮かび上がってこない。
梢絵は、男が自分を襲った理由をはっきりさせるため、ミステリ関係者の集まり
である〈恋謎会〉の会合に参加し、メンバーに推理してもらうことにするのだが……。
ひとつの事件に対し、作中で複数の解決が提示される多重解決ミステリ……、
と見せかけて、巧緻な騙りの技巧を駆使し、結末で衝撃のサプライズを演出した
作品。
本作の大部分は、〈恋謎会〉による議論によって占められています。
そこで論じられる論点は、おもに三つ。犯人の動機(ホワイダニット)、
被害者間の隠れた繋がり(ミッシング・リンク)、そして梢絵を襲った
犯人の逃走方法(密室からの消失)です。
議論が進むにつれ、次々と新事実が追加されていき、その都度、仮説が
上書きされていくのですが、当然というべきか、そこでの最終的な結論が、
真相に到達することはありません。
知的スノッブ達によって繰り広げられる推理合戦自体が、
結末のサプライズのための「前座」に過ぎないのです。
作者は、フェアとアンフェアの境界線上にあるタイトロープを結末
まで見事渡り切り、着地を決めることに成功しているといえます。
ただ、計算し尽くされた精緻なプロットについては、まったく文句のつけようがない本作
なのですが、最終的に読者に突きつけられる陰惨で酷薄な真相が、かえってリアリティ
を殺ぎ、蛇足となっていると感じる向きもあるかもしれません。
聯愁殺 (中公文庫)Amazon書評・レビュー:聯愁殺 (中公文庫)より
4122053633
No.2:
(4pt)

チョコレートの後にお読み下さい

まず、読み出してすぐ感じたのは、「これは『毒入りチョコレート事件』だな」ということです。何しろ第2章、26ページから(本の最後まで)探偵作家や警察OBたち5人の会合「恋謎会(れんめいかい)」で事件の推理が始まるのです。その時に分かる『毒入りチョコレート事件』との違いは、依頼者が同席していることくらいでしょうか。最初に気が付く違いはこれだけで、読んでいくと、この依頼者がウソをついていたり、隠している事実があったりするものだから、探偵たちが調べた新事実の他にもこれらが出てくるので、内容も構成も本家より劣っているのでは?と危惧してしまいました。さらに読み進めると、一通り推理を出した後は、それぞれ思いついた人が推理を発言して行くので、一人ずつ推理と検証をしていく本家より読みづらい…。最後まで読むと、ようやく作者の仕掛けが明らかになって、ここまで読んだ努力が報われる感じしましたが、特に『毒入りチョコレート事件』を読んだことがある人にとってはそこまで行くのが大変かもしれません。ネタバレするのでこれ以上書けないのが残念ですが。どんでん返しそのものは充分に堪能できたものの、犯人の動機にはちょっと納得しかねるものがありました。ちなみに、てっきり「恋」の旧字かと思っていたら、漢和辞典で調べたら「聯」は「連」の旧字でした。
聯愁殺 (中公文庫)Amazon書評・レビュー:聯愁殺 (中公文庫)より
4122053633
No.1:
(4pt)

推理に次ぐ推理――めくるめくロジックの幻想

 本書を読んでまず驚かされるのは、事件が起こる場面が全体の15パーセントほどで、残りは全て推理部分に費やされている事である。かつてこれほどまでにロジックにこだわったミステリィがあっただろうか。 一つの推理が立てられては崩され、新たな推理が立てられてはまた崩される。我々は作者の掌の上で弄ばれ、最後には見たことのない場所へ放り出されてしまう。 我々に許されるのは、ただ一つ。高鳴る鼓動を押さえながらロジックの美しさ、前代未聞の殺人の動機に驚く事だけだ。 謎が全て明かされた時、背筋をぞくりとさせられる事は間違いないだろう。
聯愁殺 (中公文庫)Amazon書評・レビュー:聯愁殺 (中公文庫)より
4122053633

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